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技術士二次試験 機械部門 【過去問答案開示】(不具合の原因特定、不具合対策 FTA FMEA)

こんにちは。たけゆうです。

今回は平成29年の問Ⅲについて、回答案を開示します。

キーワードは「不具合の原因特定」「不具合対策」「FTA」「FMEA」です。

ご自身の製品と技術を取り入れて、ご自身にて答案を作成下さい。

平成29年 材料力学 問Ⅲ

工業製品の信頼性が、予期せぬ変形や破壊によって損なわれ、不具合が生じることがある。この場合、原因を特定する必要があると同時に、同じ不具合が生じないようにするための対策も併せて必要になる。あなたが、不具合を対策する材料強度分野の責任者である。

(1)具体的な工業製品を1つ想定し、不具合の原因となる事象を系統的に細分化して、原因を特定する手法について多面的に述べよ。

(2)破壊により信頼性を損なう事例を1つ想定し、(1)で示した手法のうち1つを用いて、原因の特定と再発防止策を提案せよ。

(3) (2)で示した原因の特定と再発防止策について、技術的な限界を説明せよ。

答案

1.不具合の原因特定と対策について

(1)-1ブレーキシューの想定 
具体的な工業製品として、ロープ式牽引機のブレーキシューを想定する。ライニングが鉄製のシューに接着剤で固定される。ライニングがシューから脱落する不具合を想定する。

(1)-2設計段階での不具合特定方法 
①FMEA 
事前に対象部位を選定し、故障モードを列挙する。その後、故障モードの影響とその原因を記述する。各故障モードの重大性と頻度で評価し、対策の優先度を決める。最後に、故障の対策を実施する。  
長所:設計段階で予測可能なため、潜在的な不具合を防止可能。更に重大、高頻度な不具合を重点対策可能。
短所:どの程度対策をとるべきか判断が困難。

(1)-3不具合発生時の原因特定方法   
①FTA   
不具合事象をツリートップに書き、下方にトップ事象の要因を漏れが無いよう列挙する。ANDゲートやORゲートを使用し、上位事象の発生条件を記述する。最後にフローチャート図を参照し、発生原因の対策を行う。

長所:全要因を抽出するため、他の要因の発生確率が分かれば、残りの要因の発生確率が推定可能。 
短所:不具合の未然防止には使用不可能。

2)FTAを用いたライニング脱落の要因特定と再発防止策 
(2)-1原因の特定 
図2の通り、ライニング脱落の要因をツリー上に記述する。 

①破壊面の目視確認 
フロー2層目の判断として、目視にて破壊箇所を確認する。更に、破壊面が、段付きのしま模様となっている場合は、疲労破壊と考える。接着剤自身が大きく横ずれしている場合はクリープ破壊と考える。

②再現試験の実施 
疲労破壊の場合は、想定する繰返し応力を与えて、早期破壊有無を確認する。クリープ破壊は、使用上限温度で、想定応力を負荷し続け、早期破壊有無を確認する。

(2)-2再発防止策 
①応力集中の緩和 
接着部に応力集中が発生しないようRを付ける。Rが困難ならば、角を落とす。

②クリープ変形の抑制 
高温時クリープ変形した場合でも、シューを土手に当てることで、クリープ変形、破壊を防止する。

(3)原因特定と再発防止策の技術的な限界 
(3)-1原因特定の技術的な限界 
①FTA作成者の技術的想像力不足 
FTAのフローを網羅的に正しく書けなければ、真因を見落とす場合がある。
②新システム導入時の故障発生確率見積困難

(3)-2再発防止策の技術的な限界 
①既出荷品のさかのぼり対策 
②未発生不具合の対策優先順位決めが困難 
③寸法制約による、代替品の疲労寿命<製品品質保証年数 
ライニングが剥離し位置ずれしたことを検出するスイッチを付ける。剥離した場合でも一時的には土手でブレーキトルクを保持可能であり、スイッチ検出後に部品交換対応する。

答案(原稿用紙)

ABOUT ME
takeyuu
倹約投資家サラリーマンパパ33歳。ずっとニコニコ円満家庭が目標。 機械/電気で技術士一次試験合格。 機械で技術士二次試験不合格するも、合格を目指し情報発信中。 (令和2年の結果 問Ⅰ:A、問Ⅱ:C、問Ⅲ:A)