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技術士二次試験【過去問の解答例】Ⅱ-2 機械部門 材料力学 令和元年 長年使用した機械構造物の保守 継続使用の可否判断

今回は令和元年問Ⅱ-2について回答案を開示します。

キーワードは「機械構造物の保守」「長期間使用」「継続使用の可否判断」です。

ご自身の製品と技術を取り入れて、ご自身にて答案を作成下さい。

機械部門 材料力学 Ⅱ-2

【令和元年Ⅱ-2】

長年使用した機械構造物の保守担当責任者として、構造強度的な観点から継続使用の可否を判断する場合、下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)検討を進める業務手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

答案

(1)調査、検討すべき項目 
ロープ式牽引機を想定する。モータとブレーキを有す。図1の通り。

(1)-1調査すべき事項 
(1)-1-1定期的に交換する部品の検討 
①摺動部材の継続使用検討
 
軸受:異音有無、回転軸振れを確認する。 
軸受用グリース:粘度の変動、早期の変色、摩耗粉付着、分離油の量を確認する。 
オイルシール:グリースの漏れを目視確認する。 
ブレーキパッド:パットの残量を寸法確認する。摩耗粉の量とパット材の欠け有無に留意する。

②摺動部以外での継続使用検討 
グリース排出ゴムホース:カバーの嚙み込みによるホースのちぎれや、応力腐食割れ有無を目視確認する。

(1)-1-2定期的な交換を想定しない部品の検討 
主軸の疲労破壊:疲労破壊の予兆を確認するために、表面の微小傷を浸透探傷試験で確認する。 
モータの磁石割れ:破片の接触音やモータ電磁音が発生するため、回転周波数依存の騒音発生に留意する。

(2)検討を進める業務手順 
(2)-1部品ごと交換タイミングの把握 
①設計部門から部品の想定寿命入手

設計部門から部品の想定寿命を調査可能ならば情報を入手する。不可能な場合は、以下の通り算出する。

②軸受、軸受用グリース、オイルシール 
軸荷重、駆動速度、温湿度等の使用条件から算出する。

③ゴムホース 
アレニウスの法則を利用し、高温環境下にて早期劣化させ、試験時間の短縮を図る。

④軸の疲労強度及び余寿命 
寸法効果、切欠係数、表面粗さ係数を考慮し疲労線図を作成する。材料・荷重ばらつきから安全率=1.45を見込む。表面亀裂サイズから余寿命を算出する。

 (2)-2調査に掛かるコストの見積り 
人員:設置台数に応じた点検人員を確保する。不具合発生時も無理が無いよう、2割程度余裕を確保する。 
設備:非破壊試験装置を各支社に配備する。 
金銭:全ての行程に掛かる費用を合算し把握する。 
顧客負担:牽引機を停止する旨事前に了解を得る。

(2)-3調査点検の教育実施 
熟練者の指導動画を全国支社に配信し効率化する。

(2)-3FMEAによる対応優先度の決定 
FMEAを利用し、万が一部品が損傷した際の影響度と故障発生率から、対応優先度を決定する。

(3)関係者との調整方策 
①計画的な調査スケジュール立案と施主への説明 
②定期点検に必要な保守人員の配置と技能研修 
③欠陥発見時、設計部隊への情報連絡システム構築 
④部品受発注の情報システム、物流の構築

答案(原稿用紙)

ABOUT ME
takeyuu
倹約投資家サラリーマンパパ33歳。ずっとニコニコ円満家庭が目標。 機械/電気で技術士一次試験合格。 機械で技術士二次試験不合格するも、合格を目指し情報発信中。 (令和2年の結果 問Ⅰ:A、問Ⅱ:C、問Ⅲ:A)