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技術士二次試験 機械部門 【問Ⅲ回答案開示】(CAE解析と実機試験の差異 V&V ひずみゲージ)

こんにちは。たけゆうです。

今回は新技術開発センター添削問題問Ⅲについて、回答案を開示します。

キーワードは「CAE解析と実機試験の差異」「V&V」「ひずみゲージ」「応力解析」です。

ご自身の製品と技術を取り入れて、ご自身にて答案を作成下さい。

材料強度・信頼性 問Ⅲ想定問題

あなたはCAE解析部署の部員である。設計部からの依頼により、自社製品の応力解析を実施した。また、実測の専門部署では、同じ製品に発生する応力を電気抵抗ひずみゲージを使用し実測していた。解析結果と実測結果を比較したところ、両者の結果に乖離が見られた。CAE解析及び実測の実施条件は同じであるものとして、以下の問いに答えよ。

(1)CAEの解析結果と実測結果について、両結果が乖離する考えられる要因を述べよ。
(2)材料力学的観点から、解析結果の妥当性をあなたはどのように設計部へ説明するか述べよ。
(3)検討の結果、今回は実測の結果は利用せず、CAEの解析結果のみを設計に利用することになった。今後想定されるリスクとその対策について、あなたの意見を述べよ。

(1)答案

(1)解析と実測が乖離する要因
(1)-1解析誤差
①形状簡略化

実際の製品は鋳肌表面の凹凸や接着剤のはみ出しが存在するが、解析では理想的な場合を想定する。
②材料物性地の誤差
解析ではヤング率とポアソン比を素材ごとに決定するが、樹脂やゴム等、方向性や非線形性を持つ材料は解析上設定困難。
③数値計算の誤差
有限要素法により離散的に計算を行うため、Rの無い角にて応力値が極端に大きくなる。分割数が不十分な場合は、応力集中部を見落とす可能性がある。
(1)-2実測誤差
①製作誤差

鋳物や鍛造品では、製作時の圧力や熱処理の温度がバラつく。そのため、内部応力や強度、硬度が理論通りとならない。また加工公差も存在する。
②測定誤差
ひずみゲージ貼付箇所の面粗度が悪い(Rz=100以上)の場合、部材の変形がゲージに伝わらないため誤差が出る。貼付角度が5°ずれると、1%の誤差が出る。
③測定環境による誤差
金属は熱膨張するため、温度による変形量を考慮する。融点が低い素材は、ヤング率が変化する事に留意する。


(2)解析結果の妥当性説明
(2)-1牽引機構造物の強度解析

具体的な解析対象として、図1のようなロープ式牽引機の構造物を想定する。軸に荷重印加され、軸段付部、ハウジング脚部に応力が集中する。


(2)-2解析結果の妥当性確認方法
①V&Vに基づく妥当性確認

図2の通り対象物の解析、試験結果の誤差はAである。解析結果の誤差は③+Bだが、すべての把握は困難なため、②の確認が肝要である。②、③を以下の通り説明する。


②簡易モデル化と数値計算による確認
図3の通り、軸とハウジングを、梁に置き換えて検討する。応力値はσ=M/Zで求める。図時の確認箇所が最大応力発生部なので、ここを解析値と比較する。


③変形モード確認によるモデル化誤差確認
軸、ハウジングの変形量を実測し、軸とハウジングに予期せぬ相対位置ずれが無いか確認する。あった場合は拘束条件を変更する。更に変形量の大きさから、材料の物性値を同定させ、変位量を合わせていく。


(3)CAE解析結果のみ利用するリスクと対策
(3)-1リスク

①構造変更に伴うモデル化間違い
固定方法の変更や、他部材の追加により、V&Vにおける②及び③を検討誤りする可能性がある。その結果、早期破壊や、過剰品質によるコスト増加が発生するリスクがある。
②牽引機交換不可能な現場の存在
ロープ式牽引機は、最軽量でも200kg有り、大掛かりな据付機器が必要。ロープ掛けや張力調整、エンコーダ磁極学習が必要なため、工期を要し、牽引機駆動停止をお客様が拒否する場合がある。
(3)-2対策
①DRBFMを用いた変更点管理の定常化

構造、素材の変更を行う際は、必ずDRBFMを行い、変更点に伴うリスクと、その大きさを見積もる。設計誤りが想定される場合は、実機検証を行い、V&Vの②及びAの妥当性を確認する。
②リスクの大小に応じたフェールセーフ機構の導入
DRBFM実施時にリスクが大きいものは、図4の具体例の如くフェールセーフ機構を導入する。重要部材よりも先に壊れる補強部材を設け、これが破壊した場合に、補強部材の交換、又は牽引機の交換を検討する。  

以上

(2)答案(原稿用紙)

ABOUT ME
takeyuu
倹約投資家サラリーマンパパ33歳。ずっとニコニコ円満家庭が目標。 機械/電気で技術士一次試験合格。 機械で技術士二次試験不合格するも、合格を目指し情報発信中。 (令和2年の結果 問Ⅰ:A、問Ⅱ:C、問Ⅲ:A)