ITパスポートの資格がすごいのか、役に立つのか知りたい人
ITパスポートの合格率と勉強時間を知りたい人
どんな人にITパスポート資格がおすすめか気になる人
IT初学者だが、ITパスポートを受験しようか悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
20代:色々チャレンジしたくて忙しい
30代:子育てと仕事の両立が忙しい
40代:管理職になって仕事が忙しい
50代:親の介護が忙しい
どの世代も忙しい理由があり、勉強時間の確保が難しいと思います。
「わざわざ時間を割いて、ITパスポート試験に挑むメリットってあるのか」
このような疑問に対する答えは一つ、「悩むくらいなら受けない方が良い」と考えます。

他にもたくさんの選択肢があるので、無理してまで気の進まない資格を取る必要はないでしょう
本記事では、ITパスポート資格がどんな役に立って、勉強時間や合格率はどれくらいか分析します。
その上で、どんな人にITパスポート試験をおすすめ出来るか、逆にできないかを説明します。
ITパスポート受験が向いている人
・長期的な視点で努力を続ける人
・資格を上手く活用できる人
基本情報技術者が向いていない人
・上位資格へステップアップを考えていない人
・資格取得の奨励と無縁な人
ITパスポートとはそもそも何?
ITパスポート試験とは、経済産業省所管の「情報処理推進機構(IPA)」が行う国家資格試験です。
情報処理技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。
IPAのWEBサイトより引用

ITパスポートは、情報処理技術者の中で「あなたのIT力を証明する国家試験」とされており、レベル1に位置付けられています。
1.対象者像
職業人及びこれから職業人となる者が備えておくべき、ITに関する共通的な基礎知識をもち、ITに携わる業務に就くか、担当業務に対してITを活用していこうとする者
IPAのWEBサイトより引用
略号 | IP |
英語名称 | Information Technology Passport Examination |
実施方式・実施時期 | CBT方式より随時実施 |

ITパスポート試験は、120分で100問の四肢択一問題で、やや平易な難易度です。
ITパスポート試験は、医師や弁護士のように、業務独占資格ではありません。
例えば医師でなければ医業が出来ませんが、ITパスポート保有者でなくともIT技術者になれます。
そのため、ITパスポートを取得するメリットが無いのでは?と考える方も多いでしょう。
ITパスポートの資格は役に立つ?
ではITパスポートの資格はどんな役に立つのでしょうか?
凄く乱暴な言い方をすると、持っているだけでは役に立たないでしょう。
資格を持っているだけでは役に立たない
株や投資信託のように、保有しているだけで配当金や運用益を運んでくれるものではありません。
合格証を持って家に飾っても、ご家族に煙たがれるだけ 試験に突破した思い出になるだけでしょう。
就職・転職の際に能力や努力の証として使用したり、得た知識を仕事に活かすことで、資格が役に立つでしょう。
資格を得る過程でITの基礎力が付く
ITパスポート試験で問われるのは、幅広いIT知識と、ビジネスの基本的な知識です。
例えばこのような問題が課せられます。



このようにITの知識が無い方にとって、難しい問題が出題されます。
経営(ストラテジ)やマネジメントも多数出題され、ビジネスの基本知識が問われます。
そのため、資格勉強を通じて、基本的なIT技術とビジネス用語に精通します。
ITパスポートはすごい?
俗な言い方ですが、「ITパスポートはすごい」とごくまれに聞きます。
「ITの広い知識が必要」「国家資格」「文系や学生には難しい」という点が、「ITパスポートはすごい」という考えに至るのではないでしょうか。
この問いに関して、「本当にITパスポートは、すごいのか」客観的なデータから考えます。
2018年~2022年の平均合格率は54%
ITパスポートの合格率は、IPA公式サイトに記載されており、ご覧の通りです。
年度 | 合格者数 | 対受験者合格率 |
---|---|---|
平成30年度 | 49,221人 | 51.7% |
令和元年度 | 56,323人 | 54.3% |
令和2年度 | 77,512人 | 58.8% |
令和3年度 | 111,241人 | 52.7% |
令和4年度 | 119,495人 | 51.6% |
5年間の平均 | 82,758人 | 53.8% |
年度 | 合格者数 | 対受験者合格率 |
---|---|---|
平成30年度 | 49,221人 | 51.7% |
令和元年度 | 56,323人 | 54.3% |
令和2年度 | 77,512人 | 58.8% |
令和3年度 | 111,241人 | 52.7% |
令和4年度 | 119,495人 | 51.6% |
5年間の平均 | 82,758人 | 53.8% |
合格率は54%程度であり、国家資格試験としては簡単であると言えます。
ITパスポート試験は、2011年より国家資格で初めてCBT方式が開始され、非常に多くの受験者がいます。
合格者の平均勉強時間は約80時間
ではITパスポート試験の勉強時間はどれくらいでしょうか。
2023年4月にクラウドワークスでアンケート調査を行った結果、合格者の平均勉強時間は約80時間でした。
※なお、アンケートはこちらの応募とフォームによって得ました。



合格者は50~100時間と回答した人が最も多く、続いて100時間未満となりました。
興味深い事に、不合格者は50時間未満と解答した人が多く、勉強時間も少なめでした。
50人の投票結果ではありますが、勉強時間で合格ラインを目指すならば50時間以上となります。

毎日2時間勉強したら、25日以上必要ですね!
ITパスポートをおすすめしたい人
ITパスポートの受験をおすすめしたい人は、次のような人です。
(1) ITに関係のある仕事をしたい人
(2) 会社から資格取得を奨励される人
(3) 他分野からITを一から学びたい人
(4) 資格を上手く活用できる人
ITに関係のある仕事をしたい人
これからIT技術に関係のある仕事したい人に向いていると考えます。
①経済産業省が認める国家資格
②ITの幅広い知識と経営・マネジメントの知識を習得
まずITパスポートは、経済産業省が予算を取って独立行政法人に資格を運営させています。
難易度は低めですが、IT知識を持っていることを、しっかりと国から認められます。
難易度が低めといっても、ITの幅広い知識と経営・マネジメントの知識が必要です。
合格率は54%程度なので、IT技術者はもちろん、これからITに挑戦したい人にピッタリです。
以上の理由から、IT技術に関係のある仕事したい人がITパスポート受験に向いていると考えます。
会社から資格取得を奨励される人
会社から資格取得を奨励されている人は、ITパスポート受験に有利でしょう。
・報奨金がもらえる
・ITパスポートの講座を社内で受講できる
・社内で情報技術者会のようなコミュニティが存在する
会社が情報技術者系資格の取得を奨励している場合は、ITパスポートもしくは上位の情報系資格を取る事が給料UPや昇進に繋がる事もあるでしょう。
例えば私が勤める会社では、基本情報技術者の取得で報奨金を得られ、IT技術への精通が昇進に繋がります。
他分野からITを一から学びたい人
他分野からITを一から学びたい人も、ITパスポート受験に向いていると考えます。
・IT技術が分からなくても取り組める難易度
・上位の情報処理資格のステップアップにぴったり
「文系出身」「IT未経験」でも大丈夫。ITパスポートを試験対策すれば、ITの基礎知識が習得できます。
IT初学者は、レベル1のITパスポートに合格しておくと、上位資格に向け基礎力を身に付けることができます。
項目 | 詳細 |
---|---|
出題形式 | 120分間で100問(4肢択一) ストラテジ系35問 マネジメント系20問 テクノロジ系45問 |
合格基準 | 全体で600点以上(60%が目安) ストラテジ系 300点以上(30%が目安) マネジメント系 300点以上(30%が目安) テクノロジ系 300点以上(30%が目安) |
項目 | 詳細 |
---|---|
出題形式 | 120分間で100問(4肢択一) ストラテジ系35問 マネジメント系20問 テクノロジ系45問 |
合格基準 | 全体で600点以上(60%が目安) ストラテジ系 300点以上(30%が目安) マネジメント系 300点以上(30%が目安) テクノロジ系 300点以上(30%が目安) |
資格を上手く活用できる人
レッテルが弱いと、誰もあなたの話を聞こうとしてくれないかもしれません。
会社の枠から外れて情報発信する際に、資格があった方が信頼されます。
技術や努力の証になるので、就職や転職にも有利に働くことは、言うまでもありません。
持っているだけでは役に立たない資格なので、自分で行動して資格を使っていける人は、ITパスポート受験に向いていると考えます。
ITパスポート受験をおすすめしない人
反対に、ITパスポートの受験をおすすめしない人はこの通りです。
(1) 時間の確保が難しい人
(2) 短期的に大きく稼ぎたい人
(3) 資格取得の奨励と無縁な人
(4) 他にやりたい事がある人
(5) 勉強が苦手な人
時間の確保が難しい人
ITパスポート試験の平均勉強時間は80時間でした。
3ヶ月間、毎日1時間勉強して90時間です。
この時間を捻出しようと思うと、移動中や風呂の時間を拾う必要があるかもしれません。
仕事や育児家事が忙しい方は、時間の確保が最大の課題かもしれません。
短期的に大きく稼ぎたい人
資格取得には多くの勉強時間が必要です。
しかも不合格の可能性があるに、合格=人生安泰 でもありません。
単純に費用対効果(短期的な)を考えると、バイトや残業をした方が良いでしょう。
ITパスポート取得を目指す方は、上位資格へのステップアップや、スキルの掛け算など長期的な視点を持つ人がいます。
手っ取り早く稼ぎを得たい人には、ITパスポートは向いていないと考えます。
資格取得の奨励と無縁な人
会社から資格を奨励されていない人は、ITパスポート取得が向いていないと考えます。
上位資格なら合格報奨金として、会社から5万円が支給される・・・
昇進に優位に働く事が明記されている・・・
会社の研修制度で情報処理資格のセミナーを受講できる・・・
このように資格を奨励している企業の人の話を聞くと、気持ちが萎えてしまうかもしれません。
自分に求められていない資格を取ってもしょうがないと割り切り、他の事に注力される事を勧めます。
他にやりたい事がある人
他にやりたい事がある人は、時間の工面が更に大変だと考えます。
・TOEICで100点UPを目指したい
・毎日1時間は好きなYoutubeを見たい
・暇な時間はスマホのゲームをしたい
・週に3回はテニスをしたい
20代~50代、どの世代も忙しいので、自分がやりたい事に使える時間は多くないでしょう。
全く勉強せずに取れるほど簡単な資格ではありません。
ITパスポートを受験するなら、ある程度の勉強時間を確保する必要があります。
勉強が苦手な人
ITパスポートは国家資格なので、難易度を大幅に下げて権威性を下げることは無さそうです。
そのため、どのような出題範囲で、何に注力すべきかを考える必要があります。
ITパスポート試験は出題範囲が広く、テクノロジ・マネジメント・ストラテジ全体を理解しておく必要があります。
勉強が苦手な人は向いていないでしょう。
まとめ
ITパスポート受験に向いている人、向いていない人について次のようにまとめます。
ITパスポート受験が向いている人
・ITに関係のある仕事をしたい人
・他分野からITを一から学びたい人
ITパスポート受験が向いていない人
・短期的に大きく稼ぎたい人
・資格取得の奨励と無縁な人
当ブログではITパスポート合格を目指す方へ、有益な情報を発信するよう努めて参ります。
以下の記事は多くの方に読まれていますので、お役に立てるかもしれません。



それでは、皆様の資格試験、並びに技術者生活に良き事がありますように。
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