PMP受験者が、一発合格のために必ず理解したいサーバントリーダーシップをまとめました。
この記事は、PMP試験対策講座と演習問題解説を作成しながら作りました。
問題演習をする前に、必ず理解したいポイントをまとめたので、ぜひご一読ください。
サーバントリーダーシップの概要
サーバントリーダーシップとは?
サーバントリーダーシップとは、可能な限り最高のチームパフォーマンスを実現するための実務慣行です。
リーダーは、チームメンバーのニーズと開発を理解し対処することに注力し、チームへのサービスを通した主導を行います。
サーバントリーダーの役割は、チームがアジャイルを発見し定義するのを促進することです。サーバントリーダーシップは、プロジェクト上で次のように機能します。
目的:プロジェクトのゴールに向けて参画し融合できるように、チームと協力して「理由」または目的を定義する。チーム全体が各メンバーレベルではなくプロジェクトレベルで最適化される。
人:目的が確立されると、チームを鼓舞して全員が成功できるような環境を作成する。各チームメンバーに、プロジェクト作業全体にわたって貢献するよう要請する。
プロセス:「完璧な」アジャイルプロセスに従うことを計画するのではなく、むしろ結果を出すことにこだわる。完成した価値を機能横断チームが創出し、プロダクトおよびプロセスに反映させるとき、チームはアジャイルだと言える。チームがそのプロセスを何と呼ぶかは問題ではない。
サーバントリーダーシップは、次の特性によってチームの成功を促進できるようになります。
- 自己認識の促進
- 傾聴
- チームメンバーへの奉仕
- 人の成長の支援
- コーチング対コントロール
- 安心、敬意、信頼の促進
- 人の気力と知性の促進
サーバントリーダーは、次のような質問への対処に力を注いで、チームメンバーの能力を最大限に高めることに重点をおきます。
- チームメンバーは個人として成長しているか
- チームメンバーは、より健康で、より賢く、より自由で、より自律的になっているか
- チームメンバー自身もサーバントリーダーシップになろうとする意欲が高まっているか
アジャイル近い価値観を持つ
このようなサーバントリーダーシップの特性を見て、「アジャイルに近い」と感じた人は鋭いです。アジャイルは、以下の通り宣言されていて、サーバントリーダーシップの価値観と近いです。
私たちは、ソフトウェア開発の実践あるいは実践の手助けをする活動を通じて、よりよい開発方法を見つけだそうとしている。この活動を通して、私たちは以下の価値に至った。
プロセスやツールよりも個人と対話を、
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
契約交渉よりも顧客との協調を、
計画に従うことよりも変化への対応を、
価値とする。すなわち、左記のことがらに価値があることを認めながらも、私たちは右記のことがらにより価値をおく。
「アジャイル宣言4つの価値」アジャイル実務ガイドから引用
かみ砕いた説明
少しかみ砕いた説明をします。サーバントリーダーシップは、アジャイルの同様の原則を持っていて、チームを効果的に主導するためのスタイルです。今までの慣習や常識にとらわれず、顧客との協調やチームの自立性を尊重します。例えばチームメンバーが毎日在宅勤務をしたい!1か月バケーションが欲しい!と言えば、まず意見を尊重し、プロジェクトの成果に差し支えない範囲で応じます。実際のPMP試験では、さまざまなプロジェクトの局面で、どう行動するのが最適か選択します。このPMP試験を通じて、シチュエーションごとのマインドセットを理解していきます。
アジャイルの実装はアジャイルのマインドセットで開始
アジャイル・アプローチの実装では、プロジェクトチームがアジャイルのマインドセットを採用する必要があります。つぎの質問に対する答えを考えることで、実装の戦略を立てます。
- プロジェクトチームはアジャイルアプローチでどう行動できるか。
- チームは何を迅速にデリバリーし、次のデリバリーサイクルに役立つどのような早期のフィードバックを得ることができるか。
- チームは透明な方法でどう行動できるか。
- 優先度の高い項目に注力するためには、どのような作業を回避できるか。
- サーバントリーダーシップ手法はチームのゴールの達成にどのように役立つか。
このように、アジャイルアプローチの実践は、サーバントリーダーシップ手法が必須課題となります。
サーバントリーダーの責任
サーバントリーダーの責任の例
サーバントリーダーは、関係をマネジメントすることで、チーム内および組織全体のコミュニケーションを確立し連携を図ります。実際の責任の例を見ていきましょう。
ステークホルダーへの教育:アジャイルを使用する理由と方法についてステークホルダーに教育します。優先順位付け、権限を持ったチームのより大きな説明責任と生産性、より頻繁なレビューによる品質向上などに基づく、事業価値のベネフィットを説明します。
チームへの支援や励まし:指導、励まし、支援を通してチームをサポートします。チームメンバーのトレーニングとキャリア開発を主導します。矛盾する表現ですが「チームの背後にいてチームを主導」します。サーバントリーダーの重要な役割は、たとえリーダーがいなくなっても、現在の役割を通して、さらには役割をこえてチームメンバーを育成し成長させることです。
チームへの教育:リスクの定量分析のようなプロジェクトマネジメントの技術的手法を使ってチームを助けます。チームメンバーや、役割や機能の知識や経験を持っていないことがあります。サーバントリーダーは、チームメンバーにトレーニングを実施するか、これらの機能を引き受けることでチームを支援します。
内外のコラボレーション:チームの成功を祝い、外部グループとの活動の構築を支援し橋渡しします。コラボレーションの強化に対する感謝と善意の上昇スパイラルを創出します。
ファシリテートする
プロジェクトマネージャーがサーバントリーダーとして行動するとき、「調整のマネジメント」から「コラボレーションの促進」に重点が移ります。
サーバントリーダーは、コラボレーションの促進に重点を置きます。コラボレーションの促進とは、誰もがベストの指向と仕事ができるよう支援することです。サーバントリーダーは、チーム内とチーム間のコラボレーション、対話を促進します。例えば、チーム内やチーム間で生じたボトルネック(不和や不平不満)を顕在化させ、伝達することを支援します。
そしてサーバントリーダーは、ファシリテーターとして振る舞います。ファシリテーターは、対話のある会議、非公式の会話、知識の共有を通してコラボレーションを促進します。サーバントリーダーは、責任を積極的に引き受けるのではなく、公平な橋渡し役やコーチになります。つまり例えば、部下の仕事を積極的に引き受けるのではなく、話を聞いて原因を分析し、チームが自立的に解決できるようアドバイスや話し合いの場を設けることに徹します。
組織の障害の取り除く
サーバントリーダーは、組織の障害を取り除く役目があります。
サーバントリーダーは、アジャイル宣言の第一の価値に重点を置き、組織の障害を取り除く役目があります。
つまり、プロセスやツールよりも個人と対話を重視します。具体的には、チームや組織のアジリティ(早さ)を妨げているプロセスを綿密に調べ、それらの効率化を行います。例えば、ある部署が詳細な文書化に多くの時間を要している場合、その文書をレビューして、本当に必要な文書の量を評価します。これによって、チームは文書の作成よりも価値のあるプロダクトを提供することに注力できます。
文書作成以外にも、組織の障害はあります。財務部門、変更管理委員会、監査のプロセスや部門は、必要に応じてアジリティをチェックし適切に対処します。上司の決裁待ち、従来から続いている慣行の実行、紙書類の作成と保管棚の管理、参加者が意見しない会議・・・。あまりに多くの組織が「ボトルネック」となるプロセスを抱えています。サーバントリーダーは、これらの組織的な障害を変更または除去してチームを支援する能力を持っています。
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