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技術士二次試験【過去問の解答例】 機械部門 Ⅰ 令和元年答案 SDGs

今回は令和元年の問Ⅰについて、回答案を開示します。

キーワードは「SDGs」です。

ご自身の製品と技術を取り入れて、ご自身にて答案を作成下さい。

記事の概要

・SDGsについて紹介します
・ものづくり白書から、SDGsと関連の強いキーワードを解説します
・技術士二次試験 機械部門 令和元年度 問Ⅰの回答案を開示します
ご自身の答案作成に、是非参考にしてください

機械部門 令和元年度 問Ⅰ

 持続可能な社会実現に近年多くの関心が寄せられている。例えば、2015年に開催された国連サミットにおいては、2030年までの国際目標SDGs(持続可能な開発目標)が提唱されている。このような社会の状況を考慮して、以下の問いに答えよ。

(1)持続可能な社会実現のための機械機器・装置のものづくりに向けて、あなたの専門分野だけでなく機械技術全体を総括する立場で、多面的な観点から複数の課題を抽出し分析せよ。
(2)その中で最も重要な課題を1つ挙げ、複数の解決策を示せ。
(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策を述べよ。
(4)業務遂行において必要な要件を技術者倫理の観点から述べよ。

1. SDGs(Sustanable Development Goals) の説明

(1)SDGsとは 「持続可能な開発目標」

引用元: 外務省のホームページ

SDGs(Sustanable Development Goals)は2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。

直訳すると、「持続可能な開発目標」です。

引用元: 外務省のホームページ


1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに  飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保、持続可能な農業を推進する
3.すべての人に健康と福祉を  健康的な生活を確保し、福祉を推進する

引用元: 外務省のホームページ

4.質の高い教育をみんなに  すべての人に公平で質の高い教育を提供する
5.ジェンダー平等を実現しよう  女性と女児のエンパワーメントを図る
6.安全な水とトイレを世界中に

引用元: 外務省のホームページ

7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう  強靭なインフラを整備

引用元: 外務省のホームページ

10.人や国の不平等をなくそう  国内および国家間の格差を是正する
11.住み続けられるまちづくりを  都市と人間の居住地を包摂的、安全強靭かつ持続可能に
12.つくる責任、つかう責任  持続可能な消費と生産のパターンを確保する

引用元: 外務省のホームページ

13.気候変動に具体的な対策を  
14.の豊かさを守ろう  海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全する
15.の豊かさも守ろう  陸上生態系の保護、回復、森林の管理、砂漠化への対処

引用元: 外務省のホームページ

16.平和と公正をすべての人に  すべての人に司法へのアクセスを提供する
17.パートナーシップで目標を達成しよう  グローバルパートナーシップを活性化する

(2)SDGs詳細説明

SDGsについては、外務省のホームページに説明が有ります。

令和元年に技術士試験問題として出題されました。

令和3年現在では、テレビ番組でもSDGs特集が組まれる程、認知が広がっています。

持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)別ウィンドウで開くの後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。

外務省ホームページ:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

(3)機械部門と密接に関係のある目標

機械部門関連

7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに

8.働きがいも経済成長も

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

12.つくる責任、つかう責任

引用元: 外務省のホームページ
引用元: 外務省のホームページ

(4)SDGsと関連の強いキーワード

ものづくり白書2020年度版から、SDGsと関連の強いキーワードを抽出しました。

技術士受ける方で「ものづくり白書」読んでいない方は、一読を強くオススメします。

第四次産業革命の進展

第四次産業革命の進展は、SDGsの「8.経済成長」「9.技術革新」と密接に関係します。

デジタル技術を使ってこれまでに無いビジネスモデルが誕生しています。

例えばミスミでは、3DCADデータの受取から即時見積回答し、最短1日出荷を実現しています。

キーワード

DX推進

フロントローディング(設計力強化)による製造作業負荷軽減(下で図解)

3D設計、3Dデータの活用

変種変量への対応

AIによる予測・予知

5G等の無線技術活用による工程設計の柔軟化

引用元:ものづくり白書2020年度版

グローバル化の展開と保護主義の高まり

SDGsはそもそも国連193か国で採択されており、世界が一丸となって推進する事が肝要です。

グローバル化は年々浸透しています。

しかし一方で、米中対立や英国のEU離脱など、保護主義の動きが顕著です。

よって、グローバルなサプライチェーンの在り方について、より一層のリスク管理が求められます。

キーワード

不確実性の高まり

グローバルサプライチェーン寸断のリスク(下に図解)

柔軟性を備えたサプライチェーンの再構築

引用元:ものづくり白書2020年度版

③ソーシャルビジネスの加速

SDGsを含め、環境問題、社会問題への取り組みが世界的関心事になっています。

地球温暖化対策など、リスクをビジネスチャンスに変える戦略性が問われます。(メモ内に事例を紹介します)

ダイキンは中国企業と共同で中国政府に働きかけ、2010年にエアコンの省エネ基準に引き上げに成功しました。中国市場で省エネという得意分野で戦う事に成功した一例です。

キーワード

Society 5.0

環境問題をリスク→ビジネスチャンスとする戦略性

生物多様性保全

地域資源の活用

④ものづくり人材の確保

SDGsを実践するに当たり、日本は少子高齢社会のため、ものづくり人材の確保が課題です。

日本の製造業では、「製品の品質」「現場の課題発見力・問題解決力」は優位。

商品企画力・マーケティング力」「生産自動化・省力化」は劣位の認識との事です。

この劣位を攻略する鍵となるのが、「デジタル技術の人材育成」です。(以下図解)

キーワード

技能伝承

生産自動化・省力化

ものづくり人材の確保と育成

デジタル技術を活用できる人材育成

引用元:ものづくり白書2020年度版

2.答案

答案用紙3枚分の回答をそのまま記載します。

コピペ可能なので、ご自身で引用等にご使用ください。

(1)持続可能な社会実現するための現状と課題
①高齢化に伴う労働人口の減少
我が国の労働人口は、出生率の低下と、高齢化の進行により、急速に減少する見込みである。2000年で6700万人、2020年で6400万人、2040年で5200万人を見込んでいる。

②グローバル化の展開と不確実性、保護主義の高まり
グローバル化は年々浸透。その一方で、米中対立、英国のEU離脱などの保護主義の動きが顕著である。グローバルなサプライチェーンの在り方について、より一層のリスク管理が求められる。

③第四次産業革命の進展
あらゆる産業において新たなデジタル技術を使ってこれまでにないビジネスモデルが誕生している。製造業も、IoTを活用した新サービス展開や業種間連携により、シェアリングエコノミーをはじめとする産業構造の抜本的変化に対応することが求められる。

④ソーシャルビジネスの加速
環境対策、社会問題への取組が世界的関心事になっている。ビジネス上のリスクは機会として投資家も関心している。海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化対策などの世界的課題をリスクやコストではなく、ビジネスチャンスとしていく戦略性が求められる。

(2)最も重要と考える「第四次産業革命への対応」
(2)-1最も重要とした選定理由
産業構造への変革により、人手不足や環境対策など他課題にも柔軟に対応可能となるため。
①スマホ等ユビキタス端末との親和的な連動
・コロナ対策として非接触のエレベータ操作をスマホアプリで実現
・宿泊施設の掃除ロボット連携による清掃無人化
・立体駐車場の車自動運転と荷物エレベータの連動による無人パーキング化
・オフィスビル等、毎日使うエレベータにスマホで行先階を登録しておき、自動インプットする。入力するよりも一歩早く行先階を登録可能。登録情報から、用途の多い階近くに自動停車させる事で、混雑を緩和可能である。

②業務のIoT化による効率向上
・設計データの3D化による3Dプリンタ活用、構造解析
・新設、保守、モダに連動による、エレベータ生涯収益コスト算出、製造困難部品の洗平、機種統合戦略、モジュール設計化

③運行データ活用による不具合未然防止、品質向上
・非破壊検査による部品寿命予測と、予防保全的な部品交換時期決定
・起動回数や昇降行程に応じた部品ごとの寿命推定と計画的な交換スケジュール決定

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクと対策
①顧客情報流出のリスク
対策:PCのデータは端末本体のディスクに保存することを禁止し、一括管理したネットワーク上のサーバに保存する。並行して、情報リテラシーの社員教育を継続的に実施する。半年に一回テスト方式でWEB回答させ、合格するまでWEB教育を実施する。

②自動化した業務の社内ノウハウ空洞化
対策:業務区切りごとに、ノウハウの資料化をトップダウンで指示する。資料化完了をもって、その業務を完了したものと位置付け、人事評価に反映させる。

③自動監視の漏れによる不具合発生
不具合に対する監視項目(人間が項目化し、PCに数値評価させる)は、人間が予め決めた範囲に留まる。
対策:完全に無人化する前に、人での点検頻度を減らす程度として自動監視を取り入れる。

(4)業務遂行において、技術者倫理、社会の持続可能性から必要な要件
・時代の変化に応じ、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する
・社会、文化、及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全に努める
・関係法令等の制度が求めている事項を遵守する
・時代とともに変化する技術、法令を理解し、PDCAを繰り返し行い、継続的に資質向上を図る。

以上

3.答案(原稿用紙)

続いて、原稿用紙に記載したバージョンを張り付けます。

ABOUT ME
takeyuu
倹約投資家サラリーマンパパ33歳。ずっとニコニコ円満家庭が目標。 機械/電気で技術士一次試験合格。 機械で技術士二次試験不合格するも、合格を目指し情報発信中。 (令和2年の結果 問Ⅰ:A、問Ⅱ:C、問Ⅲ:A)
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