PMPを受験する予定だが、落ちるか不安…
PMPに興味があるが、敷居が高い?合格体験記を見て参考にしたい。
PMPは、プロジェクトマネジメントの知識と能力を証明するための国際資格試験です。
世界では160万人以上のPMP取得者がおり、日本のPMP取得者3.8万人の平均総年収は1000万円と言われています。
私もそのようなキャッチーな情報に惹かれ、PMPの資格取得を目指しました。
しかし、PMPを調べると「受かる気がしない」という声が多く、不安に駆られました。
それでも、1ヶ月に短期集中した勉強により、なんとか2023年9月にPMPに合格しました。
この記事では、期待と不安を巡らせている皆様に、私の勉強記録をお伝えします!
▼本番の試験結果
全体の受験スケジュール
まず、PMPの試験は公式研修や申し込みから始まり、試験合格まで長いです。
3月:35時間公式研修を受講
4月:PMPの受験申し込み完了
5〜7月:他の試験のためPMPは休憩
8月:試験勉強開始
9月1日:一回目の受験で合格
私の場合は、申し込みが完了してから3ヶ月間、他の試験のためPMPをお休みしました。
実際にPMPの勉強に取り組んだのは、8月1日〜8月31日です。
それでは、公式研修から順番に見ていきましょう。
3月:35時間公式研修を受講
PMPを受験するためには、運営元のPMIが認定する、公式研修を受ける必要があることを知りました。
そして同時に、受験費用や再受験費用がとても高額なことを知りました。
試験に必要な費用の概要はこのとおりです。
PMI非会員 | PMI会員 | |
---|---|---|
会員入会費 | $0 | $10 |
会員年会費 | $0 | $129 |
PMP 1回受験 費用 | 0+0+$555 = $555 | $10+$129+$405 = $544 |
PMP 2回受験 費用 | 0+0+$555+$375 = $930 | $10+$129+$405+$275 = $819 |
PMI非会員 | PMI会員 | |
---|---|---|
会員入会費 | $0 | $10 |
会員年会費 | $0 | $129 |
PMP 1回受験 費用 | 0+0+$555 = $555 | $10+$129+$405 = $544 |
PMP 2回受験 費用 | 0+0+$555+$375 = $930 | $10+$129+$405+$275 = $819 |
1ドル150円なら、PMPに一発合格しても10万円近くかかる…。35時間公式研修の費用を抑えなければ…!
ということで、まず公式研修とは何ぞやと調べました。
すると、このような条件を満たすのが、公式研修だということがわかりました。
条件1:修了証明
修了証明書が自分以外の第3者から発行されること
条件2:研修内容
研修内容がプロジェクトの品質、スコープ、スケジュール、予算、コミュニケーション、リスク、コスト、資源、ステークホルダー、統合マネジメントに関すること
条件3:指定の教育プロバイダー(以下A〜F)
A. PMI 認定トレーニング・パートナー(ATP)
B. PMI 支部
C. 雇用者/企業がスポンサーとなっているプログラム
D. トレーニング企業またはコンサルタント(トレーニング・スクールなど)
E. 遠隔教育企業(コース修了評価が含まれていること)
F. 総合大学/単科大学の継続的な学術教育プログラム
根拠:公式研修の説明は、PMP Exam Content Outlineに記載されています。
これらの条件を満たす、リーズナブルな講座を調べた結果、以下3つが候補に上がりました。
順位 | 1 | 2 | 3 |
---|---|---|---|
運営元 | Udemy | JPSビジネスカレッジ | E-PROJECT |
コース名 | PMP Certification Exam Prep Course 35 PDU Contact Hours/PDU | PMP®オンデマンド試験対策コース(35時間) | PMP®受験対策講座通学講座 BASIC |
リンク | |||
言語 | 英語 | 日本語 | 日本語 |
価格 | 12,800円 | 101,500円 | 71,500円 |
内容 | 35時間e-learning 1個の演習テスト 学習期間の制限無し | 35時間e-learning PMI公式問題集 1年間の学習期間 | 35時間e-learning 講義・問題 メール質問 |
コスパ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
特徴 | 世界的な有名企業。 国内はベネッセと提携。 30日間返金保証は安心。 | 講義動画形式ではなく、 テキストのスライド学習。 PMI公式問題集付き。 | PMI制作のPMP®試験クローン問題や模擬試験を含め1200問以上の練習問題 |
順位 | 1 | 2 | 3 |
---|---|---|---|
運営元 | Udemy | JPSビジネスカレッジ | E-PROJECT |
講座名 | PMP Certification Exam Prep Course 35 PDU Contact Hours/PDU | PMP®オンデマンド試験対策コース(35時間) | PMP®受験対策講座通学講座 BASIC |
リンク | |||
言語 | 英語 | 日本語 | 日本語 |
価格 | 12,800円 | 101,500円 | 71,500円 |
内容 | 35時間e-learning 1個の演習テスト 学習期間は無制限 | 35時間e-learning PMI公式問題集 1年間の学習期間 | 35時間e-learning 講義・問題 メール質問 |
コスパ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
特徴 | 世界の有名企業。 ベネッセと提携。 安心の30日返金保証 | 講義動画形式ではなく、 テキストのスライド学習。 PMI公式問題集付き。 | PMI制作のPMP®試験クローン問題や模擬試験を含め1200問以上の練習問題 |
候補をいくつか挙げたものの、Udemyの講座がダントツで安く、Udemyに決めました。
受講したのUdemy講座名:PMP Exam Prep Seminar – Complete Exam Coverage with 35 PDUs
(こちらの公式研修の方が安い場合があります:PMP Certification Exam Prep Course 35 PDU Contact Hours/PDU)
さっと受講し、受講修了書の入手方法を確認。
申し込み後の監査でつっこまれても、修了書が提出できるので安心しました。
受験申し込みをした後、数%程度の人が監査対象に選ばれます。
監査対象となった方は、3ヶ月以内に以下の書類を提出する必要があります。
- 大学などの卒業証明書
- 各大学のサイトから卒業証明書を取り寄せ可能
- 35時間の公式教育修了書
- Udemy講座なら修了証明書が発行される
- プロジェクトマネジメント経験を保証する第三者の署名
- 会社の上司に経験書を見せてハンコを貰う
4月:PMPの受験申し込み完了
続いて、もう一つの必須事項として、英文でのプロジェクト実務経験書を書きます。
200〜500字の英文で、プロジェクトを主導した経験が必要らしい…!
ということで、色々なブログを頼りにしつつ、なんとか作成しました。
なお、具体的な書き方ノウハウは、こちらにまとめましたよ〜
ここまで準備して、やっと受験申し込みをします!
PMIのアカウント登録をして、申し込み要領をずんずん記入します。
申し込み要領はこちらにまとめたので、参考にどうぞ〜
やっとの思いでPMPの申し込みが完了!
監査のメールが届くか、ドキドキしながら5日ほど待っていたらメールが届きます…。
「申し込みが完了しました」こんな感じで届きました。監査対象とはならず、セーフ!
5〜7月:他の試験のためPMPは休憩
PMPの受験申し込みが完了すると、1年間の間に3回受験する権利を得ます。
4月に基本情報技術者、7月に技術士二次試験を予定していたので、PMPは一旦おやすみです。
基本情報技術者のマネジメント分野の勉強は、PMPの試験対策に役に立ちました!
8月:試験勉強開始
勉強序盤:虎の巻で基礎固め
PMPの勉強は、8月1日に開始しました。
勉強方法を調べたところ、「虎の巻」と「完全攻略テキスト」という参考書の評判が良い。
これらの参考書をまずは理解しよう!ということで学習を開始しました。
まず、虎の巻を一から読んで各章末問題に取り掛かります。
実際に虎の巻を読み進めていると、……ん?簡単すぎないか??
まさか1〜13章の問題を8割くらいできるようにしたらPMPに合格できる??
いや、1〜13章を2回通り解いたが、一週間で終わったぞ…。
でもでも、実際のPMP試験がそんなに簡単なワケがない。
勉強中盤:完全攻略テキストで基礎完成
…ということで、勉強開始から1週間経ったあたりで、勉強を1日休み、合格方法を徹底的にリサーチした。
「虎の巻」はPMBOK第6版によくマッチしているけど、PMBOK第7版やアジャイル実務ガイドは別で補った方が良い
ということで、PMBOK第7版とアジャイル実務ガイドに準拠した、「完全攻略テキスト」に取り組んだ。
この完全攻略テキスト、とても分厚い…。
巻末の模擬試験180問も合わせると、500ページくらいのボリュームがある。
そこで会社の昼休みや寝る前のスキマ時間を集め、1日35ページずつ、13日で1冊完了しました!
(翔泳社の書籍なので、直販サイトから電子書籍を買うと、最大40%ポイント還元されるのが魅力的です)
翔泳社の直販サイトで電子書籍(PDF版)のポイント還元をもらう(PMP)ふう〜2冊の参考書が終わったぞ〜 でも本当にこれで合格できるのか?
勉強終盤:PMI Study Hallで模擬試験
というわけで、基礎固めが終わったので、模擬試験を探すことに。
虎の巻や完全攻略テキストでも模擬試験が付属していたが、それでは難易度も練習量も不足している気がしました。
色々調べた結果、PMI Study Hall ESSENTIALがコスパが良く、本番の再現度も高そう。
項目(模擬試験) | PMI Study Hall ESSENTIALS | 完全攻略 テキスト | 虎の巻 | 豆研 リアルタイム模試 |
---|---|---|---|---|
表紙 | ||||
言語 | 英語(翻訳可) | 日本語 | 日本語 | 日本語 |
本番類似度 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ |
価格 | 49$ 3months | 4180円 | 3520円 | 10,846円 |
難易度 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
PMBOK第6版準拠 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
PMBOK第7版準拠 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
アジェイル実務ガイド準拠 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
項目(模擬試験) | PMI Study Hall ESSENTIALS | 完全攻略 テキスト | 虎の巻 | 豆研 リアルタイム模試 |
---|---|---|---|---|
表紙 | ||||
言語 | 英語(翻訳可) | 日本語 | 日本語 | 日本語 |
本番類似度 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ |
価格 | 49$ 3months | 4180円 | 3520円 | 10,846円 |
難易度 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
PMBOK第6版準拠 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
PMBOK第7版準拠 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
アジェイル 実務ガイド準拠 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
なお、模擬試験の比較詳細が気になる方はこちらの記事をどうぞ。
Study Hallは全て英語のサイトだったが、Google翻訳を使ってなんとか日本語で学習できました。
どうせ本番の試験も、英語を日本語に翻訳したような文体だという。
なら最初から翻訳した問題に慣れておくのが良いと考えました!
PMI Study Hall ESSENTIALは175問の全体模試が2回分付いていたので、それを8日間で1周+αしました。
難易度がeasy、moderate、difficult、expertと4段階あり、expertは解説を見てもわかりませんでした。
それでも、それ以外の3つの難易度で8割以上正答できる自信が付いたところで、試験申し込みをしました。
迷える試験申し込みのタイミング
試験申し込みのタイミングは、迷いました。
なぜなら、PMIの会員でも受験料は405ドルと大変高額だからです。
受験料が痛すぎて、落ちられないプレッシャーがある…!
幸いなことに、私の地域は翌日の試験会場が空いていて、前日でも予約できました。
そのため、完全に自信が付いたタイミングで、試験申し込みをしました。
完全に自信が付いたタイミングというのが、PMI Study Hallで8割くらい解ける感覚です。
9月1日:一回目の受験で合格
丸1ヶ月間の勉強を経て、9月1日にPMP試験を受けました。
PMPは、自宅でも受験できるようですが、私は気持ちを高めたいので会場に足を運びました。
受付時間の30分前までに会場に来るようにと記載がありましたが、受付をすると、待ち時間も無くすぐに受験可能となりました。
ITパスポートや基本情報技術者も試験できるような、試験会場でした。
PMPの試験時間は長い。
230分で180問を解くのですが、60分解くごとに10分の休憩が取れます。
60問を76分で解くと、ちょうど制限時間を使い切るペースです。
まず最初の60問は、予定通り75分で終わりました。
一番最初の問題は、4択ではなく、A群とB群の中から共通のものをドラッグ&ドロップで重ねるような問題でした。
感触は良くも悪くもなく、かなり不安な気持ちに襲われます。
次の60問は70分くらいで終わりました。とても感触が良く、気持ちよく休憩に入ります。
しかし、最後の60問が鬼門でした!
集中力が切れてきており、時間を使っても選択肢が絞り切れません。
確信が持てないまま、解答をする場面も増えてきました。
残り時間も余裕が無くなる中、なんとか3分を残し全て解答しました。
結果を提出!
さあ、結果は・・・
(2023年9月下旬からは、即時結果が表示されなくなるかもしれません)
やった……!夢じゃない、ちゃんと合格したんだ…!
すぐに結果がメールで送付され、合格点と比べて自分の点数がまあまあ良いことがわかりました。
電子での合格証もすぐに発行され、会社に奨励金の申請ができました。
合格を目指す皆様に一言
PMPの申し込みから合格まで、受験体験記を書きました。
PMP合格のポイントを1つだけ言うとすれば、「模擬試験」は精度の高いものを選びたい!です。
PMPの不合格体験記を見ると、間違えた勉強方法をしており、なかなか合格まで辿り着けないようです。
特に、模擬試験の選定を間違えていると、合格はかなり遠のくと感じます。
PMPのような価値のある国際資格に目を付けたのですから、みなさまの合格とご多幸をお祈りします。
私のブログでは、PMPに合格するための全てを書いたので、ぜひご活用ください!
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