スコープのマネジメントの用語をゆるく説明|PMP試験用語2

スコープという言葉には「範囲」という意味があり、PMBOKガイドでは「範囲」の意味で使っています。

プロジェクトマネジメントでスコープとは、「仕様」まで含めた「作業範囲」や「責任範囲」を表します。

つまり、顧客要求を把握し、それに応じた適切な成果物を提供するという領域になります。

そんなスコープのマネジメントに関し、次の用語をざっくばらんに説明します。

実際の試験用語として厳密に参照されたい場合は、PMPOKや参考書をご確認ください。

目次

要求のマネジメント

要求の管理とは?

要求の管理とは、ざっくりと言うと

「お客さんの『こうしてほしい!』をちゃんと集めて、漏れなくブレずにプロジェクトに反映させる技術」

いわば、恋人とのデートプランを立てるようなもの

「海に行きたい」「美味しいランチが食べたい」「日焼けはNG」
――これ、全部「要求(要件)」です。

要求のマネジメント5ステップ(PMBOK的な説明)

  1. 要求の計画(Plan Requirements Management)
     どうやって要求を集めて、記録して、管理するかの決めルール。
     👉「デートの前に、希望をLINEで聞いてとこ」みたいなノリです。
  2. 要求の収集(Collect Requirements)
     客さん、ユーザー、ステークホルダーなどから要求を聞き出します。
     👉まるで「彼女の友達にも調査して、理想のサプライズを探す」感じです。
  3. 要求の分析(Define Scope)を集めた
     要求をもとに、どこまでプロジェクトでやるかを決定します。
     👉「海に行って、水族館はOK。夜のバーベキューは今回は無理だな…」みたいに調整します。
  4. 要求の文書化(Create Requirements Documentation)
     要求を正しく書面に残します。その後「言った・言わない」にならないように
  5. 要求のトレーサビリティ・マトリクス(Requirements Traceability Matrix)作成
     要求がどこでどう生きて来るか追跡できるように

要求管理でありがちなNG集(あるある)

  • 「あ、それ言ってなかったっけ?」
     →要求の収集ミス。
     👉デート中「やっぱ夜景も見たかったな…」って言われて真顔になる。
  • 「そんな要求なかったよね?」
     →文書化不足。
     👉「いやいや、絶対言ってたって!証拠はLINE!」みたいな論争に。
  • 「この機能、誰の要求だけ?」
     →トレーサビリティなし。
     👉「なんで突然ビーチバレーの道具買ったんだっけ…?」状態。

PMP試験でのポイント

  • ステークホルダーとの関係性を重視!要求はあくまでも期待を反映しているので、信頼関係が命。
  • 変更管理とセットで理解しよう!要求は変わる。いやマジで変わる。恋人のような気持ち。
  • ツールや技法もチェック
     →インタビュー、ワークショップ、ブレスト、プロトタイピングなど

要求の管理は、「ステークホルダーが何を望んでいるか」を把握し、それをブレズにプロジェクトに反映させるための仕組みです。恋人とのデートですら、ちゃんと管理しないと「機嫌が悪くなってしまう(=プロジェクト失敗)」んです。予算何億のプロジェクトで、要求の管理をやらない手はない!

ユーザーストーリー

ユーザーストーリーとは?

ユーザーストーリーとは、ざっくりと言うと、

「ユーザーの立場から、“超シンプルに書いた短い物語”」

です。

これは、芥川龍之介でも村上春樹でもなく、
もっと軽くて実用的で、「つぶやきレベルの要件定義」のようなもの。

たとえ話:ラーメン屋アプリの場合

あなたは、ラーメン屋さんの注文アプリを作るプロジェクトのPM。

ここに出てきたユーザーストーリーがこれ:

「私は客として、並ばずに注文できるように。そうすればスムーズにラーメンを食べられるからだ。」

これだけ!
小説の一節、Twitterで言えちゃうレベルです

ユーザーストーリーのテンプレ

私は(誰)として、(何を)したい。そうすれば(なぜ/何の価値)

この3つが入っていればOK!

要素意味例(ラーメンアプリ)
誰(Who)どのユーザーですか?「私は客として」
何を(What)したい?「並ばずに注文したい」
どうして(Why)なぜそれが大事ですか?「スムーズにラーメンを食べたい」

PMP試験として理解すべきことは

  • アジャイルでの要求の表現方法
  • 製品バックログアイテムのひとつ
  • プロジェクトの範囲をスコープではなく価値で定義する考え方

先に「ユーザーが本当に欲しいもの」にフォーカスした手法です。

ユーザーストーリーは、ユーザー視点で価値に重点を置いた要求の表現方法。

堅実な「仕様書」ではなく、「ユーザーの声」をラフに形にするものです。

バックログの優先順位付け

PMP試験のアジャイル分野で出てくる「バックログの優先順位付け(Backlog Prioritization)」って、シンプルに聞こえるけど、いざ出題されると「え、どの順でやるのが正解!?」って悩ましいです。

まず「バックログ」ってなに?

まず「バックログ」とは簡単に言うと、

「やりたいこと全部書いている『やることリスト』」

でもただのリストじゃありません。
プロダクトオーナーの夢と妄想と現実が詰まった、無駄なToDoリストです。

バックログの優先順位とは?

バックログの優先順位とは・・

「この中で、どれからやる?何を一番大事にする?」を決めること。

ただし、決める際は「なんとなく」や「思いつき」は禁止です。

ハンバーガー屋でのバックログ考察

あなたがハンバーガー屋をオープンするプロジェクトのPMだとします。
バックログにはこんな項目が…

  • チーズバーガーを追加する
  • モバイル注文に対応する
  • ハンバーガーの箱を金ピカにする
  • フライドポテトにトリュフオイルをかける
  • 期間限定でベーコン20枚バーガーを出す

これ、どれからやりますか?

見た目のインパクト?売上?コスト?お客さんの要望?
ここで優先順位付けのテクニックが登場します!

主な優先順位付けの考え方

1.ビジネス価値(ビジネスバリュー)
「それで売上や顧客満足がグンと上がる?」
👉 例:モバイル注文対応→ 消費性爆上がり!

2.リスクと機会(リスクの軽減 / 機会の実現)
「今やっとあと後々助かる?」
👉 例:モバイル注文の技術を今頑張って、他店舗展開が楽に!

3.依存関係(Dependency)
「これを先にやらないと、他のが進まない?」
👉 例:パティの規格変更がわら終わらず、20枚バーガー作れない…

4.コストと労力(労力 / コスト)
「めっちゃ時間かかる?すぐ終わる?」
👉金ピカの箱→コスパ最悪


優先順位の現場あるある

  • 開発者:「やっぱ最初に金ピカの箱やっときましょ!」
     → 見た目は大事だけど…誰が買うんやそれ(笑)
  • ステークホルダー:「全部優先度“最高”で」
     → はい出ました。「全部大事」は「何も決まってない」と同義です!
  • プロダクトオーナー:「とりあえずカッコいいのから」
     → 感情も大事だけど、価値と根拠で語ろう!

優先順位付けは、「最も価値があるものを、最も早く届ける」ための技術。
アジャイルの価値観とズレたらNGです!

スコープベースライン

「スコープ・ベースライン(Scope Baseline)」も、PMP試験でバッチリ出るポイントです。

スコープ・ベースラインとは?

一言でいうと…

「プロジェクトで“何を作るか”の公式な決定版メニュー表!」

です。

あなたが「結婚式のウェディングケーキを作るプロジェクト」のPMだったとして、

  • 「3段重ね」
  • 「チョコレート味」
  • 「フルーツ乗せ」
  • 「名前入りプレート」

と決めたら、それがスコープ・ベースライン
この内容は「そのうちブレないように」「勝手に変わらないように」 固定しておく、というわけです。

内容は3つのセットメニュー!

スコープ・ベースラインは3点セットで構成されます:

要素概要例(ウェディングケーキ)
スコープ記述書何をやる/やらないかの詳細説明「3段」「チョコ」「名前入り」など詳細に書いている
WBS(作業分解構成図)どの作業で分かれるか、ツリー構造で分解材料準備→スポンジ焼く→フルーツカット→デコる…
WBS辞書各WBS要素の説明(仕様書的なやつ)「スポンジはココア味」「フルーツは季節のもの」など細かいところ

ケーキ屋で例えるスコープ・ベースライン

これを想像してみてください:
あなたがお客さんにケーキを届けるとして、口頭だけで「いい感じのケーキで!」って言われたらどうですか?

  • あなた「3段で行きますね!」
  • 客「いや、1段って言いましたけど?」
  • あなた「チョコ味にしておきました!」
  • 客「バニラって言ったじゃん!」

\修羅場/

このような事態を防ぐために「これが公式のケーキ仕様です!」とする文書が、スコープ・ベースラインなのです。

なぜ「ベースライン」なの?

「ベースライン」とは、**比較や変更管理のための「ものさし」**のこと。

例:

「スコープ・ベースは『3段ケーキ』だったけど、2段に変更するなら、ちゃんと変更管理プロセスずっとね!」

勝手に変更されたら、ケーキは倒れるし、予算はオーバーするし、嫁は泣きます。

あるある・やってはいけない例

  • 「ちょっとだけトッピング増やしてもバレないでしょ」
     → 小さな「スコープクリープ」が命取り!
  • 「この変更、口頭で伝えたんで大丈夫っす!」
     → どこにも記録されてない!?PMP的にはアウト!
  • 「スコープ・ベースラインって、どっかにあった気がする…」
     → ベースラインが迷子になると、プロジェクトも迷子。

PMP試験として重要なポイント

  • スコープ・ベースラインはプロジェクト・経営計画書一部
  • 変更したいときは統合変更管理プロセスを必要あり
  • スコープ管理において、「何をやる・やらない」を線引きするための核
  • WBSとのが、**「範囲の定義→分解→管理」**という流れをしっかりと保持して強い!
  • 「やること・やらないこと」を明文化!
  • WBSとセットで、構造的に管理!
  • 勝手な変更はNG!変更管理プロセスを通そう!
  • ケーキだって仕様通りに作らないとブーケが飛んできます!

WBS

PMP試験ではおなじみのWBS(Work Breakdown Structure)。ただ、名前からして「なんだか機械的で、まるでExcelとらめっこしそうなやつ…」という印象を持ちがち。でも大丈夫。 今回は、WBSを「笑いとスイーツ」で優しく分解してみましょう!

WBSってなに?

ざっくりと言うと、

「プロジェクトでやることを、漏れ漏れなく、全部分けてツリー一覧表

です。WBSは「お菓子作りレシピの分解図」みたいなもの!

ケーキ作りプロジェクトで例えるWBS

あなたが「誕生日ケーキを作るプロジェクトのPM」とします。

このとき、WBSはこう書かれます:

0.プロジェクト目標
「誕生日ケーキを完成させる」

1.材料の準備
卵を買う
小麦粉を計る
生クリームを冷やしやすい

2. ケーキ本体の作成
スポンジを焼く
スポンジを冷ます
デコレーションする

3. ケーキの納品
写真を撮る
ケーキを箱詰めする
誕生日パーティー会場へ移動

WBSとは「仕事を分けて、箱にしまう技術」

WBSでは、プロジェクトを「作業のかたまり(ワークパッケージ)」に分けていきます。

  • 「材料買う」っていう箱
  • 「焼く」っていう箱
  • 「届ける」っていう箱

この箱たちを上から順に、徐々に細かく分けていくことで、「やるべきことを全部洗い出す」わけです。

なぜWBSが重要なのか

  • 抜け漏れを防ぐ
    → 絶対やってはいけないことが全部見える!
  • 見積りしやすい
    →各パッケージを見える化
  • 誰が何するか割り振れる
    → ワークパッケージ単位で担当をアサイン!
  • 「仕様にないことやるな!」の線引きになる
    → スコープ管理のカギ!

PMP試験でのポイント

覚えておくべきこと内容
WBSはスコープ・ベースラインの一部「スコープ記述書+WBS+WBS辞書」
ワークパッケージWBSの一番下具体的な作業単位(タスクではない)
構造はトーナメントのような階層構造どんどん分割していく(階層構造)
100%ルール親要素は子要素すべての合計(抜け漏れ×)
「要素に“名詞”を使う」作業ではなく、成果物として本来のが一般的(例:「スポンジ作成」ではなく「スポンジ」)

よくあるWBSあるある

  • 「WBS作ったら仕事が終わった気になる」
     →実はここからが始まる!
  • 「めっちゃ分解したけど、実行フェーズで「何だったらいいの?」って言われる」
     → WBSが「成果物ベース」じゃないと、作業のイメージが湧かない…
  • 「その作業、WBSにならないからスルーしました」
     → うっかり「スコープ外」扱いされる悲劇…

WBSまとめ

WBSとは…意味
全体を分解目標 → 成果物 → 作業単位段階的に検討
箱詰め思考各要素を「抜けなく」分類して管理
スコープ制御「これやしからん!」と明確に宣言できる
PMPの重要用語計画プロセス群の要(中心)です!

スコープクリープ

PMの天敵とも言えるこの言葉──スコープ・クリープ(Scope Creep)。名前はちょっとカッコイイけど、プロジェクトマネージャーにとっては横から忍び寄るホラー映画の怪物みたいな存在です。では今回もたっぷりに、優しく解説していきます🍰

スコープ・クリープとは?

一言で言えば、

「気がついたら、やることが増えてる」現象。 じつは、正式な変更手続きナシだったのが原因!?

こんな感じです

👨‍💼「あのぅ…ついでにこれもお願いしていい?」
👩‍💻「えっ…前に言ってなかったんですよね?」
👨‍💼「まあ、大変じゃないですよね?頼むよ〜♪」
👩‍💻(あ、出た。スコープクリープ…)

ケーキ屋で例えるスコープ・クリープ

あなたがPMとして「結婚式のケーキを作る」プロジェクトを管理しています。

最初のスコープ(やること)は:

  • 3段のチョコレートケーキ
  • 生クリームデコレーション
  • 新郎新婦の名前入りプレート

もしかして、もしかして…

👰「やっぱ中にイチゴも入れて」
🤵「花火も仕込んでくれる?」
👰「ドライアイスでもモクモクってのも…!」

あなた(PM)「えっっっっ……(聞いてない)」

スコープが徐々に増えてきています…それがスコープ・クリープです。

なぜ「クリープ」なの?

「クリープ(creep)」は英語で「忍び寄る」とか「少しずつ進む」って意味です。

そうですね、スコープクリープは…

💀「こっそり」「ジワジワ」「気づいたら取り返しがつかない」

という、怖い特徴を持っているわけです。

なぜスコープクリープは問題なのか?

スコープクリープの問題内容
スケジュール遅延追加作業のせいで納期ぎりぎりに
予算オーバー見積もってない作業のせいで負けに
チーム疲労問題「え、これもやるの?」の連続でモチベダウン
顧客トラブル「聞いてない!」または「やったのに認めてもらえない!」

スコープ・クリープを防ぐ方法

  1. スコープ・ベースを明確にする
     → 「やることリスト」は文書でしっかり残しておきます!
  2. 変更管理プロセスを使う
     → 追加や変更は正式な申請&承認フローをよろしく!
  3. 「イエスマンPM」にならない
     → 「それ、スコープ外ですので」と勇気を!
  4. ステークホルダーと密なコミュニケーション
     → 勝手に期待値がふくらまないように、丁寧に説明!

PMP試験での用語整理

用語意味
スコープクリープ正式な変更プロセスなしでスコープが拡大すること
Integrated Change Control(統合変更管理)スコープ変更を正式に処理するプロセス
スコープ・ベースラインスコープを明確化&固定する基準。クリープの防波堤!

現場あるある

  • 「ちょっとだけ」って言われたけど、1週間かかった
  • 誰も知らない作業が終わった
  • PMが「頼まれたら断れない性格」で大炎上
  • 「最初より完成品が豪華すぎる」のに、誰も褒めてくれない

まとめ:「スコープクリープ=プロジェクトの『勝手にミッション増やす屋』」

  • 変更は「正式な手続き」を通すべし!
  • スコープ・ベースラインを「防波堤」に!
  • PMはスコープガードマン!
  • 「ついでにやっといて」は禁句!

スコープクリープを許すと、プロジェクトは「便利屋」へと変わり、
最後には「誰も得しないカオス状態」になるので注意!

PMP用語解説リンク集

プロジェクトの開始と計画
 プロジェクト手法の理解と選択
 スコープのマネジメント
 スケジュールのマネジメント
 予算のマネジメント
 品質のマネジメント
 資源のマネジメント
 コミュニケーションのマネジメント
 リスクのマネジメント
 調達のマネジメント
 ステークホルダーエンゲージメント
 終結、ガバナンス、統合

作業の実行とマネジメント
 プロジェクト作業と管理
 変更管理、課題管理
 確実な知識の共有

パフォーマンスの高いチームを作り支援する
 チームの育成
 エンパワーメント
 トレーニングと指導
 共通理解の形成
 チームをリードする
 チームのパフォーマンスを支援する
 障害を取り除く

ビジネスを念頭に置く
 コンプライアンスのマネジメント
 ベネフィットの評価と引き渡し
 変化への対応とPDCA

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