コミュニケーションのマネジメントの用語をゆるく説明|PMP試験用語7

コミュニケーションのマネジメントに自信を持っているPMはどれくらいいるでしょうか?

エスカレーション(上司に相談)が早すぎる!
報告が少なく自分で抱えすぎ!
チームメンバーに情報が行き届いていない!
報告が多すぎてうざい!

そんな難しいコミュニケーションのマネジメントに関し、次の用語をざっくばらんに説明します。

実際の試験用語として厳密に参照されたい場合は、PMPOKや参考書をご確認ください。

目次

コミュニケーションの要素

今回は「コミュニケーションの要素」について、PMP試験向けに分かりやすく、解説していきます。

コミュニケーションの要素とは?

プロジェクトでは、「言った」「聞いた」「頑張ってない」が命取りです。
だからこそ、コミュニケーションには構成要素があるのです!

PMPで押さえる「コミュニケーションの基本要素」

PMBOKガイドでは、以下の主要な構成要素が紹介されています。

要素説明勢い
発信者(送信者)情報を伝える人「ねえ聞いて!」って言い出す人
受信者(受信者)情報を受け取る人「うん、聞いてるよ?」って人
メッセージ(メッセージ)伝えたい情報の妙「今日の会議は中止ね」などの内容
エンコード(エンコーディング)メッセージを言葉・書類・ジェスチャーに変換する頭の中の思いを「言葉」にする作業
デコード(解読)受信者がメッセージを理解するプロセス「会議中止」=「予定空いた!」と解釈
メディアメッセージを届ける手段口頭?メール?チャット?鳩?🕊️
ノイズ不快を生む迷惑な問題雑音、Wi-Fi切れ、変な日本語、感情的な会話など
フィードバック受信者からの反応・違う「分かりました!」「え?中止ってどういうこと?」
コンテキスト状況や背景、文化的貢献時間、場所、関係性、上下関係など
要素説明勢い
発信者(送信者)情報を伝える人「ねえ聞いて!」って言い出す人
受信者(受信者)情報を受け取る人「うん、聞いてるよ?」って人
メッセージ(メッセージ)伝えたい情報の妙「今日の会議は中止ね」などの内容
エンコード(エンコーディング)メッセージを言葉・書類・ジェスチャーに変換する頭の中の思いを「言葉」にする作業
デコード(解読)受信者がメッセージを理解するプロセス「会議中止」=「予定空いた!」と解釈
メディアメッセージを届ける手段口頭?メール?チャット?鳩?🕊️
ノイズ不快を生む迷惑な問題雑音、Wi-Fi切れ、変な日本語、感情的な会話など
フィードバック受信者からの反応・違う「分かりました!」「え?中止ってどういうこと?」
コンテキスト状況や背景、文化的貢献時間、場所、関係性、上下関係など

親子の伝達でたとえると…

お母さん(発信者)が
「お弁当は冷蔵庫ね!」(エンコードされたメッセージ)

子供(受信者)が
👂「分かった~」(デコード&フィードバック)

でも冷蔵庫には「カレー」しかなかった(ノイズ発生)
→実は「弁当入れの忘れてた」のが(コンテキスト)

コミュニケーションって「LINEの既読=理解した」と思ったら大間違い。
たまに「うん」とだけ言ってきてるけど、心は「なんで今それ言うのよ…」だったりします。

PMP試験でのポイント

  • コミュニケーションは双方向が基本(受信者の理解がゴール)
  • ノイズ=コミュニケーションの敵(救済な表現、文化の違い、技術的問題など)
  • 「発信者が正しく話しても、受信者に届いていなければ意味なし」
  • フィードバックが必要、伝わっているか不明!

ミニ確認クイズ

Q. 次のうち、コミュニケーションの「ノイズ」にあたるものは?

A. 明確な説明資料
B. 雑多多い会議室
C. 丁寧な口頭説明
D. きちんと整備されたチャットツール

正解:B(渡りにくい原因になる=ノイズ)

まとめ:コミュニケーションは「キャッチボール」

ポイント内容
伝えるだけじゃいけないしっかりして、理解されて、初めて完了
構成要素を意識する誰が、どう伝え、どう考え整理すること
ノイズは常に注意!技術的・人的・文化的なノイズに注意

コミュニケーションって「伝えたつもり」が最大の落とし穴。

DIKWモデル

PMP試験や実務で役立つ「DIKWモデル(ディクウ・モデルとも呼ばれます)」を、解説します。

DIKWモデルとは?

D→I→K→Wの頭文字を取ったもの。
それぞれ以下の意味になっています:

レベル意味
D = データ(データ)生の数字や記録。意味はまだ不明
I = インフォメーション(情報)データを整理して意味がわかる状態
K = 知識(知識)複数の情報を組み合わせて理解・応用できる状態
W = Wisdom(知恵)知識を正しく活用して判断・意思決定ができ​​る状態
レベル意味
D = データ(データ)生の数字や記録。意味はまだ不明
I = インフォメーション(情報)データを整理して意味がわかる状態
K = 知識(知識)複数の情報を組み合わせて理解・応用できる状態
W = Wisdom(知恵)知識を正しく活用して判断・意思決定ができ​​る状態

簡単に言えば、ただの数字から始まって、最終的には賢い行動に続く進化の歩みです

おにぎり屋さんで例えるDIKWモデル

●D(データ)
→ 「売上:1000、1200、1300、1500…」
👉ただの数字の羅列。「ふ〜ん」って感じ。

● I(インフォメーション)
→ 「金曜の売上が1500円で一番高い」
👉数字に意味が出てきます。「おっ、金曜売れてるな」

● K(ナレッジ)
→ 「金曜は近くの学校が早いから学生が来る → だから売上が伸びる」
👉理由やパターンまで理解。 もう頭が冴えてる💡

● W(知恵,Wisdom)
→「金曜日はおにぎり増産+学割キャンペーンやろう!」
👉意思決定に活用!もうあなた、スーパーおにぎりプロデューサー

DIKWモデルは、
「元カレのLINE履歴(データ)」→「付き合いたての頃は絵文字多かった(情報)」→「絵文字減ってから冷たくなった(知識)」→「次は絵文字の変化に早めに気づこう(知恵)」みたいなやつ。

PMP試験でのポイント

思い出したこと理解すべきポイント
情報はデータを整理したもの意味が分かる状態になった
知識は情報を統合・分析したもの「なぜそうなるか」がわかる
知恵は最も上位の概念意思決定・判断力まで含む

※プロジェクト管理では、「データを集めて終わり」じゃだめ!
→最終的に「どう動くか」まで考えなければ意味がないです!

ミニ確認クイズ

Q. 次のうち「知恵」に該当するのはどれですか?

A. プロジェクトの遅延率を記録する
B. 遅延が最も多いのはレビュー工程であることを知る
C. レビュー工程にリソースを追加する意思決定を行う
D. 遅延率の時間グラフを作成する

正解:C
(判断・行動まで踏み込むから!)

まとめ:DIKWモデルは「成長の階段」

レベル特徴
データ生の数字解釈なし
情報整理されたデータ意味がある
知識どうなるか応用できる
知恵どう行動するか賢く決める

データはただの材料。
それを「どう料理するか?」が、プロジェクトマネージャーの腕の見せどころです🍳

コミュニケーション要求事項分析

PMP 試験にも頻繁に出る「コミュニケーション要件事項分析(Communication Requirements Analysis)」について、解説します。

コミュニケーション要求事項分析とは?

一言でいえば…

「誰が・何を・どのくらい・どんな手段で知りたいのか?を洗い出すこと」


この分析をサボると…
→「それ、聞いてない!」
→「なんで報告くれなかったの?」
→「いや、そんな細かい毎日送られても困るんだよ…」
というプロマネの悲劇三銃士がやって来ます😱

どうやって分析するの?

主な分析方法はこんな感じ:

方法内容勢い
ステークホルダー分析誰がどんな情報を必要としてるかを洗い出すAさんはリスクに敏感、Bさんはスケジュール重視…みたいな
組織構造・足場の確認社長、役員、実務担当など立場では違う社長に「進捗10%遅延です」じゃなくて「全体に影響はない」と伝えるべき
プロジェクトの規模と複雑さ大規模ならコミュニケーションルートも爆増する5人→10通り、10人→45通り!(後述)
チーム構成や場所オンサイト?リモート?多国籍?可変あり?文化差あり?翻訳必要?みたいな
方法内容勢い
ステークホルダー分析誰がどんな情報を必要としてるかを洗い出すAさんはリスクに敏感、Bさんはスケジュール重視…みたいな
組織構造・足場の確認社長、役員、実務担当など立場では違う社長に「進捗10%遅延です」じゃなくて「全体に影響はない」と伝えるべき
プロジェクトの規模と複雑さ大規模ならコミュニケーションルートも爆増する5人→10通り、10人→45通り!(後述)
チーム構成や場所オンサイト?リモート?多国籍?可変あり?文化差あり?翻訳必要?みたいな

コミュニケーションチャネル数

コミュニケーションが成立するパターン数は以下の式です:

コピー編集チャネル数 = n(n - 1) / 2  
(n = 関係者の数)

例)関係者が6人の場合
→ 6(6-1)/2 = 15通りのチャネル!
→ これ、チャットグループ作るだけでも疲れるレベル😅

お弁当配達プロジェクトの例…

弁当プロジェクトマネージャーの例…

  • 顧客(Customer) → 「昼前には届いて言ってたじゃん!」
  • 配達員 → 「どのルートが早いかわからないよ」
  • 栄養士 → 「献立が頑張ってないんですけど…」
  • 会計 → 「予算内で動いてるか言って!」

➡つまり、みんな聞きたいこと違う!!
→だから、「誰に・何を・どの頻度で」伝える最初に決めるのが「コミュニケーション要求事項分析」。

「全員にCCで送っときゃいいでしょ?」は、
「全部入りカレーを毎日食べろ」と言うようなもの。
⇒ 胃もたれるし、必要な具材が埋もれて伝わりません🍛💥

PMP試験でのポイント

ポイント内容
ステークホルダーごとに情報ニーズを洗い出す全部同じでなくてもOK
正しい媒体(メール、会議、報告書など)を選ぶ若者にFAX、年配にSlackは逆効果
頻度・タイミングも重要毎日?週次?
コミュニケーションチャネル数の計算式も登場するn(n-1)/2を暗記しておこう
ポイント内容
ステークホルダーごとに情報ニーズを洗い出す全部同じでなくてもOK
正しい媒体(メール、会議、報告書など)を選ぶ若者にFAX、年配にSlackは逆効果
頻度・タイミングも重要毎日?週次?
コミュニケーションチャネル数の計算式も登場するn(n-1)/2を暗記しておこう

最後にミニクイズ!

Q. 8人のチームでのコミュニケーションチャネル数は何人ですか?

A. 16
B. 21
C. 28
D. 36

👉正解:C(28)
→ 8×(8-1)/2 = 28

まとめ:いいプロジェクトは、いい情報設計から!

  • 情報は必要な人にだけ正しい形でお届けしましょう
  • 無駄に共有しすぎるとスパム扱いされるぞ📩💥
  • 不足なさすぎると不信感MAX 💣

コミュニケーションって、恋愛と一緒。

コミュニケーションモデル

PMP試験でおなじみの「コミュニケーションモデル(Communication Model)」について解説します!

コミュニケーションモデルとは?

一言で言えば…

送信・感想・不快するを含めた、コミュニケーションの仕組み図」
→ メールでも口頭でも、情報伝達ってデリケートなんです。

PMPでは特に「ノイズや障害、確認プロセス」まで含めたモデル思考が重要です!

PMPの・基本コミュニケーションモデル(7つの構成要素)

要素説明
発信者(送信者)情報を伝えたい人プロマネ
エンコードアイデアを言葉や図に変換「今月は遅れています」と表現する
メッセージ実際に内容を伝える「進捗が80%です」
通信メディア情報を伝える手段メール、口頭、チャット
ノイズ迷惑する要素雑音、Wi-Fi切れ、誤字、文化差
デコード受信者が理解しようとすること進捗80%→「え、遅れてるの?」と解釈
受信者情報を受け取る人ステークホルダーやチームメンバー
要素説明
発信者(送信者)情報を伝えたい人プロマネ
エンコードアイデアを言葉や図に変換「今月は遅れています」と表現する
メッセージ実際に内容を伝える「進捗が80%です」
通信メディア情報を伝える手段メール、口頭、チャット
ノイズ迷惑する要素雑音、Wi-Fi切れ、誤字、文化差
デコード受信者が理解しようとすること進捗80%→「え、遅れてるの?」と解釈
受信者情報を受け取る人ステークホルダーやチームメンバー

お弁当プロジェクトでの例

プロマネ(発信者):「明日は雨だから出荷早めに」
→ (メール)で「天気によりスケジュール前倒し」と送信
→ 受信者(配達員)が「出荷が中止」と誤解
→ノイズ:「スケジュール前倒し」を「延期」と見間違えた
→ 結果:弁当検討ず、顧客ブチギレ

コミュニケーションモデルは、
「脳内の独り言」→「言葉にする」→「送る」→「相手がズレて理解」→「『いやそういう意味じゃなくて!』って焦る」…を図式化したやつ。

PMP試験でのチェックポイント

ポイント内容
発信・受信の両方に責任がある一罰NG
「ノイズ」には技術的・文化的・感情的な障害が含まれるメールの誤訳や、表情の誤読など
エンコード/デコードがズレると気づきが起きる表現の解消さ注意!
フィードバックがあって初めて「頑張った」と言う既読=理解ではない!
ポイント内容
発信・受信の両方に責任がある一罰NG
「ノイズ」には技術的・文化的・感情的な障害が含まれるメールの誤訳や、表情の誤読など
エンコード/デコードがズレると気づきが起きる表現の解消さ注意!
フィードバックがあって初めて「頑張った」と言う既読=理解ではない!

ミニクイズ!

Q. 以下のうち「ノイズ」に該当しないものはどれですか?

A. 背景のうるさい
B. メールのタイトルが解消
C. 相手が理解できない専門用語
D. 会議の議事録を配布する

👉正解:D
→議事録は「伝達の補強」。ノイズではなくサポート!

まとめ:会話はキャッチボールじゃなくて「カーリング」?

  • 投げた(送信)=届いた、とは限らない
  • 相手が受け入れやすいように(とりあえず、繰り返し)も必要
  • フィードバックをいただいて、初めて「ストーン(情報)」がゴールする!

エスカレーション

エスカレーション(Escalation)」について、PMP試験対策向けに、解説します。

エスカレーションとは?

一言でいうと…

「もうこの問題、自分ではどうにもなりません!上の人、お願いします!」という公式ヘルプ要求です

つまり、
「プロマネの手に負えない問題を、権限のある人へパスすること」。
これは責任放棄ではなく、健全な判断力の証なんです。

どんなときに使うの?

状況
決定権限が自分にない予算オーバーしてしまった…けど調整権限がない
組織内の衝突が深刻配置AとBで「オレが正しいバトル」が勃発
で対応し自らのリスクが発生法律変更でプロジェクト自体に影響が…!
状況
決定権限が自分にない予算オーバーしてしまった…けど調整権限がない
組織内の衝突が深刻配置AとBで「オレが正しいバトル」が勃発
で対応し自らのリスクが発生法律変更でプロジェクト自体に影響が…!

PMP試験でのポイント

項目内容
計画しておくべきエスカレーションルートはコミュニケーション管理計画などに確実
事実ベースで報告「なんかムカつく」じゃなくて「仕様変更により納期が3日延長できる可能性」など客観的に
早すぎても遅すぎてもNG小さなミスで即エスカレートすると信頼できるし、遅すぎると炎上
誰がエスカレートすべきか明確にスポンサー?社長?PMO?
項目内容
計画しておくべきエスカレーションルートはコミュニケーション管理計画などに確実
事実ベースで報告「なんかムカつく」じゃなくて「仕様変更により納期が3日延長できる可能性」など客観的に
早すぎても遅すぎてもNG小さなミスで即エスカレートすると信頼できるし、遅すぎると炎上
誰がエスカレートすべきか明確にスポンサー?社長?PMO?
間違いのパターン問題点
「何でもかんでも上に丸投げ」プロマネージャーガタ落ち
もう少し「様子見ます」→爆発エスカ遅すぎて手遅れに
「同じ問題を何度もエスカ」ちゃんと対応せずループする
間違いのパターン問題点
「何でもかんでも上に丸投げ」プロマネージャーガタ落ち
もう少し「様子見ます」→爆発エスカ遅すぎて手遅れに
「同じ問題を何度もエスカ」ちゃんと対応せずループする

エスカレーションとは、
「火事を自分で消さなければいけない、消防署に連絡する勇気」
であって、
「火事が起きてもとりあえず水鉄砲で頑張る精神」ではありません。

  • スコープ外/許可外にはエスカレーション
  • エスカレーションルートや手順は事前に文書化
  • 記録はちゃんと残す(誰に、いつ、何をエスカしたか)

ミニクイズ

Q. 次のうち、正しいエスカレーションの例はどれですか?

A.「予算足りないけど、とりあえず残業で乗ろう」
B.「A部門とB部門の衝突プロジェクトが邪魔しているので、スポンサーの状況を報告し判断を仰ぐ」
C.「クライアントが怒っているけど、来週の話はいいや」
D.「自分のせいじゃないので放置してみた」

👉正解:B
→ 正しい事実に基づいて、関係者の中で一番正しい人に相談している!

エスカレーションまとめ

  • エスカレーションは逃げない、戦略的な判断
  • 「頑張って頑張ります!」だけでは通用しないときもある
  • しっかり計画して、適切なタイミングと相手に、落ち着いて報告しよう!

エスカレーションは「責任を投げること」じゃなくて、
「チームのために『自分の限界をちゃんと知っている』こと」。
大人のプロマネの証です。

PMP用語解説リンク集

プロジェクトの開始と計画
 プロジェクト手法の理解と選択
 スコープのマネジメント
 スケジュールのマネジメント
 予算のマネジメント
 品質のマネジメント
 資源のマネジメント
 コミュニケーションのマネジメント
 リスクのマネジメント
 調達のマネジメント
 ステークホルダーエンゲージメント
 終結、ガバナンス、統合

作業の実行とマネジメント
 プロジェクト作業と管理
 変更管理、課題管理

パフォーマンスの高いチームを作り支援する
 チームの育成
 エンパワーメントと指導
 共通理解の形成
 チームのパフォーマンスを支援する
 障害を取り除く
 変化への対応とPDCA

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