技術士二次試験を受験するに当たって、最重要ワードとなる「コンピテンシー」。
技術士試験の「審査項目」になっているコンピテンシーは、試験合格を目指すなら理解が必須です。合格を決定付けるほど重要な「コンピテンシー(資質能力)」ですが、意外と認知されていないのが実情ではないでしょうか。
恥ずかしながら私は1回目の受験で、コンピテンシーの理解が浅く、記述問題の評価が最低ランクでした。
コンピテンシーという存在を知るだけでは全然ダメでした…
当時を反省し、技術士となった今では「技術者倫理」などコンピテンシーを意識して行動します。
本記事では、技術士に求められるコンピテンシーについて、詳しく優しく説明します。
技術士を受験しようと思っている方が、読んで良かったと思えるような記事を目指しました。
ぜひこの記事でコンピテンシーの概要を押さえていただければ幸いです。
・技術士に求められる資質「コンピテンシー」とは何?
→技術士であれば最低限備えるべき資質能力のこと。
1.専門的学識
2.問題解決
3.マネジメント
4.評価
5.コミュニケーション
6.リーダーシップ
7.技術者倫理
8.継続研さん
・ 8個のキーワードの効果的な覚え方は?
→「専門マ評コリ技継」と頭文字を並べると覚えやすい
・ コンピテンシーは技術士試験に直接関係するか?
→試験の評価項目となっており直接関係する!
・筆記試験前に、何を準備しておけばいい?
→答案を書く中で、コンピテンシーを意識する!
・技術士に求められる資質「コンピテンシー」とは何?
→技術士であれば最低限備えるべき資質能力のこと。
1.専門的学識
2.問題解決
3.マネジメント
4.評価
5.コミュニケーション
6.リーダーシップ
7.技術者倫理
8.継続研さん
・ 8個のキーワードの効果的な覚え方は?
→「専門マ評コリ技継」と頭文字を並べると覚えやすい
・ コンピテンシーは技術士試験に直接関係するか?
→試験の評価項目となっており直接関係する!
・筆記試験前に、何を準備しておけばいい?
→答案を書く中で、コンピテンシーを意識する!
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広義のコンピテンシー
コンピテンシーとは、結果を出し続ける人の行動特性の事を言います。
技術士に関係なく、コンピテンシーという言葉はアメリカでよく使われているようです。
日本ではあまり浸透していませんが、人事に関わる人に使われています。
「コンピテンシーとは、組織の置かれた環境と職務上の要請を埋め合わせる行動に結びつく個人特性としてのキャパシティ、あるいは、強く要請された結果をもたらすものである」。
アメリカ:ボヤティズ(1982)
技術士に求められる資質「コンピテンシー」とは?
では技術士にはどんなコンピテンシーが求められるでしょうか?
以下、文部科学省のホームページから引用した説明文です。
技術の高度化、統合化等に伴い、技術者に求められる資質能力はますます高度化、多様化している。
これらの者が業務を履行するために、技術ごとの専門的な業務の性格・内容、業務上の立場は様々であるものの、(遅くとも)35歳程度の技術者が、技術士資格の取得を通じて、実務経験に基づく専門的学識及び高等の専門的応用能力を有し、かつ、豊かな創造性を持って複合的な問題を明確にして解決できる技術者(技術士)として活躍することが期待される。
このたび、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)について、国際エンジニアリング連合(IEA)の「専門職としての知識・能力」(プロフェッショナル・コンピテンシー、PC)を踏まえながら、以下の通り、キーワードを挙げて示す。
これらは、別の表現で言えば、技術士であれば最低限備えるべき資質能力である。 技術士はこれらの資質能力をもとに、今後、業務履行上必要な知見を深め、技術を修得し資質向上を図るように、十分な継続研さん(CPD)を行うことが求められる。
専門的学識
- 技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。
- 技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。
問題解決
- 業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、調査し、これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。
- 複合的な問題に関して、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)、それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理的に提案し、又は改善すること。
マネジメント
- 業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。
評価
- 業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。
コミュニケーション
- 業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
- 海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。
リーダーシップ
- 業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
- 海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。
技術者倫理
- 業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮した上で、社会、文化及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代に渡る社会の持続性の確保に努め、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。
- 業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。
- 業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。
以上の説明文を鑑み、この通りキーワードを箇条書きし図解します。
1.専門的学識
2.問題解決
3.マネジメント
4.評価
5.コミュニケーション
6.リーダーシップ
7.技術者倫理
8.継続研さん
8つのキーワードのやさしい詳細解説は、後述します。
コンピテンシーの覚え方
8個もあるので、すべて覚えるのは大変ですよね。
そこで簡単に覚えるコツが有ります!
「専問マ評コリ技継」と覚えましょう!
頭文字を並べただけですが、1分間呪文のように読み書きすれば覚えられます。
「メラ」「メラミ」「メラゾーマ」とドラクエの呪文は覚えられますよね。
それより文字数は少ないので覚えられるはずです!
「専問マ評コリ技継」
「専問マ評コリ技継」
「専問マ評コリ技継」
まずは覚えて頭に叩き込むことで、技術士としての視座に近づくと思います。
二次試験で問われるコンピテンシー
そもそもコンピテンシーは技術士二次試験とどんな関係が有るのでしょうか。
コンピテンシーは、筆記試験と口頭試験で問われる能力です。
極論、コンピテンシーを問うための試験と言えます。
そこまで言い切るには理由が有ります。
▼受験申込み案内書ではこのように明記されているからです。
引用元:技術士二次試験 受験申込み案内
▲評価項目に、コンピテンシーの具体的な項目が書かれています。
これを筆記試験と口頭試験で抜粋すると次の通りとなります。
Ⅰ必須科目の評価項目・・・
専門的学識、問題解決、評価、技術者倫理、コミュニケーション
Ⅱ選択科目の評価項目・・・
専門的学識、マネジメント、リーダーシップ、コミュニケーション
Ⅲ選択科目の評価項目は・・・
専門的学識、問題解決、評価、コミュニケーション
口頭試験の評価項目は・・・
コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメント、技術者倫理、継続さん
必須Ⅰ | 選択Ⅱ-1 | 選択Ⅱ-2 | 選択Ⅲ | |
---|---|---|---|---|
専門的学識 | ○ | ○ | ○ | ○ |
問題解決 | ○ | ○ | ||
マネジメント | ○ | |||
評価 | ○ | ○ | ||
コミュニケーション | ○ | ○ | ○ | ○ |
リーダーシップ | ○ | |||
技術者倫理 | ○ |
必須Ⅰ | 選択Ⅱ-1 | 選択Ⅱ-2 | 選択Ⅲ | |
---|---|---|---|---|
専門的学識 | ○ | ○ | ○ | ○ |
問題解決 | ○ | ○ | ||
マネジメント | ○ | |||
評価 | ○ | ○ | ||
コミュニケーション | ○ | ○ | ○ | ○ |
リーダーシップ | ○ | |||
技術者倫理 | ○ |
ここで重要な事は、各問題で評価対象のコンピテンシーが明記されている事です。
言い方を変えれば、問われていないコンピテンシーをアピールしても、評価されません。
私の失敗談ですが、令和2年の問題Ⅱにて「問題解決」と「評価」を熱心に回答してしまいました。
しかし「マネジメント」と「リーダーシップ」を答えていないので、2/4つまり50%以下です。
その問題番号で問われているコンピテンシーに過不足なく答えられているか、今一度確認してください。
筆記試験前に、何を準備しておけばいい?
それでは筆記試験前に何を準備するべきでしょうか?
少し工程を具体的に書いてみました。
①「専門マ評コリ技継」と覚える
②下の記事を読んで、8つのコンピテンシーを簡単に理解しておく
③各問Ⅰ~Ⅲで、評価項目を満足できるよう、答案を書いてみる
④様々なキーワードに対して、③を練習する
※更に各専門技術に合わせた対策は、プロ講師による講座受講をオススメします。
当サイトでは、機械部門の添削をお受けしていますが、基本的には他社様に添削を委ねております。
対策としては、教材・添削・実績・コスパに優れる添削講座を受けるといいでしょう。
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8つのキーワードの詳細理解
本記事の後半部分として、8つのキーワードを詳細解説します。
図解を用いて直感的にも理解しやすいよう心掛けました。
あなたがコンピテンシーを理解する一助となれば幸いです。
(1)専門的学識
・技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な,技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。
・技術士の業務に必要な,我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。
引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/
いわゆる教科書的な専門知識を持ち、それを業務に応用する事が必要です。
また、排ガス規制法などの法令知識も必要という事です。
社会・自然条件などに関する専門知識を理解し応用する事も求められます。
例えば、我が国はパリ協定でCO2排出量を○○年までに○○%削減する目標を掲げている。
これを達成するために、〇〇法を順守する事が義務付けられている。
という事を可能な限り専門的に、具体的に述べられると良いでしょう。
(2)問題解決
・業務遂行上直面する複合的な問題に対して,これらの内容を明確にし,調査し,これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。
・複合的な問題に関して,相反する要求事項(必要性,機能性,技術的実現性,安全性,経済性等),それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で,複数の選択肢を提起し,これらを踏まえた解決策を合理的に提案し,又は改善すること。
引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/
これは、実際に仕事をしていると磨かれる能力だと思います。
課題とは「困りごとがある現状」と「あるべき姿」との差です。
その差を埋めるために何をすべきか?どうして差を埋めるか?
それらを具体的に論述します。
問ⅠとⅢでは、問題の真因を抽出し、その具体的解決策を効果とリスク含めて論述する能力が必須です。
試験本番では、その場で論述を組み立てる時間が無いため、あらかじめ論法(型)を準備する事が重要です。
技術士二次試験では、問題用紙で聞かれている事にプラスαして、自ら論理展開する事が求められます。
技術士二次試験のⅠとⅢを解いていると、「問題解決」を強く意識させられます。
当サイトでは、「具体的にどう論述するか」「採点ポイントはどこにあるか」について今後紹介していきます。
(3)マネジメント
・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において,品質,コスト,納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項,又は成果物(製品,システム,施設,プロジェクト,サービス等)に係る要求事項の特性(必要性,機能性,技術的実現性,安全性,経済性等)を満たすことを目的として,人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。
引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/
よく「リーダーシップ」と誤解しやすいワードです。
ざっくり言えば「リーダーシップ」は全体の方針を決めること。
「マネジメント」はリーダーシップで決まった方針をもとに、個別に、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分することです。
技術士試験での「マネジメント」は、「優先順位をどのように付けたか」を問われています。
技術士としても、教科書的な理想論を語ったところで、実際コストや人員が足りなければ有効な提案と言えませんね。
(4)評価
・業務遂行上の各段階における結果,最終的に得られる成果やその波及効果を評価し,次段階や別の業務の改善に資すること。
引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/
短く、かつ重要ワードとなるので、もう一度記載します。
業務遂行上の各段階における結果,最終的に得られる成果やその波及効果を評価し,次段階や別の業務の改善に資すること。
「波及効果」は、以下の観点で論述できるようにすると良いと思います。
①国際的なプラスの影響
②環境保全上の効果
③他の技術領域への応用等
筆記試験の問ⅠとⅢでは、「効果とリスク、リスクの対応策を述べよ」と出題されます。
そのため、この形式での論述に慣れれば、「評価」の力が付きます。
(5)コミュニケーション
・業務履行上,口頭や文書等の方法を通じて,雇用者,上司や同僚,クライアントやユーザー等多様な関係者との間で,明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
・海外における業務に携わる際は,一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え,現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること
引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/
当然仕事は一人で達成困難ですね。
様々な立場の方の背景を理解した上で、それぞれが行動してくれるような意思疎通が必要です。
場合によっては相手が海外にいて、語学と文化の壁を越えて強調する事が必要です。
(6)リーダーシップ
・業務遂行にあたり,明確なデザインと現場感覚を持ち,多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
・海外における業務に携わる際は,多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに,プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。
引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/
リーダシップは、利害関係をいかに調整したか
技術士はプロジェクトの指針を示す「リーダーシップ」が求められます。
指針を示すためにも、明確なゴールイメージを持ち、過程で多様な関係者の利害を調整する事が必要です。
選択科目Ⅱ-2(事例問題)でリーダシップを強調するテクニックを紹介します。
想定する事例に、外国人を登場させます。
そして、コンピテンシー項目の「海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行」ができることをアピールします。
(7)技術者倫理
・業務遂行にあたり,公衆の安全,健康及び福利を最優先に考慮した上で,社会,文化及び環境に対する影響を予見し,地球環境の保全等,次世代にわたる社会の持続性の確保に努め,技術士としての使命,社会的地位及び職責を自覚し,倫理的に行動すること。
・業務履行上,関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。
・業務履行上行う決定に際して,自らの業務及び責任の範囲を明確にし,これらの責任を負うこと。
引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/
技術者倫理は、問Ⅰに必ず出題されるので、ご自身の専門分野と絡めて、回答パターンを作るといいです。
参考のために、令和2年で問ⅠでA判定だった時の論法を紹介します。
基本的な回答の型を用意しつつも、出題文と倫理のキーワードを絡めながら説明できると良いですね。
(4)業務遂行において必要な要件を技術者倫理の観点から述べよ。
・時代の変化に応じ、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する
・社会、文化、及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全に努める
・関係法令等の制度が求めている事項を遵守する
・時代とともに変化する技術、法令を理解し、PDCAを繰り返し行い、継続的に資質向上を図る
(8)継続的研鑽
・業務履行上必要な知見を深め,技術を修得し資質向上を図るように,十分な継続研さん(CPD)を行うこと
引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/
技術士は、資格を取った後も、継続研さんが義務付けられています。
時代が進めば、過去OKだったことも、未来でNGになる事ありますよね。
車のCO2排出量や排気音の規制は、社会のニーズと共に、年々厳しくなっていきます。
だから、継続的に知識を習得し、資質向上が必須ということだと考えます。
口頭試験でこのように聞かれる事が有るようです。
「継続研鑽は何をしているか?」
「CPDは何ポイント?」
研修会に参加したり、学会誌を購読すると良いでしょう。
なお、技術士になったあとは、継続研鑽の時間を記録し入力する努力義務があります。
「技術士に求められる資質能力」の解説
続いて、文部科学省のwebサイトに国際委員会 IEA 対応 WGにて「技術士に求められる資質能力」の解説が掲載されており、受験生の一助となると思いますので、一部分のみ掲載します。なお、技術士に求められる資質能力は、「技術士PC」と略されています。
Ⅱ 「技術士に求められる資質能力」に関する解説
「技術士に求められる資質能力」とは、技術士がその業務遂行に当り求められる資質能力である。「技術士の業務」は、下記の技術士法における技術士の定義の下線部分に相当する業務であり、IEA PCが規定するエンジニアの行う複合的なエンジニアリング活動に該当する(「表 5 複合的な業務の定義」)。
【技術士法における技術士の定義】
「技術士」とは、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいう。「技術士の業務」の関与の対象とされるものは、製品/生産物、施設、システム、プロジェクト、サービス、工程等があり、関与の範囲は、これらの、設計段階、設計に基づく実現(製造、生産、建設、構築等)段階及び実現されたものの運用/供用段階に及ぶ。技術士は、これらの段階全てにおいて様々な形で重要な役割を担うが、特に高度な知識や創造力を求められることの多い設計段階業務において技術士の果たす役割が重要である。
専門的学識
(1) 技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な専門知識
技術士の業務(前述の「まえがき」参照)に必要な知識の内容は、下記の「IEA 卒業生としての知識・能力 5.1」の「知識プロフィール」(表 3)を参考にする。この大学卒業の段階で身に付けておくべきとされる知識の内容は、技術士としても当然必要とされるものである
(2) 知識の理解と応用
技術士 PC 第 1 項における「…知識を理解し応用すること」とは、技術士の業務に必要とされる知識を、その原理や論拠にさかのぼって理解した上で、その業務の履行に適用できる能力を求めるものである。
問題解決
問題分析から解決策に至るプロセスは次のとおりである。
問題⇒内容明確化・調査⇒分析⇒解決選択肢の検討⇒評価⇒判断・選定⇒解決策の提案・改善
解決策の提案又は改善は、このプロセスにおいて、問題の内容明確化・分析から、解決選択肢の検討、評価と判断を経て、解決策の提案又は改善の完了に至る一連の要素の全てに関し一定の力量をもっていて始めて満足できる成果が得られるものである。
マネジメント
業務のマネジメントは、業務の履行について計画し、実行し、検証し、必要な是正措置(計画の変更を含む。)を講じ、及び完成するプロセス(PDCA 原則)をとることを標準とする。
マネジメントの管理対象は、業務の内容/範囲(スコープ)、進捗、コスト、要員、品質及び必要な場合は環境、安全、コミュニケーションやリスクのマネジメントを含む。
マネジメントにより、当該業務の時間、コスト、品質、リスク対応等に関する要求事項及び当該業務(設計、生産管理、施工管理等)の対象とする製品、システム、施設、プロジェクト、サービス、工程等の特性(機能、品質、安全性、美的要素及び経済性を含む。)に係る要求事項を確実に満たすことを目指す。
マネジメント・システムに係る認証制度をもつ国際規格の代表的な例として、次のものがある。
① 「ISO 9001 品質マネジメントシステム」: 狭義の品質管理の他に、組織、要員、外注等の管理を含む総合的なシステム。日本では、これをそのまま翻訳し「JIS Q 9001」とされている。
② 「ISO 22000 食品安全マネジメントシステム」: 食品の安全のために重要なハザード(危害)を明確にし、評価し、管理するシステム。
③ 「ISO14001 環境マネジメントシステム」:企業や団体等の組織が環境方針、目的・目標等を設定し、その達成に向けて取組むための組織の計画・体制・プロセス等からなるシステム。日本では、これをそのまま翻訳し「JIS 14001」とされている。
評価
(1) 結果、成果及び波及効果
設計段階の結果は、製品等(製品、施設、システム、工程及びサービスを含む。)の特性を規定する設計書、図面、仕様書等からなる。また、設計に基づいて実現される製品等も結果である。
製品等が使用される段階で直接的に発現される便益が成果である。さらに、その成果から波及効果が生じる。波及効果にはプラスとマイナスの側面がある。
(2) 結果の評価
設計及びその実現の結果は、製品等の特性(性能、使用性、安全性、環境適合性、耐久性、経済性、修復性、美観等)に係る要求事項の満足度/達成度について評価される。設計においては技術的実現性も評価要素とされる。
(3) 成果及び波及効果の評価
成果は、製品等が直接に対象とする受益者にもたらす効果の目標に対する達成度(予測又は実績)を評価する。波及効果は、結果及び成果が 2 次的に及ぼす影響を、正と負の両面から評価する。成果及び波及効果の評価は、標準として、事前、中間、事後のそれぞれの段階で、選択肢の優劣の判断、業務の省察・見直し及び将来の類似業務への教訓学習のために行なう。その主要な評価基準は、妥当性(Relevance)、効率性(Efficiency)、目標達成度(Effectiveness)等である。
コミュニケーション
技術士業務の履行に当たり、共に働く者、雇用者、依頼者又は公衆との間で明確かつ効果的な意思疎通(コミュニケーション)を行う能力が求められる。コミュニケーションの主な内容は下記のとおりである。
① 論文、報告書、設計書等の文章作成、説明又は発表、
② 業務に関する報告又は指示の口頭又は文書による授受、
③ 情報・意見交換、討議等
海外関係の業務に携わるためには、一定水準の語学(多くの場合英語)力が必要である。
技術者倫理
「技術士倫理綱領」は上述の全ての事項を包含し、また IEA 倫理規程とも整合し、「技術者倫理」として体系的に整えられ認識されているものである。
技術士 PC に定める技術士の責任は無限のものではない。技術士は、事前に、雇用者又は依頼者との間で、自分の立場及び業務範囲、すなわち責任をもつ範囲を明らかにした上で、その範囲における決定に対して責任を負わなければならない。
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1.講義動画
技術士の概要
試験準備
論文作法を学ぶ
受験申込書の書き方
筆記試験対策
2.学習支援
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B評価論文例
受験申込書の攻略シート
2枚論文の攻略シート
3枚論文の攻略シート
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まとめ
さあ、技術士に求められる資質(コンピテンシー)いかがでしょうか?
8つ全て覚えられましたでしょうか。
忘れかけた方は、こちらを再確認してくださいね!
・そもそも技術士に求められる資質「コンピテンシー」とは何?
1.専門的学識
2.問題解決
3.マネジメント
4.評価
5.コミュニケーション
6.リーダーシップ
7.技術者倫理
8.継続研さん
・ 8個のキーワードの効果的な覚え方は?
⇒「専門マ評コリ技継」と覚えましょう!
・ コンピテンシーは技術士試験に直接関係するか?
⇒コンピテンシーに関して出題されます!
・筆記試験前に、何を準備しておけばいい?
⇒答案を書く中で、コンピテンシーを意識する!
・技術士に求められる資質「コンピテンシー」とは何?
→技術士であれば最低限備えるべき資質能力のこと。
1.専門的学識
2.問題解決
3.マネジメント
4.評価
5.コミュニケーション
6.リーダーシップ
7.技術者倫理
8.継続研さん
・ 8個のキーワードの効果的な覚え方は?
→「専門マ評コリ技継」と頭文字を並べると覚えやすい
・ コンピテンシーは技術士試験に直接関係するか?
→試験の評価項目となっており直接関係する!
・筆記試験前に、何を準備しておけばいい?
→答案を書く中で、コンピテンシーを意識する!
この記事と関連が強い記事をまとめました。ぜひご覧いただけると幸いです。
▼技術士の概要(難易度、メリット)の紹介はこちら
技術士とは 概要や二次試験の難易度、合格率、メリットについて>>
▼技術士二次試験の対策まとめ記事はこちら
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