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技術士に求められる資質「コンピテンシー」とは何か?分かりやすく優しく解説します

技術士のコンピテンシーとは
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技術士二次試験を受験するに当たって、最重要ワードとなる「コンピテンシー」。

技術士試験の「審査項目」になっているコンピテンシーは、試験合格を目指すなら理解が必須です。

スタディング技術士講座で筆記試験の添削を受けましたが、コンピテンシーに基づいて採点されました。

合格を左右するほど重要なキーワードですが、意外と認知されていないのが実情ではないでしょうか。

恥ずかしながら私は1回目の受験で、コンピテンシーの理解が浅く、記述問題の評価が最低ランクでした。

コンピテンシーという存在を知るだけでは全然ダメでした…

そこで本記事では、技術士に求められるコンピテンシーについて、詳しく説明します。

技術士を受験しようと思っている方が、読んで良かったと思えるような記事を目指しました。

ぜひこの記事でコンピテンシーの概要を押さえていただければ幸いです。

以下の疑問に答えます

・そもそも技術士に求められる資質「コンピテンシー」とは何

・8個のキーワードの効果的な覚え方は?

・コンピテンシーは技術士試験に直接関係するか

・筆記試験前に、何を準備しておけばいい?

▼本記事を書く上で参考にした講座はこちら
技術士二次試験の対策として、最もオススメ講座「スタディング」を紹介>>

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目次

広義のコンピテンシー

コンピテンシーとは、結果を出し続ける人の行動特性の事を言います。

技術士に関係なく、コンピテンシーという言葉はアメリカでよく使われているようです。

日本ではあまり浸透していませんが、人事に関わる人に使われています。

「コンピテンシーとは、組織の置かれた環境と職務上の要請を埋め合わせる行動に結びつく個人特性としてのキャパシティ、あるいは、強く要請された結果をもたらすものである」。

アメリカ:ボヤティズ(1982)

技術士に求められる資質「コンピテンシー」とは?

では技術士にはどんなコンピテンシーが求められるでしょうか?

以下、文部科学省のホームページから引用した説明文です。

 技術の高度化、統合化等に伴い、技術者に求められる資質能力はますます高度化、多様化している。
 これらの者が業務を履行するために、技術ごとの専門的な業務の性格・内容、業務上の立場は様々であるものの、(遅くとも)35歳程度の技術者が、技術士資格の取得を通じて、実務経験に基づく専門的学識及び高等の専門的応用能力を有し、かつ、豊かな創造性を持って複合的な問題を明確にして解決できる技術者(技術士)として活躍することが期待される。
 このたび、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)について、国際エンジニアリング連合(IEA)の「専門職としての知識・能力」(プロフェッショナル・コンピテンシー、PC)を踏まえながら、以下の通り、キーワードを挙げて示す。
 これらは、別の表現で言えば、技術士であれば最低限備えるべき資質能力である。 技術士はこれらの資質能力をもとに、今後、業務履行上必要な知見を深め、技術を修得し資質向上を図るように、十分な継続研さん(CPD)を行うことが求められる。

専門的学識

  1. 技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。
  2. 技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。

問題解決

  1. 業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、調査し、これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。
  2. 複合的な問題に関して、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)、それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理的に提案し、又は改善すること。

マネジメント

  1. 業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。

評価

  1. 業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。

コミュニケーション

  1. 業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
  2. 海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。

リーダーシップ

  1. 業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
  2. 海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。

技術者倫理

  1. 業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮した上で、社会、文化及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代に渡る社会の持続性の確保に努め、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。
  2. 業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。
  3. 業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。

以上の説明文を鑑み、この通りキーワードを箇条書きし図解します。

コンピテンシーのキーワード

1.専門的学識
2.問題解決
3.マネジメント
4.評価
5.コミュニケーション
6.リーダーシップ
7.技術者倫理
8.継続研さん

コンピテンシーとは(技術士)

8つのキーワードの詳細解説は、後述します。

コンピテンシーの覚え方

8個もあるので、すべて覚えるのは大変ですよね。

そこで簡単に覚えるコツが有ります!

「専門マ評コリ技継」と覚えましょう!

頭文字を並べただけですが、1分間呪文のように読み書きすれば覚えられます。

「メラ」「メラミ」「メラゾーマ」とドラクエの呪文は覚えられますよね。

それより文字数は少ないので覚えられるはずです!

さあ、鉛筆と紙を用意して、1分間書き続けましょう!

「専門マ評コリ技継」

「専門マ評コリ技継」

「専門マ評コリ技継」

はい!この記事が読み終わったら確認させて頂きます!

二次試験で問われるコンピテンシー

そもそもコンピテンシーは技術士二次試験とどんな関係が有るのでしょうか。

コンピテンシーは、筆記試験口頭試験で問われる能力です。

極論、コンピテンシーを問うための試験と言えます。

そこまで言い切るには理由が有ります。

受験申込み案内書ではこのように明記されているからです。

引用元:技術士二次試験 受験申込み案内

評価項目に、コンピテンシーの具体的な項目が書かれています。

これを筆記試験口頭試験で抜粋すると次の通りとなります。

Ⅰ必須科目の評価項目・・・
専門的学識、問題解決、評価、技術者倫理、コミュニケーション

Ⅱ選択科目の評価項目・・・
専門的学識、マネジメント、リーダーシップ、コミュニケーション

Ⅲ選択科目の評価項目は・・・
専門的学識、問題解決、評価、コミュニケーション

口頭試験の評価項目は・・・
コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメント、技術者倫理、継続さん

必須Ⅰ選択Ⅱ-1選択Ⅱ-2選択Ⅲ
専門的学識
問題解決
マネジメント
評価
コミュニケーション
リーダーシップ
技術者倫理
必須Ⅰ選択Ⅱ-1選択Ⅱ-2選択Ⅲ
専門的学識
問題解決
マネジメント
評価
コミュニケーション
リーダーシップ
技術者倫理

ここで重要な事は、各問題で評価対象のコンピテンシーが明記されている事です。

言い方を変えれば、問われていないコンピテンシーをアピールしても、評価されません。

私の失敗談ですが、令和2年の問題Ⅱにて「問題解決」と「評価」を熱心に回答してしまいました。

しかし「マネジメント」と「リーダーシップ」を答えていないので、2/4つまり50%以下です。

その問題番号で問われているコンピテンシーに過不足なく答えられているか、今一度確認してください。

筆記試験前に、何を準備しておけばいい?

それでは筆記試験前に何を準備するべきでしょうか?

少し工程を具体的に書いてみました。

①「専門マ評コリ技継」と覚える

②下の記事を読んで、8つのコンピテンシーを簡単に理解しておく

③各問Ⅰ~Ⅲで、評価項目を満足できるよう、答案を書いてみる

④様々なキーワードに対して、③を練習する

※更に各専門技術に合わせた対策は、プロ講師による講座受講をオススメします。

受講者が10万人を超え、コスパに定評のあるスタディングの講座が特にオススメです。

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8つのキーワードの詳細理解

本記事の後半部分として、8つのキーワードを詳細解説します。

図解を用いて直感的にも理解しやすいよう心掛けました。

あなたがコンピテンシーを理解する一助となれば幸いです。

(1)専門的学識

・技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な,技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。

・技術士の業務に必要な,我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。

引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/

いわゆる教科書的な専門知識を持ち、それを業務に応用する事が必要です。

また、排ガス規制法などの法令知識も必要という事です。

社会・自然条件などに関する専門知識を理解し応用する事も求められます。

TAKE.TECH

例えば、我が国はパリ協定でCO2排出量を○○年までに○○%削減する目標を掲げている。

これを達成するために、〇〇法を順守する事が義務付けられている。

という事を可能な限り専門的に、具体的に述べられると良いでしょう。

(2)問題解決

・業務遂行上直面する複合的な問題に対して,これらの内容を明確にし,調査し,これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。

・複合的な問題に関して,相反する要求事項(必要性,機能性,技術的実現性,安全性,経済性等),それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で,複数の選択肢を提起し,これらを踏まえた解決策を合理的に提案し,又は改善すること。

引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/


これは、実際に仕事をしていると磨かれる能力だと思います。

課題とは「困りごとがある現状」と「あるべき姿」との差です。

その差を埋めるために何をすべきか?どうして差を埋めるか?
それらを具体的に論述します。

問ⅠとⅢでは、問題の真因を抽出し、その具体的解決策効果リスク含めて論述する能力が必須です。

試験本番では、その場で論述を組み立てる時間が無いため、あらかじめ論法(型)を準備する事が重要です。

技術士二次試験では、問題用紙で聞かれている事にプラスαして、自ら論理展開する事が求められます。

技術士二次試験のⅠとⅢを解いていると、「問題解決」を強く意識させられます。

当サイトでは、「具体的にどう論述するか」「採点ポイントはどこにあるか」について今後紹介していきます。

(3)マネジメント

・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において,品質,コスト,納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項,又は成果物(製品,システム,施設,プロジェクト,サービス等)に係る要求事項の特性(必要性,機能性,技術的実現性,安全性,経済性等)を満たすことを目的として,人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。

引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/

よく「リーダーシップ」と誤解しやすいワードです。

ざっくり言えば「リーダーシップ」は全体の方針を決めること。

「マネジメント」はリーダーシップで決まった方針をもとに、個別に、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分することです。

技術士試験での「マネジメント」は、「優先順位をどのように付けたか」を問われています。

技術士としても、教科書的な理想論を語ったところで、実際コストや人員が足りなければ有効な提案と言えませんね。

(4)評価

・業務遂行上の各段階における結果,最終的に得られる成果やその波及効果を評価し,次段階や別の業務の改善に資すること。

引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/

短く、かつ重要ワードとなるので、もう一度記載します。

業務遂行上の各段階における結果,最終的に得られる成果やその波及効果を評価し,次段階や別の業務の改善に資すること。

「波及効果」は、以下の観点で論述できるようにすると良いと思います。

①国際的なプラスの影響
②環境保全上の効果
③他の技術領域への応用等

筆記試験の問ⅠとⅢでは、「効果とリスク、リスクの対応策を述べよ」と出題されます。

そのため、この形式での論述に慣れれば、「評価」の力が付きます。

(5)コミュニケーション

・業務履行上,口頭や文書等の方法を通じて,雇用者,上司や同僚,クライアントやユーザー等多様な関係者との間で,明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。

・海外における業務に携わる際は,一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え,現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること

引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/

当然仕事は一人で達成困難ですね。

様々な立場の方の背景を理解した上で、それぞれが行動してくれるような意思疎通が必要です。

場合によっては相手が海外にいて、語学と文化の壁を越えて強調する事が必要です。

(6)リーダーシップ

・業務遂行にあたり,明確なデザインと現場感覚を持ち,多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。

・海外における業務に携わる際は,多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに,プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。

引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/

リーダシップは、利害関係をいかに調整したか

技術士はプロジェクトの指針を示す「リーダーシップ」が求められます。

指針を示すためにも、明確なゴールイメージを持ち、過程で多様な関係者の利害を調整する事が必要です。

選択科目Ⅱ-2(事例問題)でリーダシップを強調するテクニックを紹介します。

想定する事例に、外国人を登場させます。

そして、コンピテンシー項目の「海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行」ができることをアピールします。

(7)技術者倫理

・業務遂行にあたり,公衆の安全,健康及び福利を最優先に考慮した上で,社会,文化及び環境に対する影響を予見し,地球環境の保全等,次世代にわたる社会の持続性の確保に努め,技術士としての使命,社会的地位及び職責を自覚し,倫理的に行動すること。

・業務履行上,関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。

・業務履行上行う決定に際して,自らの業務及び責任の範囲を明確にし,これらの責任を負うこと。

引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/

技術者倫理は、問Ⅰに必ず出題されるので、ご自身の専門分野と絡めて、回答パターンを作るといいです。

参考のために、令和2年で問ⅠでA判定だった時の論法を紹介します。

基本的な回答の型を用意しつつも、出題文と倫理のキーワードを絡めながら説明できると良いですね。

(4)業務遂行において必要な要件を技術者倫理の観点から述べよ。
・時代の変化に応じ、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する
・社会、文化、及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全に努める
・関係法令等の制度が求めている事項を遵守する
・時代とともに変化する技術、法令を理解し、PDCAを繰り返し行い、継続的に資質向上を図る

(8)継続的研鑽

・業務履行上必要な知見を深め,技術を修得し資質向上を図るように,十分な継続研さん(CPD)を行うこと

引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/

技術士は、資格を取った後も、継続研さんが義務付けられています。

時代が進めば、過去OKだったことも、未来でNGになる事ありますよね。

車のCO2排出量や排気音の規制は、社会のニーズと共に、年々厳しくなっていきます。

だから、継続的に知識を習得し、資質向上が必須ということだと考えます。

口頭試験でこのように聞かれる事が有るようです。

「継続研鑽は何をしているか?」
「CPDは何ポイント?」

研修会に参加したり、学会誌を購読すると良いでしょう。

まとめ

さあ、技術士に求められる資質(コンピテンシー)いかがでしょうか?

8つ全て覚えられましたでしょうか。

忘れかけた方は、こちらを再確認してくださいね!

コンピテンシーまとめ

・そもそも技術士に求められる資質「コンピテンシー」とは何?
 1.専門的学識
 2.問題解決
 3.マネジメント
 4.評価
 5.コミュニケーション
 6.リーダーシップ
 7.技術者倫理
 8.継続研さん

・ 8個のキーワードの効果的な覚え方は?
 ⇒「専門マ評コリ技継」と覚えましょう!

・ コンピテンシーは技術士試験に直接関係するか
 ⇒コンピテンシーに関して出題されます!

・筆記試験前に、何を準備しておけばいい?
 ⇒答案を書く中で、コンピテンシーを意識する!

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