どっちが良い？ITパスポートと基本情報技術者の違いを7項目で徹底比較

ITパスポートと基本情報技術者は、国家資格でトップレベルに受験者数が多い人気資格です。

この記事では、実際にITパスポートと基本情報技術者に合格(令和5年度)した私が、両者の違いを比較します。

なぜなら、ITパスポートはいつでも受験でき料金も安く、基本情報技術者の練習になるからです。

この記事では令和5年度に、IT未経験から2ヶ月で両方合格した筆者が、画像や表を使って具体的に解説します。

ITパスポートと基本情報技術者の比較まとめ

ITパスポートと基本情報技術者を比較した結果は以下のとおりです。

次の章にて項目毎に詳しく比較していきますので、ぜひご覧下さい。

ITパスポートと基本情報技術者の違いを比較

それでは具体的に解説していきます。

比較1：試験の位置付け

ITパスポートと基本情報技術者は、経済産業省所管の「情報処理推進機構（IPA）」が行う国家資格試験です。

情報処理技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。

IPAのWEBサイトより引用

項目	ITパスポート	基本情報技術者
レベル	レベル1	レベル2
位置付け	あなたのIT力を 証明する国家試験	ITエンジニアの 登竜門

項目	ITパスポート	基本情報技術者
レベル	レベル1	レベル2
位置付け	あなたのIT力を 証明する国家試験	ITエンジニアの 登竜門

ITパスポートは「あなたのIT力を証明する国家資格」、基本情報技術者は「ITエンジニアの登竜門」と位置付けされています。

比較2：合格率と難易度

ITパスポートの合格率は約54%、基本情報技術者の合格率は約36%です。

年度	ITパスポート 合格率	基本情報技術者 合格率
平成30年度	51.7%	25.6%
令和元年度	54.3%	25.7%
令和2年度	58.8%	48.1%
令和3年度	52.7%	40.7%
令和4年度	51.6%	37.4%
5年間の平均	53.8%	35.5%

年度	ITパスポート 合格率	基本情報技術者 合格率
平成30年度	51.7%	25.6%
令和元年度	54.3%	25.7%
令和2年度	58.8%	48.1%
令和3年度	52.7%	40.7%
令和4年度	51.6%	37.4%
5年間の平均	53.8%	35.5%

ITパスポートの難易度はやや易しい、基本情報技術者の難易度は標準です。(資格の難易度参照)

基本情報技術者と似た難易度の資格を見ると、簡単には合格できない資格が並んでいます。

ITパスポート と似た難易度	基本情報技術者 と似た難易度
英検2級	英検準1級
地方公務員初級	教員採用試験
看護師	通関士
日商簿記3級	日商簿記2級
土木施工管理技士２級	宅地建物取引士
第二種電気工事士	第一種電気工事士

ITパスポート と似た難易度	基本情報技術者 と似た難易度
英検2級	英検準1級
地方公務員初級	教員採用試験
看護師	通関士
日商簿記3級	日商簿記2級
土木施工管理技士２級	宅地建物取引士
第二種電気工事士	第一種電気工事士

比較3：問題の形式

ITパスポートと基本情報技術者の問題形式の違いを見ていきましょう。

まず、ITパスポートは120分で100問の4肢択一を解く試験です。

基本情報技術者は、科目Aと科目Bがあり、両方合格点(60%が目安)を取る必要があります。

基本情報技術者の科目Aは、ITパスポート試験と似ており、科目Aの方が少し難しいです。

基本情報技術者の科目Bは、プログラミングやアルゴリズムの問題が出題されます。

比較4：必要な勉強時間

IT未経験で自信ない方の勉強時間は、ITパスポートが80時間、基本情報技術者が150時間です。

IT経験があり自信もある方は、ITパスポートが30時間、基本情報技術者が50時間です。

必要な勉強時間は、こちらの記事で分析していますので、根拠の確認にご活用ください。

比較5：勉強方法

ITパスポートの勉強方法は、暗記中心の問題演習になります。

なぜなら、この問題のように用語の知識を問う問題が多く出題されるためです。

一方、基本情報技術者は、理解中心の問題演習になります。

こちらの問題のように、用語の丸暗記だけではなく、その場で解答まで辿り着く力が必要です。

▼ITパスポート、基本情報技術者の勉強方法は、こちらの記事で詳細解説しています。

比較6：資格取得後の求人や平均年収

ITパスポートと基本情報技術者の求人や平均年収は、大きな差があります。

求人ボックスで両者の資格名で求人検索をすると、平均年収で100万円以上の差がありました。

ITパスポートの平均年収は362万円、基本情報技術者の平均年収は476万円です。

基本情報技術者は、求人数も平均年収も多く、他の資格と比べ見劣りしません。

比較7：受験と勉強の費用

ITパスポートと基本情報技術者の受験と勉強の費用を比較します。

受験料は7500円で同じ、参考書もそれほど価格は変わりません。

	ITパスポート	基本情報技術者
受験料	7,500円	7,500円
参考書	1冊でOK 2,000円程度 おすすめ7選はこちら	1〜2冊 2500円〜5000円 おすすめ7選はこちら
通信講座	10,000円程度 6社比較はこちら	40,000円程度 6社比較はこちら

	ITパスポート	基本情報技術者
受験料	7,500円	7,500円
参考書	1冊でOK 2,000円程度 おすすめ7選はこちら	1〜2冊 2500円〜5000円 おすすめ7選はこちら
通信講座	10,000円程度 6社比較はこちら	40,000円程度 6社比較はこちら

通信講座の費用は、ITパスポートが10000円、基本情報技術者が40000円程度となります。

私は両資格とも通信講座を受講し一発合格していますが、AI機能による復習問題のチョイスや本番予想点などは使える機能でした。

ITパスポートと基本情報技術者をおすすめする人をそれぞれ紹介

ITパスポートと基本情報技術者がそれぞれおすすめな人は、以下のとおりです。

ITパスポートがおすすめな人	基本情報技術者がおすすめな人
・ほとんど多くの人 ・ITにとても自信がある人以外 ・基礎から着実に勉強したい人 ・ITの経験があまりない人	・ITの学習や業務の経験がある人 ・試験回数を減らして楽したい人 ・1発で合格する自信がある人 ・数学がとても得意な人

ITパスポートがおすすめな人	基本情報技術者がおすすめな人
・ほとんど多くの人 ・ITにとても自信がある人以外 ・基礎から着実に勉強したい人 ・ITの経験があまりない人	・ITの学習や業務の経験がある人 ・試験回数を減らして楽したい人 ・1発で合格する自信がある人 ・数学がとても得意な人

ITパスポートがおすすめの人

ほとんどの人には、基本情報技術者よりもITパスポートをおすすめします。

なぜなら、ITパスポートの勉強は基本情報技術者の無駄にならず、確実にステップアップできるからです。

確かに基本情報技術者に合格すればITパスポートは不要ですが、いきなり基本情報技術者はハードルが高いです。

基本情報技術者に落ちた時のガッカリ感も、ITパスポートに合格しているか否かで大きく変わります。

まずはITパスポートで基礎知識を固めてから基本情報技術者に挑むのが効率が良いです。

基本情報技術者がおすすめの人

IT学習歴や業務歴があり自信がある人は、基本情報技術者をおすすめします。

情報技術や数学に長けていて、先の応用情報技術者もすぐに受験予定ならば、基本情報技術者をいきなり受けて良いと思います。

ITパスポートが平易といっても、受験料を払って、日程調整し、2時間の試験を受ける必要があります。

その面倒を回避できるので、自信がある方はITパスポートよりも基本情報技術者の受験が良いです。

ITパスポートと基本情報技術者の比較で多い質問

ITパスポートと基本情報技術者を比較する際によくある質問をまとめました。

こちらもぜひ参考にしてみてください。

ITパスポートと基本情報技術者はどっちが難しいですか

ITパスポートの方が簡単で、基本情報技術者の方が難しいです。

基本情報技術者とITパスポートの違いは何ですか

基本情報技術者は、長文問題やプログラミングの問題が出題され、技術者としての理解力が問われます。ITパスポートは、基本的な短文問題が出題され、IT基礎知識が問われます。

ITパスポートから基本情報技術者に合格するためにはどのくらい勉強すればいいですか

ITパスポート合格者なら、50時間〜100時間の勉強で基本情報技術者に合格できると考えます。

まとめ