技術士二次試験を受験する予定だが、落ちるか不安…
技術士二次試験に興味があるが、敷居が高い?体験記を見て参考にしたい。
技術士は、技術系の国家資格として、最高峰と位置付けられています。
だから、簡単に合格できるような試験ではありません。
- 仕事や家庭との両立はできるのか
- どんなスケジュール感になるのか
- 敷居が高いなら他を考えようか
このように悩み、それでも技術士二次試験に興味がある方へ、記事を書きました。
5回の技術士二次試験を経験し、口頭試験の不合格も経験してしまった私が、赤裸々に体験談をお届けします!
全体の受験スケジュール
まず、技術士二次試験の試験は申込書提出から始まり、試験合格まで長いです。
4月:申込書を提出
5〜7月:筆記試験の勉強
7月中旬:筆記試験
10月末:筆記試験の合格発表
12〜1月:口頭試験
勉強の佳境は、申込書提出前の3月、筆記試験前の5〜7月、口頭試験前の11〜12月です。
それでは、申込書提出から順番に見ていきましょう。
3月:受験申込書
まず技術士の試験は、受験申込書の作成から始まっていると言われます。
申込書に書く「経歴」と「業務詳細」は、口頭試験で聞かれるため注意を払いました!
何を隠そう、私は昨年令和4年度の口頭試験で、「経歴」の質問が続き「口論」に発展…。
技術士試験において最大のタブーである口論をし、あえなく撃沈、不合格。
口頭試験が終わった時は意気消沈し、ラーメンの味がしませんでした…。
そのため、受験申込書を書く段階から、口頭試験を意識して書きたいです。
私は、社内の技術士に受験申込書を添削いただき、講座など社外の技術士にも添削いただきました。
添削を安くたくさん受けるならスタディングがおすすめ。
添削を受けることが最も望ましいですが、予算的に難しい場合は参考書があります。
4月受験申込書の提出
3月に受験申込書を完成させたら、4月に受験申込書を提出します。
申込書の提出は、所定書式への記入・経歴の認印・書留送付により、想定以上に時間が掛かったので注意!
↓受験申込書の上半分はこのような感じです。
・経歴の記入漏れは無いか(大学院の経歴は忘れやすいので要注意)
・会社上司から貰う印鑑は、役職印ではなく会社印が必要(私は再提出を経験しました)
・業務詳細の720字は、高等の専門的応用能力が必要な「計画・研究・設計・分析・試験・評価」の業務か
たかがA4で1枚の経歴書ですが、気にするべきポイントがたくさんありました!
ここで書くと長くなってしまうので、気になる方は以下を参照してください。
筆記試験の対策
技術士二次試験の難関といえば、筆記試験です。
筆記試験は、1日で600字の原稿用紙を9枚書き上げる、修行のような試験でした!
↓例えば機械設計分野では、このような問題が課されます。(1時間半で原稿用紙3枚書きます)
令和5年 Ⅲ-1 部品の入手から製品の配送にいたるまで、モノづくりにはサプライチェーンを通した物流が不可欠である。しかし、物流が二酸化炭素排出量全体に占める割合は大きく、環境の側面から輸送効率の向上に向けた対策が急務である。これに対応し、モーダルシフトなど環境負荷の低い輸送手段への切り替え、例えば、輸送車両の大型化や低燃費車両の導入などが試みられているが、製品を設計する観点からも多面的なアプローチが考えられる。
(1) 担当する製品を具体的に1つ示し、購入部品や製品の輸送効率を向上する事を目的として、設計段階で重要になる課題を機械技術者としての立場で多面的な観点から3つ抽出せよ。
(2) 前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、重要と考えた理由とその課題に対する複数の具体的な解決策を示せ。
(3) 前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
技術士二次試験は、「こんな難しそうなこと聞かれるのか」と初見泣かせな試験です。
実際に試験の対策を進めていくと、「型」や「キーワード」を押さえることが合格への早道だと気が付きます。
しかし、そのような「コツ」に気が付いても、出題テーマは毎年変わります。
DX・GX・SDGs・SCM・新技術、さまざまなテーマに対応できるよう、合格レベルの論文を積み上げます。
そのため、多くの人は論文の添削を繰り返し受けることになります。
私も3ヶ月間、毎週1回の添削を受けて、合格論文が書ける自信を付けていきました。
筆記試験体験記
令和5年の技術士二次試験、20部門の筆記試験は、7月17日(祝)に行われました。
筆記試験は、全国12の都道府県で、大学等で実施。私の場合は名古屋大学が会場でした。
10:00〜12:00は必須科目Ⅰで3枚の論文作成
12:00〜13:00は休憩
13:00〜16:30は選択科目Ⅱ,Ⅲで6枚の論文作成
昼ご飯にありつけないと困るので、おにぎりやサンドイッチを持参し、昼休みに食べます。
7月17日ということで暑いのですが、部屋の中は冷房が効いて寒かったです。上着を持って行って良かった!
1日に600字の原稿用紙を9枚書くので、後半は疲れました…。
ひずみゲージの原理を誤って書く失態がありましたが、10月30日の合格発表まで待ちます。
結果はいかに・・・
無事通過!ということで喜びを噛み締めるのも束の間、口頭試験の対策が始まります。
筆記合格の勉強方法はこちらにまとめたので、よければ参考にしてくださいね。
技術士筆記試験の合格を最短で狙う場合は、添削が充実した講座の受講が良いと感じます。
私は社内技術士に教えて貰いながら、スタディング・アガルート・技術士Lock-onでも指導いただきました!
口頭試験の対策
筆記試験の合格発表は10月31日にあり、口頭試験の受験日を知らせる通知は、11月5日くらいに郵送されました。
口頭試験の日程は、12月上旬〜1月中旬 とのことで、私(機械部門)は12月9日でした!
場所は、東京の新橋TKPカンファレンスセンターでした。
筆記試験の合格に喜ぶのも束の間。口頭試験の対策が最もメンタルにきました……
実は、昨年の令和4年度技術士二次試験で、私は口頭試験の不合格を経験しています。
模擬口頭試験をたくさんやっていただきましたが、まさか不合格とは…。
不合格の原因は、受験申込書の質問に対し少し反論してしまい、口論のようになったためと考えます。
時間切れとなったところで、倫理が0.5点不足、継続研さんが1点不足と、非常に悔しい結果でした。
同じ失敗を繰り返さないためにも、様々な改善点を盛り込みました。
・模擬口頭試験は、社内だけではなく、社外の技術士からも受ける
・模擬口頭試験は、可能ならば厳しめに試験を受け、改善点を明確にする
・倫理と継続研さんは、日頃の行動を変革し、しっかりと口頭試験対策する
・身だしなみ、口ぐせ、明るい態度、ゲン担ぎ、やれることは全てやる
口頭試験対策の基本的な情報は、こちらの本で十分手に入りました。
ポイントは、模擬口頭試験です。
様々な先生に模擬口頭試験をお願いし、それなりに良い感触を掴みました!
そして本番の10日前に、総仕上げとして社外の技術士様に、模擬口頭試験をお願いしました。
なんと仕上げのつもりで臨んだ模擬口頭試験で、とても不安が残る結果に…!
矢継ぎ早に質問されて頭が回らない…。ついつい話が長くなる…。
これではいけないと思い、QAリストを貰いながら、模擬口頭試験のリベンジに臨みました。
なんとか2回目の模擬口頭試験はOK!貴重な経験が積めました!
短い試験時間で試験官に理解してもらうためには、「キーワード」という共通語で端的に伝えると良い。
品質機能展開、FMEA、ガントチャート、PDMなど、試験官も知っているキーワードを最初に伝える。
試験官が理解したところで、自分の専門領域での具体例を伝えると、とても伝わるんだなあと。
本番直前で私を引き上げた先生:技術士合格講師カツヤ様
口頭試験体験記
面接官は二人。アイコンタクトをとりつつ、頷きも多く、なごやかな雰囲気。
40代後半のにこやかな教授風メイン面接官A
40代前半のイケメン実業家風サブ面接官B
・経歴と業務詳細を2分で説明
・リーダーシップとコミュニケーション
・マネジメントと評価
・技術者倫理と継続研さん
このように技術士に必要な資質能力をオーソドックスに問う質問があり、約17分で口頭試験が終わりました。
合格発表は、令和6年の3月です…!
まとめ
技術士二次試験は、このようなスケジュールで、厳しくも充実した1年間を過ごします。
4月:申込書を提出
5〜7月:筆記試験の勉強
7月中旬:筆記試験
10月末:筆記試験の合格発表
12〜1月:口頭試験
技術士にもっと興味があれば、メリットや具体的な勉強スケジュールなど、参考にどうぞ。
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