技術士二次試験の対策と勉強方法 筆記試験の必須科目Ⅰ 回答例あり 論文初心者へ丁寧に解説

技術士二次筆記必須科目Ⅰの回答例
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技術士二次試験の筆記試験の問題Ⅰで答案の書き方が分からない人

これから筆記試験の論文を書くが、筆が止まってしまった人

参考程度に問題Ⅰの答案を見てみたい人

技術士二次試験の筆記試験は、択一式ではなく、記述式です。

そのため原稿用紙に何を書いたら良いか分からない方も多いと思います。

私も何から書き始めれば良いか分かりませんでした…。

問題Ⅰは令和元年から択一式→記述式に変わりましたが、出題傾向は令和1~3年で同じでした。

そのため令和4年も同じ出題傾向と予測され、傾向に合わせた対策が効果的です。

本記事では、傾向を分析し、実際の試験に備えようというものです。

是非、今後の勉強方法を考える上で参考にして頂ければ幸いです。

※本番でB判定以上取った方には物足りない内容かもしれません。

答案を書きあげる上でのお手伝いをさせて頂きます!

結論

・問題Ⅰは一定の傾向が有るため対策が有効

・出題範囲は広いが、白書から出題される可能性高し

・(1)600字、(2)600字、(3)350字、(4)250字がオススメ

・課題とは「現状」と「あるべき姿」とのギャップ

・(2)は最も重要と考える課題を選んだ理由を書く

・リスクとは解決策に潜む、不確実で危険な事象

・リスク対策は回避→低減→移転→保有

・(4)の技術者倫理は得点源

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>技術士一次 機械/電気で合格
>技術士二次 令和4年度 筆記合格
>技術士講座で試した講座は6社
>記事コンテストで銅賞獲得

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目次

必須科目Ⅰの出題パターン

まず、必須科目Ⅰの出題パターンは一定の傾向があるので、パターン対策の価値があります。

機械部門の場合は、次の通り出題傾向が有ります。

他部門も同様の出題傾向が有ります。

※総合技術管理部門は全く出題傾向が異なるので割愛します。

必須科目Ⅰの出題パターン

「とある社会トレンド、技術士トレンド」が提唱されている(主要テーマ)。このような社会の状況を考慮して、以下の問いに答えよ。(600字の原稿用紙3枚)

(1)以上の背景を踏まえて、あなたの専門分野だけでなく機械技術全体を総括する立場で、多面的な観点から複数の課題を抽出し分析せよ。

(2)その中で最も重要な課題を1つ挙げ、複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策を述べよ。

(4)業務遂行において必要な要件を技術者倫理の観点から述べよ。

この4題の構成が令和元年から続いています。

課題解決は(1)と(2)、評価は(3)、技術者倫理は(4)で問われている事が伺えます。

白書を読んで主要テーマを予測しよう

必須科目Ⅰは出題範囲が広いですが、お題にはパターンがあり、多くは「白書」から出題されます。

「白書」とは、各省庁が発行する政策書であり、毎年決まった時期に発行されます。

技術士試験は国家資格なので、国の情勢や政策を捉えている必要があります。

そのため、各省庁が発行する政策書である「白書」は、とても良い参考書となります。

早い時期から一読されることを勧めます。

全部門に対して、ものづくり白書情報通信白書は役に立つと思います。

部門ごとに次の白書を読んでおくと良いと思います。

建設部門は、国土交通白書
農業部門は、食料・農業・農村白書
森林部門は、林業白書
水産部門は、水産白書
環境部門は、環境白書
原子力部門は、原子力白書

ものづくり白書2020年版の考察はこちら

必須科目Ⅰの対策

原稿用紙のおおまかな使い方

原稿用紙のおおまかな使い方を説明します。

まず原稿用紙(1枚600字)の使い方について。

(1)600字、(2)600字、(3)350字、(4)250字 が良いバランスです。

問Ⅲも原稿用紙3枚ですが、上のバランスだと、問Ⅲと同じ構成で書ける点がGOODです。

(問Ⅲは(1)600字、(2)600字、(3)600字で問題なしです)

もちろん、設問ごとの文字数は、あくまで「目安」です。

全ての設問にバランス良く答える事は重要ですが、そのことばかりに気を取られ、時間切れではNGです。

原稿用紙の使い方コツ

あらかじめ構成を決めてから、答案を書き始めましょう。

いくら技術的に素晴らしい答案でも、闇雲にダラダラ論述しては不合格です。

いくら技術的に素晴らしい答案でも、試験官から見て読みにくければ評価されないでしょう。

例えば次のように、「項目立てて整理された答案」と「ダラダラと書き下した答案」どちらが見やすいでしょうか。

技術士試験では、重要なキーワードをとらえつつ端的に論述する力が問われます。

逆に、余計な事をダラダラと答案に書くことは、技術士試験ではNGとされています。

技術士答案の悪い例として、「黒い答案」という物が有ります。

「黒い答案」とは、章立てや図が無く、文字で埋め尽くされた答案のことです。

技術的に素晴らしい答案を書いても、論文としての見やすさが評価されなければ、不合格です。

原稿用紙の具体的な構成

今回挙げた出題パターンに照らして答案を作成すると、こんな風になります。

答案1枚目
(1)~を実現するための現状と課題
①一つ目の現状と課題
 現状:3行
 課題:3行
②二つ目の現状と課題
 現状:3行
 課題:3行
③三つ目の現状と課題
 現状:3行
 課題:3行


答案2枚目
(2)最も重要と考える課題○○の解決策
①最も重要と考えた理由
 5行で説明
②解決策1○○を利用する方法
 5行で説明
③解決策2○○を利用する方法
 5行で説明
④解決策3○○を利用する方法
 5行で説明

答案3枚目
(3)新たに生じうるリスクと対策
①○○のリスク
 2~3行で説明
 対策:1~2行で説明
②○○のリスク
 2~3行で説明
 対策:1~2行で説明
③○○のリスク
 2~3行で説明
 対策:1~2行で説明
④技術者倫理、必要な要件
 7行で説明  以上

こうやって構成を先に決めると、一個のセンテンスが意外と短い事に気が付きます。

一行はわずか24文字なので、あっという間に3行4行書けてしまいます。

課題とは「現状」と「あるべき姿」とのギャップ

まず(1)では、「課題」を書きます。

さて「課題」とは何でしょうか?

「問題点」とも「解決策」とも違います。

課題とは、「現状」と「あるべき姿」とのギャップの事を言います。

例えば今体重が80kgあるとして、半年後に75kgまで痩せる事を目標にしたとします。

現状:今体重が80kgある

あるべき姿:半年後に75kgまで痩せる

課題:半年間で5kg痩せる

もう一例考えます。今度は技術的な課題を考えます。

あなたは自動車メーカの従業員です。

供給責務のある自動車の保守部品に対し、部品が製造困難となる事態が多発しています。

現状:生産中止後15年間は部品の供給責務がある。しかし年月の経過ととに、材料の法規制や市場トレンドが変化し、所望の材料を調達できないケースが発生している。

あるべき姿:供給責務のある部品は、全て製造可能な状態としたい。

さあ、課題はどうでしょうか?

課題:生産中止後15年間は、必要な材料を調達可能にする。

もちろん悪くは無いですが、「技術士」の論文としては少し浅いです。

①調達困難な材料を事前に把握し、代替設計を進める

②旧型部品は全て新型部品と互換性を持たせる

課題の段階でここまで具体的に書いておき、解決策では、これを具体的にどう達成するかを書きます。

最も重要と考えた理由を書く

(2)では次のように出題されます。

(2)その中で最も重要な課題を1つ挙げ、複数の解決策を示せ。

特に記載されていませんが、最も重要な課題1つを「選んだ理由」を書きましょう。

長く記述する必要はありませんが、採点者の腑に落ちる説明を心掛けましょう。

リスクとは、解決策を実施しても残ってしまう、不確実で危険な事象

多くの技術部門の(3)で、「リスク」と、「リスクの対応策」の記述が求められます。

まず、「リスク」という言葉を正確に理解することが肝要です。

リスクとは、解決策に潜む、不確実で危険な事象を意味します。

技術士試験での「リスクを述べよ」とは、

解決策の中に潜む、「現在は顕在化していないが仮に顕在化した場合、重大な悪影響を与える不確実で危険な事象を述べよ。」

の意味。

※懸念事項は、リスクより広い言葉です。リスクの方が、回答が難しいです。まずはリスクを正確に理解しましょう。

少し分かりにくい思うので、リスクの具体的な例を出します。

災害が発生する
コストが高騰する
工程が遅れる
不良品が発生する

現段階で予測できる、解決策の不十分な点が顕在化する

仕様を超える範囲で使って壊れる
→始めから想定可能なためリスクではありません。
 但し、仕様を超える範囲で使われる事はリスクです。

製作時間が増大し、コストが掛かる
→始めから想定可能なためリスクではありません。デメリットです。

珍しい材料を使用しており、材料調達にコストと時間が掛かる
→ 始めから想定可能なためリスクではありません。デメリットです。

リスクを正確に理解し記述する事が、Ⅲ突破のカギとなります…!

ありがちな低得点答案として、解決策で解消できる事をリスクで書く、という例があります。

例えば、次のような答案は、解決案で解消できることをリスクに書いています。

【悪い例 】
課題 :自動ブレーキの誤作動による自動車事故の発生率を低減する
解決策:FMEAを利用して、誤作動に至る不具合の原因分析と対策を実施する。
リスク:整備不足によりセンサが交換されず、寿命によりセンサが誤作動する。

【悪い理由】
整備不足は、FMEAで想定すべき事象では?

この答案に対し、解決策を変更することで、筋の通った答案に変わります。

【良い例 】
課題 :自動ブレーキの誤作動による自動車事故の発生率を低減する
解決策:アレニウス則に基づいた熱疲労破壊で、センサ寿命設計をする
リスク:整備不足によりセンサが交換されず、寿命によりセンサが誤作動する。

Ⅲは、課題、解決策、リスクの筋が一本通る事が、最重要です。この精度を添削などで鍛えます!

リスク対策は○回避→○低減→×移転→×保有

続いてリスクの対策について説明します。

リスク対策は4つの方法でアイデアを考えると良いです。

リスクの対策は4つの方法でアイデアを考えると良いです。

リスクの対策:①回避 → ②低減 → ③移転 → ④保有

自分が所有している家が、地震によって倒壊するリスクを考えた場合

①リスクの回避 → 家を所有しない。地震が発生しない場所に家を買う

②リスクの低減 → 耐震構造にする

③リスクの移転 → 保険に入る

④リスクの保有 → やるべき対策をしても生じた事象は受け入れる

上のリスク対策を見て分かるとおり、②リスクの低減 が良い対策案となりやすいです。

例えば②リスクの低減の一例として、先ほどの自動ブレーキで次のような答案を考えました。

【良い例 】
課題 :自動ブレーキの誤作動による自動車事故の発生率を低減する
解決策:アレニウス則に基づいた熱疲労破壊で、センサ寿命設計をする
リスク:整備不足によりセンサが交換されず、寿命によりセンサが誤作動する。
リスクの対応策:センサが完全に故障する前の予兆を捉え、警告表示し交換を促す。

センサが誤作動する前に交換を実施することで、誤作動に至る確率を減らす提案ができました。

懸念事項はマイナス要因をとにかく書けば良い

続いて、「懸念事項」を延べよ、という出題パターンも最近見られます。

懸念事項とは、「何か気になる悪い事象」と考えていただければ問題ありません。

懸念事項の一部にリスクが含まれるため、リスクの対策をしっかりすれば、懸念事項は難なく回答可能です。

【良い例 】
課題 :自動ブレーキの誤作動による自動車事故の発生率を低減する
解決策:アレニウス則に基づいた熱疲労破壊で、センサ寿命設計をする
懸念事項例1:整備不足によりセンサが交換されず、寿命によりセンサが誤作動する。
懸念事項例2:想定以上の温度環境で使用され、予測より早くセンサが寿命をむかえる。
懸念事項例3:自動ブレーキで使用するカメラが飛来物で塞がれ、作動しない。

※何でも書いて良い訳ではなく、「専門分野の技術士」としてふさわしい回答を作成します。

専門とする科学技術の分野において、高等の専門的応用能力が伝わる論述を心がけましょう。

技術者倫理をどう回答するか

(4)は技術者倫理を問われています。

技術者倫理については、技術士公式HPに、「技術士に求められる資質コンピテンシー」として明記されています。

基本的には、公衆の安全を最優先し、法令を遵守するなど当たり前のことを書きます。

(4)の技術者倫理 は得点源。必ず回答しましょう。答案もこれで決まりです。
※あくまで参考として、ご自身で答案を作成する事をオススメします。

(4)業務遂行において必要な要件を技術者倫理の観点から述べよ。

【回答案】
・時代の変化に応じ、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する
・社会、文化、及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全に努める
・関係法令等の制度が求めている事項を遵守する
・時代とともに変化する技術、法令を理解し、PDCAを繰り返し行い、継続的に資質向上を図る

なお上の回答案は、技術士ホームページに記載している「技術者倫理」を参考に、私なりに作成しました。令和2年の筆記試験ではA判定でした。

※令和3年度では評価されませんでした。自分の技術部門の専門家として、もう少し踏み込んだ解答が必要になっているかもしれません。あくまで参考程度でお願いいたします。

・業務遂行にあたり,公衆の安全,健康及び福利を最優先に考慮した上で,社会,文化及び環境に対する影響を予見し,地球環境の保全等,次世代にわたる社会の持続性の確保に努め,技術士としての使命,社会的地位及び職責を自覚し,倫理的に行動すること。

・業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。

・業務履行上行う決定に際して,自らの業務及び責任の範囲を明確にし,これらの責任を負うこと。

引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/

必須科目Ⅰの添削例

必須科目Ⅰの答案作成の参考として、私が受けた添削の例を紹介します。

このような添削のポイントをまとめた記事となります。

再提出からA判定を狙う計画

×求められていないのに、いきなり製品例を提示していた。
→まずは題意に沿って回答し、製品例は根拠を説明するための道具に留める。

×機械部門全体ではなく、機械設計の視点だけで回答していた。
→材料や振動など、他の選択科目の視点を取り入れる。

×リスクの内容が、「解決策に共通して新たに生じうるリスク」になっていない。
×リスクで損失するものが、「課題の克服」と関係ない。
→解決策に共通して新たに生じうるリスクと、そのリスクによって課題が克服できなくなることを明記する。

▼スタディング技術士講座での添削例
スタディングの技術士講座で必須科目Ⅰを受けてみた 再提出からA判定の軌跡

▼アガルート技術士講座での添削例
アガルートの技術士通信講座で必須科目Ⅰの添削を受けてみた>>

▼添削のためにどの講座を受けようか迷っている方は、こちらが参考になると思います。
【添削ならコレ!】技術士(二次試験対策)おすすめの論文添削を6社紹介 ランキングベスト3を発表!>>

過去問の回答例(SDGs)

私が書いた過去問の答案を紹介します。

必ずしも上で紹介したノウハウに沿ってなく申し訳有りませんが、まだ問Ⅰの答案を書いていない人にとっては参考になると思います。

機械部門になりますが、頻出テーマのSDGsを取り上げてみました。

機械部門 令和元年度 問題Ⅰ

持続可能な社会実現に近年多くの関心が寄せられている。例えば、2015年に開催された国連サミットにおいては、2030年までの国際目標SDGs(持続可能な開発目標)が提唱されている。このような社会の状況を考慮して、以下の問いに答えよ。

(1)持続可能な社会実現のための機械機器・装置のものづくりに向けて、あなたの専門分野だけでなく機械技術全体を総括する立場で、多面的な観点から複数の課題を抽出し分析せよ。
(2)その中で最も重要な課題を1つ挙げ、複数の解決策を示せ。
(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策を述べよ。
(4)業務遂行において必要な要件を技術者倫理の観点から述べよ。

(1)持続可能な社会実現するための現状と課題
①高齢化に伴う労働人口の減少
我が国の労働人口は、出生率の低下と、高齢化の進行により、急速に減少する見込みである。2000年で6700万人、2020年で6400万人、2040年で5200万人を見込んでいる。

②グローバル化の展開と不確実性、保護主義の高まり
グローバル化は年々浸透。その一方で、米中対立、英国のEU離脱などの保護主義の動きが顕著である。グローバルなサプライチェーンの在り方について、より一層のリスク管理が求められる。

③第四次産業革命の進展
あらゆる産業において新たなデジタル技術を使ってこれまでにないビジネスモデルが誕生している。製造業も、IoTを活用した新サービス展開や業種間連携により、シェアリングエコノミーをはじめとする産業構造の抜本的変化に対応することが求められる。

④ソーシャルビジネスの加速
環境対策、社会問題への取組が世界的関心事になっている。ビジネス上のリスクは機会として投資家も関心している。海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化対策などの世界的課題をリスクやコストではなく、ビジネスチャンスとしていく戦略性が求められる。

(2)最も重要と考える「第四次産業革命への対応」
(2)-1最も重要とした選定理由
産業構造への変革により、人手不足や環境対策など他課題にも柔軟に対応可能となるため。
①スマホ等ユビキタス端末との親和的な連動
・コロナ対策として非接触のエレベータ操作をスマホアプリで実現
・宿泊施設の掃除ロボット連携による清掃無人化
・立体駐車場の車自動運転と荷物エレベータの連動による無人パーキング化
・オフィスビル等、毎日使うエレベータにスマホで行先階を登録しておき、自動インプットする。入力するよりも一歩早く行先階を登録可能。登録情報から、用途の多い階近くに自動停車させる事で、混雑を緩和可能である。

②業務のIoT化による効率向上
・設計データの3D化による3Dプリンタ活用、構造解析
・新設、保守、モダに連動による、エレベータ生涯収益コスト算出、製造困難部品の洗平、機種統合戦略、モジュール設計化

③運行データ活用による不具合未然防止、品質向上
・非破壊検査による部品寿命予測と、予防保全的な部品交換時期決定
・起動回数や昇降行程に応じた部品ごとの寿命推定と計画的な交換スケジュール決定

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクと対策
①顧客情報流出のリスク
対策:PCのデータは端末本体のディスクに保存することを禁止し、一括管理したネットワーク上のサーバに保存する。並行して、情報リテラシーの社員教育を継続的に実施する。半年に一回テスト方式でWEB回答させ、合格するまでWEB教育を実施する。

②自動化した業務の社内ノウハウ空洞化
対策:業務区切りごとに、ノウハウの資料化をトップダウンで指示する。資料化完了をもって、その業務を完了したものと位置付け、人事評価に反映させる。

③自動監視の漏れによる不具合発生
不具合に対する監視項目(人間が項目化し、PCに数値評価させる)は、人間が予め決めた範囲に留まる。
対策:完全に無人化する前に、人での点検頻度を減らす程度として自動監視を取り入れる。

(4)業務遂行において、技術者倫理、社会の持続可能性から必要な要件
・時代の変化に応じ、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する
・社会、文化、及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全に努める
・関係法令等の制度が求めている事項を遵守する
・時代とともに変化する技術、法令を理解し、PDCAを繰り返し行い、継続的に資質向上を図る。

以上

▼原稿用紙に書くとこのような感じになります。

過去門の回答例(ものづくり)

続いてものづくり手法に関するテーマを取り上げます。

ものづくりに関連する部門の方に少しでも参考になれば幸甚です。

令和元年 機械部門 問題Ⅰ

我が国は、今後労働人口が減少する状況の下で、技術的な国際競争力をさらに高めていく必要が有る。このため、機械製品には高い性能と多くの機能が求められると同時に、ユーザーの使用条件に見合った製品仕様の多様化への対応などが必要となってくる。そこで、ものづくりの観点からこれを実現する1つの考え方として、従来の「擦り合わせ」を中心とした相互依存に基づく手法から、「組み合わせ」を中心とした構成要件の定義に基づく手法への転換が挙げられる。

(1)機械製品のものづくりの手法を上記に沿って転換する場合に必要な検討項目を、多面的な観点から複数の課題を抽出し分析せよ。
(2)その中で最も重要な課題を1つ挙げ、複数の解決策を示せ。
(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策を述べよ。
(4)業務遂行において必要な要件を技術者倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。

(1)ものづくり手法転換における検討項目
(1)-1製品基本設計思想の転換

「擦り合わせ型」の場合は、部品や機能ブロックの仕様を相互に調整し、製品ごとに最適設計を行うことで高い性能を実現する。「組み合わせ型」の場合は、インタフェースが標準化された部品や機能ブロックを使い、これらの組み合わせ方で製品としての魅力的な機能や性能を実現する。


(1)-2組織が重視する能力(スキル)の転換
「擦り合わせ型」の場合は調整能力が重要で、そのためにコミュニケーション能力や関連領域における幅広い基礎知識が重要なスキルとなる。「組み合わせ型」の場合は、分業化された開発の各業務における専門知識や経験が重要視される。

(1)-3能力構築環境の転換
(1)-2の組織能力を作っている制度や仕組みを転換する。「擦り合わせ型」に必要な調整能力やコミュニケーション能力は、年功序列や終身雇用の仕組み、ローテーションによる関連部署での業務経験蓄積により育成する。「組み合わせ型」の場合は、成果主義を基本とする明確な目標設定と報酬制度が、専門性向上や機動的な専門能力獲得に役立つ。

(2)最も重要な課題 能力環境構築の変換
①部分最適から
全体最適の徹底化(製品群全体でとらえたライフサイクルコストの定量化)
新製品開発コスト、製造ライン変更・維持コスト、保守部品のコスト、据付・保守作業コスト等、すべてのコストを機種ごとに統合し、合算する。

②目標設定と、報酬制度の変更
後継機種の単一製品製造コストが高くても、機種削減による間接費削減効果が大きければ、評価を与える。定量化されたコストメリット額を賞与に反映させる。

③製品群全体のモジュール推進PJの推進
製品群全体を見据えた機種削減策は、各製品担当の立案のみでは、部分最適に陥りやすく推進困難である。各機種の設計経験の有るものを集め、トップダウンでモジュール化を推進するプロジェクトグループを作る。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクと対策
(3)-1ライフサイクルコストの見誤り
①構成部品の寿命見積り間違え

対策:遠隔診断による不良の早期見える化
・カメラを設置し、ロープのストランド破断を監視
・ブレーキトルク診断によるかご滑り監視

②サプライチェーン寸断による調達コスト増
対策:新規品は旧品と交換互換性を持たせる

(3)-2ライフサイクルサービス力の低下
①労働力人口減少による据付保守技能者枯渇

対策:IoTを活用した技能伝承の効率化
・熟練者の作業を動画化し、若手作業者を教育する
・BIツールを利用し資料の蓄積と活用を効率化する

②優先度低下による小ロット保守部品の枯渇
対策:新規品は旧品に互換性を持たせた設計をする

(4)業務遂行において、技術者倫理、社会の持続可能性から必要な要件
・時代の変化に応じ、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する
・社会、文化、及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全に努める
・関係法令等の制度が求めている事項を遵守する
・時代とともに変化する技術、法令を理解し、PDCAを繰り返し行い、継続的に資質向上を図る。

以上

▼原稿用紙に書くとこのような感じになります。

まとめ

ここまでお読み頂きありがとうございます。筆記試験の問題Ⅰ攻略ポイントについて次のようにまとめます。

  1. 問題Ⅰは傾向把握と対策が有効
  2. 白書から出題される可能性高し
  3. 600字、600字、350字、250字で使う
  4. 課題とは「現状」と「あるべき姿」の差
  5. (2)は最も重要と考えた理由も書く
  6. リスクとは解決策に潜む不確実で危険な事象
  7. リスク対策は回避→低減→移転→保有
  8. (4)の技術者倫理は得点源

レベルの低い解説で申し訳ございませんが、皆様にとって役立ち情報があれば幸いです。

当ブログでは技術士を目指す方へ、有益な情報を発信するよう努めて参ります。

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それでは、皆様の技術士試験、並びに技術者生活に良き事がありますように。

2022年度の合格を目指し、一緒に頑張りましょう!

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