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技術士二次試験対策のコツ【勉強方法】 筆記試験 問Ⅰ 課題、解決策、リスクと対策、技術者倫理を解説

技術士二次試験の出題形式は、令和元年と2年と同じ傾向でした。

本記事では、傾向を分析し、実際の試験に備えようというものです。

是非、今後の勉強方法を考える上で参考にして頂ければ幸いです。

※出題パターンが変わる可能性はゼロでは有りません。

こちらの記事で書きましたが、パターンの丸暗記はオススメしません。

こんな悩みに答えます

技術士二次試験 筆記試験の出題パターンを把握したい。

問Ⅰのパターンと、対策のコツが知りたい。勉強方法の参考にしたい。

(1)問Ⅰの出題パターン

問Ⅰの出題パターンは一定の傾向有り。パターン対策の価値あり。

機械部門の場合は、次の通り出題傾向が有ります。

他部門も同様の出題傾向が有ります。

※総合技術管理部門は全く出題傾向が異なるので割愛します。

問Ⅰの出題パターン

「とある社会トレンド、技術士トレンド」が提唱されている(主要テーマ)。このような社会の状況を考慮して、以下の問いに答えよ。(600字の原稿用紙3枚)

(1)以上の背景を踏まえて、あなたの専門分野だけでなく機械技術全体を総括する立場で、多面的な観点から複数の課題を抽出し分析せよ。

(2)その中で最も重要な課題を1つ挙げ、複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策を述べよ。

(4)業務遂行において必要な要件を技術者倫理の観点から述べよ。

(2)白書を読んで主要テーマを予測しよう

出題範囲は広いが、白書から出題される可能性高し。

大前提として、技術士試験は、国家から認定される資格です。

そのため、一企業で通用する知識・技術に留まらず、国家が提唱する方針に沿う必要が有ります。

敵を知って己を知れば、百選危うからず。

国家の考え方・方針を知る参考文献として、政府発行の白書が有ります。

技術士試験の主要なテーマに対する理解と、その対応策は、白書を読んだ上で進めましょう。

全部門に対して、ものづくり白書情報通信白書は役に立つと思います。

部門ごとに次の白書を読んでおくと良いと思います。

建設部門は、国土交通白書
農業部門は、食料・農業・農村白書
森林部門は、林業白書
水産部門は、水産白書
環境部門は、環境白書
原子力部門は、原子力白書

(3)問Ⅰ対策のコツ

①原稿用紙のおおまかな使い方

まず原稿用紙(1枚600字、25行)の使い方について。

(1)600字、(2)600字、(3)350字、(4)250字 が良いバランスです。

問Ⅲも原稿用紙3枚ですが、上のバランスだと、問Ⅲと同じ構成で書ける点がGOODです。

(問Ⅲは(1)600字、(2)600字、(3)600字で問題なしです)

もちろん、設問ごとの文字数は、あくまで「目安」です。

全ての設問にバランス良く答える事は重要ですが、そのことばかりに気を取られ、時間切れではNGです。

②原稿用紙の使い方コツ

あらかじめ構成を決めてから、答案を書き始めましょう。

いくら技術的に素晴らしい答案でも、闇雲にダラダラ論述しては不合格です。

技術士試験では、重要なキーワードをとらえつつ端的に論述する力が問われます。

逆に、余計な事をダラダラと答案に書くことは、技術士試験ではNGとされています。

技術士答案の悪い例として、「黒い答案」という物が有ります。

「黒い答案」とは、章立てや図が無く、文字で埋め尽くされた答案のことです。

技術的に素晴らしい答案を書いても、論文としての見やすさが評価されなければ、不合格です。

③原稿用紙の具体的な構成

今回挙げた出題パターンに照らして答案を作成すると、こんな風になります。

こうやって構成を先に決めると、一個のセンテンスが意外と短い事に気が付きます。

一行はわずか24文字なので、あっという間に3行4行書けてしまいます。

④課題とは「現状」と「あるべき姿」とのギャップ

まず(1)では、「課題」を書きます。

さて「課題」とは何でしょうか?

「問題点」とも「解決策」とも違います。

課題とは、「現状」と「あるべき姿」とのギャップの事を言います。

例えば今体重が80kgあるとして、半年後に75kgまで痩せる事を目標にしたとします。

現状:今体重が80kgある

あるべき姿:半年後に75kgまで痩せる

課題:半年間で5kg痩せる

もう一例考えます。今度は技術的な課題を考えます。

あなたは自動車メーカの従業員です。

供給責務のある自動車の保守部品に対し、部品が製造困難となる事態が多発しています。

現状:生産中止後15年間は部品の供給責務がある。しかし年月の経過ととに、材料の法規制や市場トレンドが変化し、所望の材料を調達できないケースが発生している。

あるべき姿:供給責務のある部品は、全て製造可能な状態としたい。

さあ、課題はどうでしょうか?

課題:生産中止後15年間は、必要な材料を調達可能にする。

もちろん悪くは無いですが、「技術士」の論文としては少し浅いです。

①調達困難な材料を事前に把握し、代替設計を進める

②旧型部品は全て新型部品と互換性を持たせる

ここまで書きましょう。解決策では、これを具体的にどう達成するかを書くのです。

⑤(2)最も重要と考える課題を選んだ理由を書く

(2)では次のように出題されます。

(2)その中で最も重要な課題を1つ挙げ、複数の解決策を示せ。

特に記載されていませんが、最も重要な課題1つを「選んだ理由」を書きましょう。

長く記述する必要はありませんが、採点者の腑に落ちる説明を心掛けましょう。

⑥リスクとは解決策に潜む、不確実で危険な事象

技術士試験での「リスクを述べよ」とは、

解決策の中に潜む、「現在は顕在化していないが仮に顕在化した場合、重大な悪影響を与える不確実で危険な事象を述べよ。」

の意味。

少し分かりにくい思うので、リスクの具体的な例を出します。

災害が発生する

コストが高騰する

工程が遅れる

不良品が発生する

現段階で予測できる、解決策の不十分な点が顕在化する

仕様を超える範囲で使って壊れる
→始めから想定可能なためリスクではありません。
 但し、仕様を超える範囲で使われる事はリスクです。

製作時間が増大し、コストが掛かる
→始めから想定可能なためリスクではありません。デメリットです。

珍しい材料を使用しており、材料調達にコストと時間が掛かる
→ 始めから想定可能なためリスクではありません。デメリットです。

⑦リスク対策は回避→低減→移転→保有

続いてリスクの対策について説明します。

リスク対策は4つの方法でアイデアを考えると良いです。

リスクの対策:①回避 → ②低減 → ③移転 → ④保有

自分が所有している家が、地震によって倒壊するリスクを考えた場合

①リスクの回避 → 家を所有しない。地震が発生しない場所に家を買う

②リスクの低減 → 耐震構造を上げる。

③リスクの移転 → 保険に入る

④リスクの保有 → やるべき対策をしても生じた事象は受け入れる

⑧(4)の技術者倫理は得点源

(4)の技術者倫理 は得点源。必ず回答しましょう。答案もこれで決まりです。
※あくまで参考として、ご自身で答案を作成する事をオススメします。

(4)業務遂行において必要な要件を技術者倫理の観点から述べよ。

【回答案】
・時代の変化に応じ、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する
・社会、文化、及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全に努める
・関係法令等の制度が求めている事項を遵守する
・時代とともに変化する技術、法令を理解し、PDCAを繰り返し行い、継続的に資質向上を図る

なお上の回答案は、技術士ホームページに記載している「技術者倫理」を参考に、私なりに作成しました。令和2年の筆記試験ではA判定でした。

・業務遂行にあたり,公衆の安全,健康及び福利を最優先に考慮した上で,社会,文化及び環境に対する影響を予見し,地球環境の保全等,次世代にわたる社会の持続性の確保に努め,技術士としての使命,社会的地位及び職責を自覚し,倫理的に行動すること。

・業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。

・業務履行上行う決定に際して,自らの業務及び責任の範囲を明確にし,これらの責任を負うこと。

引用元:技術士二次試験 受験申込み案内 https://www.engineer.or.jp/

(4)過去問の回答例

私なりに書いた過去問の答案を紹介します。

必ずしも上で紹介したノウハウに沿ってなく申し訳有りませんが、まだ問Ⅰの答案を書いていない人にとっては参考になると思います。

技術士二次試験 機械部門 Ⅰ過去問 令和元年答案 SDGs

技術士二次試験 機械部門 擦り合わせ型と組み合わせ型のものづくり手法

まとめ

問Ⅰの出題パターンは一定の傾向有り。パターン対策の価値あり。

出題範囲は広いが、白書から出題される可能性高し。

原稿用紙は(1)600字、(2)600字、(3)350字、(4)250字がオススメ

課題とは「現状」と「あるべき姿」とのギャップ

(2)は最も重要と考える課題を選んだ理由を書く

リスクとは解決策に潜む、不確実で危険な事象

リスク対策は回避→低減→移転→保有

(4)の技術者倫理は得点源

ABOUT ME
takeyuu
倹約投資家サラリーマンパパ33歳。ずっとニコニコ円満家庭が目標。 機械/電気で技術士一次試験合格。 機械で技術士二次試験不合格するも、合格を目指し情報発信中。 (令和2年の結果 問Ⅰ:A、問Ⅱ:C、問Ⅲ:A)