技術士二次試験の対策【勉強方法】 筆記試験の選択科目Ⅲを初心者向けに解説 成果や波及効果など

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技術士二次試験の筆記試験の選択科目Ⅲで答案の書き方が分からない人

これから筆記試験の論文を書くが、筆が止まってしまった人

参考程度に選択科目Ⅲの答案を見てみたい人

技術士二次試験の筆記試験は、択一式ではなく、記述式です。

そのため原稿用紙に何を書いたら良いか分からない方も多いと思います。

私も何から書き始めれば良いか分かりませんでした…。

選択科目Ⅲは平成後半から出題傾向がずっと同じでした。

そのため令和4年も同じ出題傾向と予測され、傾向に合わせた対策が効果的です。

本記事では、傾向を分析し、実際の試験に備えようというものです。

是非、今後の勉強方法を考える上で参考にして頂ければ幸いです。

※本番でB判定以上取った方には物足りない内容かもしれません。

答案を書きあげる上でのお手伝いをさせて頂きます!

結論

・問題Ⅲは傾向把握と対策が有効

・白書は出題テーマ把握に役立つ

・原稿用紙は(1)600字、(2)600字、(3)600字 がオススメ

・課題とは「現状」と「あるべき姿」の差

・(2)は最も重要と考えた理由も書く

・効果と波及効果はプラス面を書く

・懸念事項とは解決策に潜む、不確実で危険な事象

・懸念事項は回避→低減→移転→保有

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>技術士一次”機械” “電気”合格
>技術士二次 令和2年度不合格
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目次

1.選択科目Ⅲの出題パターン

まず、選択科目Ⅲの出題パターンは一定の傾向があるので、パターン対策の価値があります。

機械部門の場合は、次の通り出題傾向が有ります。

他部門も同様の出題傾向が有ります。

※総合技術管理部門は全く出題傾向が異なるので割愛します。

問Ⅲの出題パターン

ものづくり技術の主要なテーマの一つが説明される。

(1)具体的な機器などを想定して、その概要とテーマを実行する目的を示し、テーマを実行する上での課題を、技術者としての立場で多面的な観点から抽出し分析せよ。

(2)抽出した課題のうち、~分野において最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)(2)で示した解決策を実行した結果、最終的に得られる成果波及効果を分析し、専門技術を踏まえた懸念事項対応策を示せ。

2.白書を読んで主要テーマを予測しよう

必須科目Ⅰは出題範囲が広いですが、お題にはパターンがあり、多くは「白書」から出題されます。

「白書」とは、各省庁が発行する政策書であり、毎年決まった時期に発行されます。

技術士試験は国家資格なので、国の情勢や政策を捉えている必要があります。

そのため、各省庁が発行する政策書である「白書」は、とても良い参考書となります。

早い時期から一読されることを勧めます。

全部門に対して、ものづくり白書情報通信白書は役に立つと思います。

部門ごとに次の白書を読んでおくと良いと思います。

建設部門は、国土交通白書
農業部門は、食料・農業・農村白書
森林部門は、林業白書
水産部門は、水産白書
環境部門は、環境白書
原子力部門は、原子力白書

ものづくり白書2020年版の考察はこちら

3.選択科目Ⅲの対策

(1) 原稿用紙のおおまかな使い方

原稿用紙のおおまかな使い方を説明します。

まず原稿用紙(1枚600字)の使い方について。

(1)600字、(2)600字、(3)600字 が良いバランスです。

問Ⅰも原稿用紙3枚ですが、上のバランスだと、問Ⅰと同じような構成で書ける点がGOODです。

(問Ⅰは(1)600字、(2)600字、(3)350字、(4)250字で問題なしです)

もちろん、設問ごとの文字数は、あくまで「目安」です。

全ての設問にバランス良く答える事は重要ですが、そのことばかりに気を取られ、時間切れではNGです。

(2) 原稿用紙の使い方コツ

あらかじめ構成を決めてから、答案を書き始めましょう。

いくら技術的に素晴らしい答案でも、闇雲にダラダラ論述しては不合格です。

いくら技術的に素晴らしい答案でも、試験官から見て読みにくければ評価されないでしょう。

例えば次のように、「項目立てて整理された答案」と「ダラダラと書き下した答案」どちらが見やすいでしょうか。

技術士試験では、重要なキーワードをとらえつつ、端的に論述する力が問われます。

逆に、余計な事をダラダラと答案に書くことは、技術士試験ではNGとされています。

技術士答案の悪い例として、「黒い答案」という物が有ります。

「黒い答案」とは、章立てや図が無く、文字で埋め尽くされた答案のことです。

技術的に素晴らしい答案を書いても、論文としての見やすさが評価されなければ、不合格です。

(3) 原稿用紙の具体的な構成

今回挙げた出題パターンに照らして答案を作成すると、こんな風になります。

答案1枚目
(1)~に関する概要、目的、課題
①具体的に想定する製品の概要
 4行で説明
②実施の目的
 4行で説明
③一つ目の課題
 4行で説明
④一つ目の課題
 4行で説明
⑤一つ目の課題
 4行で説明


答案2枚目
(2)最も重要と考える課題○○の解決策
①最も重要と考えた理由
 5行で説明
②解決策1○○を利用する方法
 5行で説明
③解決策2○○を利用する方法
 5行で説明
④解決策3○○を利用する方法
 5行で説明

答案3枚目
(3)成果と波及効果、リスクと対応策
①最終的に得られる成果
 成果一つ目:2行
 成果二つ目:2行
②波及効果
 波及効果一つ目:2行
 波及効果二つ目:2行
③専門技術を踏まえた懸念事項
 懸念事項一つ目:3行
 懸念事項二つ目:3行
④懸念事項に対する対応策
 対応策一つ目:3行
 対応策一つ目:3行

原稿用紙の構成は、あくまでも参考程度とお考え下さい。

1項目当たりの行数は少ないと感じるかもしれません。

(4) 課題とは「現状」と「あるべき姿」とのギャップ

まず(1)では、「課題」を書きます。

さて「課題」とは何でしょうか?

「問題点」とも「解決策」とも違います。

課題とは、「現状」と「あるべき姿」とのギャップの事を言います。

例えば今体重が80kgあるとして、半年後に75kgまで痩せる事を目標にしたとします。

現状:今体重が80kgある

あるべき姿:半年後に75kgまで痩せる

課題:半年間で5kg痩せる

もう一例考えます。今度は技術的な課題を考えます。

あなたは自動車メーカの従業員です。

供給責務のある自動車の保守部品に対し、部品が製造困難となる事態が多発しています。

現状:生産中止後15年間は部品の供給責務がある。しかし年月の経過ととに、材料の法規制や市場トレンドが変化し、所望の材料を調達できないケースが発生している。

あるべき姿:供給責務のある部品は、全て製造可能な状態としたい。

さあ、課題はどうでしょうか?

課題:生産中止後15年間は、必要な材料を調達可能にする。

もちろん悪くは無いですが、「技術士」の論文としては少し浅いです。

①調達困難な材料を事前に把握し、代替設計を進める

②旧型部品は全て新型部品と互換性を持たせる

課題の段階でここまで具体的に書いておき、解決策では、これを具体的にどう達成するかを書きます。

(5) 最も重要と考える理由を書く

(2)では次のように出題されます。

(2)その中で最も重要な課題を1つ挙げ、複数の解決策を示せ。

特に記載されていませんが、最も重要な課題1つを「選んだ理由」を書きましょう。

長く記述する必要はありませんが、採点者の腑に落ちる説明を心掛けましょう。

(6) 成果と波及効果はこう書く

成果と波及効果は、解決策の「プラス」部分を書いてください。

問Ⅲは具体的な製品、アイテムを想定して書きます。

自分の業務で扱った製品を取り上げ、解決策を行った場合の具体的な成果を書きましょう。

成果:解決策から得られる直接的な成果をまず書く。

波及効果:その結果、得られる周辺効果を書く。

例えば、樹脂系の被膜では、10年程度の摩耗耐久性が20年程度まで伸長する。(成果)

この結果、LCCが25%程度向上する。このように、耐久性向上は、確実に維持管理の負担を軽減する事ができる。(波及効果)

実績評価から、科学的検証評価に変わり、技術開発への意欲が高まる。(成果)

結果、新技術による効率的な対策が増加し、維持管理の負担を軽減できる。(波及効果)

解決策の「マイナス」部分は、懸念事項の方に書いてください。

(7) 懸念事項対策は回避→低減→移転→保有

続いてリスクの対策について説明します。

リスク対策は4つの方法でアイデアを考えると良いです。

続いて懸念事項の対策について説明します。

懸念事項はリスクと比べると広い意味を持ちますが、リスク対策と考え方は同じです。

対策は4つの方法でアイデアを考えると良いです。

懸念事項の対策:①回避 → ②低減 → ③移転 → ④保有

自分が所有している家が、地震によって倒壊するリスクを考えた場合

①懸念事項の回避 → 家を所有しない。地震が発生しない場所に家を買う

②懸念事項の低減 → 耐震構造にする

③懸念事項の移転 → 保険に入る

④懸念事項の保有 → やるべき対策をしても生じた事象は受け入れる

4.想定問題の回答例(CAE)

今回は新技術開発センターの添削問題問Ⅲについて、回答案を開示します。

必ずしも上で紹介したノウハウに沿ってなく申し訳有りませんが、まだ問Ⅲの答案を書いていない人にとっては参考になると思います。

機械部門になりますが、頻出テーマの「解析と実機試験の差異」を取り上げてみました。

材料強度・信頼性 問Ⅲ想定問題

あなたはCAE解析部署の部員である。設計部からの依頼により、自社製品の応力解析を実施した。また、実測の専門部署では、同じ製品に発生する応力を電気抵抗ひずみゲージを使用し実測していた。解析結果と実測結果を比較したところ、両者の結果に乖離が見られた。CAE解析及び実測の実施条件は同じであるものとして、以下の問いに答えよ。

(1)CAEの解析結果と実測結果について、両結果が乖離する考えられる要因を述べよ。
(2)材料力学的観点から、解析結果の妥当性をあなたはどのように設計部へ説明するか述べよ。
(3)検討の結果、今回は実測の結果は利用せず、CAEの解析結果のみを設計に利用することになった。今後想定されるリスクとその対策について、あなたの意見を述べよ。

(1)解析と実測が乖離する要因
(1)-1解析誤差
①形状簡略化

実際の製品は鋳肌表面の凹凸や接着剤のはみ出しが存在するが、解析では理想的な場合を想定する。

②材料物性地の誤差
解析ではヤング率とポアソン比を素材ごとに決定するが、樹脂やゴム等、方向性や非線形性を持つ材料は解析上設定困難。

③数値計算の誤差
有限要素法により離散的に計算を行うため、Rの無い角にて応力値が極端に大きくなる。分割数が不十分な場合は、応力集中部を見落とす可能性がある。

(1)-2実測誤差
①製作誤差

鋳物や鍛造品では、製作時の圧力や熱処理の温度がバラつく。そのため、内部応力や強度、硬度が理論通りとならない。また加工公差も存在する。

②測定誤差
ひずみゲージ貼付箇所の面粗度が悪い(Rz=100以上)の場合、部材の変形がゲージに伝わらないため誤差が出る。貼付角度が5°ずれると、1%の誤差が出る。

③測定環境による誤差
金属は熱膨張するため、温度による変形量を考慮する。融点が低い素材は、ヤング率が変化する事に留意する。

(2)解析結果の妥当性説明
(2)-1牽引機構造物の強度解析

具体的な解析対象として、図1のようなロープ式牽引機の構造物を想定する。軸に荷重印加され、軸段付部、ハウジング脚部に応力が集中する。

(2)-2解析結果の妥当性確認方法
①V&Vに基づく妥当性確認

図2の通り対象物の解析、試験結果の誤差はAである。解析結果の誤差は③+Bだが、すべての把握は困難なため、②の確認が肝要である。②、③を以下の通り説明する。

②簡易モデル化と数値計算による確認
図3の通り、軸とハウジングを、梁に置き換えて検討する。応力値はσ=M/Zで求める。図時の確認箇所が最大応力発生部なので、ここを解析値と比較する。


③変形モード確認によるモデル化誤差確認
軸、ハウジングの変形量を実測し、軸とハウジングに予期せぬ相対位置ずれが無いか確認する。あった場合は拘束条件を変更する。更に変形量の大きさから、材料の物性値を同定させ、変位量を合わせていく。


(3)CAE解析結果のみ利用するリスクと対策
(3)-1リスク

①構造変更に伴うモデル化間違い
固定方法の変更や、他部材の追加により、V&Vにおける②及び③を検討誤りする可能性がある。その結果、早期破壊や、過剰品質によるコスト増加が発生するリスクがある。

②牽引機交換不可能な現場の存在
ロープ式牽引機は、最軽量でも200kg有り、大掛かりな据付機器が必要。ロープ掛けや張力調整、エンコーダ磁極学習が必要なため、工期を要し、牽引機駆動停止をお客様が拒否する場合がある。

(3)-2対策
①DRBFMを用いた変更点管理の定常化

構造、素材の変更を行う際は、必ずDRBFMを行い、変更点に伴うリスクと、その大きさを見積もる。設計誤りが想定される場合は、実機検証を行い、V&Vの②及びAの妥当性を確認する。

②リスクの大小に応じたフェールセーフ機構の導入
DRBFM実施時にリスクが大きいものは、図4の具体例の如くフェールセーフ機構を導入する。重要部材よりも先に壊れる補強部材を設け、これが破壊した場合に、補強部材の交換、又は牽引機の交換を検討する。  

以上

5.過去問の回答例(不具合対策)

続いて平成29年の問Ⅲについて、回答案を開示します。

平成29年 機械部門 材料力学 選択科目Ⅲ

工業製品の信頼性が、予期せぬ変形や破壊によって損なわれ、不具合が生じることがある。この場合、原因を特定する必要があると同時に、同じ不具合が生じないようにするための対策も併せて必要になる。あなたが、不具合を対策する材料強度分野の責任者である。

(1)具体的な工業製品を1つ想定し、不具合の原因となる事象を系統的に細分化して、原因を特定する手法について多面的に述べよ。

(2)破壊により信頼性を損なう事例を1つ想定し、(1)で示した手法のうち1つを用いて、原因の特定と再発防止策を提案せよ。

(3) (2)で示した原因の特定と再発防止策について、技術的な限界を説明せよ。

1.不具合の原因特定と対策について
(1)-1ブレーキシューの想定 

具体的な工業製品として、ロープ式牽引機のブレーキシューを想定する。ライニングが鉄製のシューに接着剤で固定される。ライニングがシューから脱落する不具合を想定する。

(1)-2設計段階での不具合特定方法 
①FMEA 

事前に対象部位を選定し、故障モードを列挙する。その後、故障モードの影響とその原因を記述する。各故障モードの重大性と頻度で評価し、対策の優先度を決める。最後に、故障の対策を実施する。  
長所:設計段階で予測可能なため、潜在的な不具合を防止可能。更に重大、高頻度な不具合を重点対策可能。
短所:どの程度対策をとるべきか判断が困難。

(1)-3不具合発生時の原因特定方法   
①FTA
   
不具合事象をツリートップに書き、下方にトップ事象の要因を漏れが無いよう列挙する。ANDゲートやORゲートを使用し、上位事象の発生条件を記述する。最後にフローチャート図を参照し、発生原因の対策を行う。

長所:全要因を抽出するため、他の要因の発生確率が分かれば、残りの要因の発生確率が推定可能。 
短所:不具合の未然防止には使用不可能。

2)FTAを用いたライニング脱落の要因特定と再発防止策 
(2)-1原因の特定
 
図2の通り、ライニング脱落の要因をツリー上に記述する。 

①破壊面の目視確認 
フロー2層目の判断として、目視にて破壊箇所を確認する。更に、破壊面が、段付きのしま模様となっている場合は、疲労破壊と考える。接着剤自身が大きく横ずれしている場合はクリープ破壊と考える。

②再現試験の実施
疲労破壊の場合は、想定する繰返し応力を与えて、早期破壊有無を確認する。クリープ破壊は、使用上限温度で、想定応力を負荷し続け、早期破壊有無を確認する。

(2)-2再発防止策
①応力集中の緩和

接着部に応力集中が発生しないようRを付ける。Rが困難ならば、角を落とす。

②クリープ変形の抑制 
高温時クリープ変形した場合でも、シューを土手に当てることで、クリープ変形、破壊を防止する。

(3)原因特定と再発防止策の技術的な限界 
(3)-1原因特定の技術的な限界 
①FTA作成者の技術的想像力不足 
FTAのフローを網羅的に正しく書けなければ、真因を見落とす場合がある。
②新システム導入時の故障発生確率見積困難

(3)-2再発防止策の技術的な限界
①既出荷品のさかのぼり対策
②未発生不具合の対策優先順位決めが困難 
③寸法制約による、代替品の疲労寿命<製品品質保証年数
ライニングが剥離し位置ずれしたことを検出するスイッチを付ける。剥離した場合でも一時的には土手でブレーキトルクを保持可能であり、スイッチ検出後に部品交換対応する。

答案(原稿用紙)

6.まとめ

ここまでお読み頂きありがとうございます。筆記試験の選択科目Ⅲのポイントは次の通りです。

  1. 問題Ⅲは傾向把握と対策が有効
  2. 白書から出題テーマを推測しよう
  3. 600字、600字、600字で使う
  4. 課題とは「現状」と「あるべき姿」の差
  5. (2)は最も重要と考えた理由も書く
  6. 効果と波及効果はプラス面を書く
  7. 懸念事項とは解決策に潜む不確実で危険な事象
  8. 懸念事項は回避→低減→移転→保有

レベルの低い解説で申し訳ございませんが、皆様にとって役立ち情報があれば幸いです。

当ブログでは技術士を目指す方へ、有益な情報を発信するよう努めて参ります。

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それでは、皆様の技術士試験、並びに技術者生活に良き事がありますように。

2022年度の合格を目指し、一緒に頑張りましょう!

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