技術士二次試験を初めて受けようと思っている
技術士の過去問を見て、どう回答して良いか途方にくれている
筆記試験の対策を何から始めて良いか分からない人
技術士二次試験で、論文対策、何から始めたら良いか分からない。
そのように途方に暮れるのも無理は無いと思います。
実は私も技術士二次試験を受験する初年度は、どう論文を書いて良いか分かりませんでした。
原稿用紙3枚で記述するといっても、自由に書いて良いんですか?違いますよね…?
技術士の筆記試験を突破しようとしたら、以下の手順を踏む事が推奨されています。
- 答案の書き方について正しい情報を知る
- 自分が納得するまで書く
- 有識者からフィードバック(添削)を貰う
- 答案を修正し完成させる
- 練習を積み重ねる
この中で「①答案の書き方について正しい情報を知る」の前段に当たる説明を致します。
技術士二次試験を受験する方は「知識」が豊富だが、「記述力」が足りず、試験官に伝わらないようです。
そこで少しでも皆様の「記述力向上」の助けとなるよう、「論文の書き方」を説明します。
「論文の書き方」。論文作成や学会発表の経験がある方には簡単かも…。でも大事なんです…!
なお具体的に設問ⅠⅡⅢの対策が気になる方は、本記事ではなく以下を参照下さい。
問Ⅰの対策はこちら
問Ⅱの対策はこちら
問Ⅲの対策はこちら
・論文作成の力は、毎日少しずつ、計画的に学習して積み上げる
・「主語」と「述語」は明確にして、1文は80字以内とする
・「指示語」は明確にして、接続詞を効果的に使う
本記事では、スタディングとアガルートの講座にて説明頂いた内容をベースに、記事を作成しました。
無料体験でも、この内容を動画で更に詳しく聞けます。
論文を書く前の心構え
基礎から積み上げる
毎日論文を書いて、基礎力を積み上げましょう!
論文を書いて、「読解力」「作文力」「論理的な考え方の表現」を身に付けていきます。
技術士二次試験は、論文を書く(記述式)試験です。
これは、マーク式(択一式)とは異なり、自分で論述する力が求められます。
ここで質問ですが、技術士試験を受ける方は、どんな人が多いでしょうか?
技術士試験の受験者は、国公立大や有名私立大学を卒業した人が大半。
しかし合格率は、毎年10~15%。
つまり大学受験の成功者が集まった中で、そこから上位10~15%をアピールする事が必要。
大学受験と同じように、キーワードをどんなに暗記しても、合格点には到達しません。
例えばこのように勉強をしても、技術士試験対策としては不十分と言えます。
そうではなく、自分で論文を書く力が求められます。
やらなきゃいけないのは、地道に論文を書く。作文する。
自分の考え方を、読み手に伝わるように、論理的に書いていく。
アウトプット7、インプット3くらいで良いので、簡単な論文作成から始めましょう。
学習計画の重要性
論文対策で一夜漬けは通用しない。
1~2か月先までスケジュールを書く。
スケジュールを自分の目に付くところに置く。
エクセルでも構いません。
スケジュール帳でも構いません。
1~2か月先を書きましょう。
そして、スケジュールを自分の目に付くところに置きましょう。
論文対策で一夜漬けは通用しません。
計画的にインプットとアウトプットを繰り返しましょう。
なお、技術士二次試験のスケジュールはこのような流れです。
Ⅱ-1から始めよう
問Ⅱ-1 → 問Ⅱ-2 → 問Ⅲ → 問Ⅰ の順で対策しましょう。
問Ⅱ-1は過去問5年分を、1問残さず解きましょう。
問Ⅰは最も難度が高いです。
難しい論文から手を付けては、挫折する可能性も有ります。
まずは論文としてのハードルが低い、1枚論文(Ⅱ-1)から始めましょう。
Ⅱ-1 → Ⅱ-2 → Ⅲ → Ⅰの順に解きやすいです。
※得点が大きい3枚論文が合格への鍵であり、選択Ⅲが試験の肝です。
問Ⅱ-1ですが、過去3年分くらいは、1問残さずにやりましょう。
ここで専門分野に対する基礎知識を、築いていきます。
もし時間が無いなら、キーワードを全て説明できる自信を付けておきましょう。
回答を考えるとき、問題文が求めているものは何かを考えてください。
正答が何か分からなく、モチベーションを維持するのが難しいなら、添削を受ける事をお勧めします。
添削を受けるなら、質が高く料金も良心的な、studyingがオススメです。
▼キーワードの練習方法は、こちらで詳しく解説しました。
技術士二次試験の効果的なキーワード練習方法を解説!機械部門キーワード集公開>>
なるべく毎日。一夜漬けは避けよう
スポーツのトレーニングと同じで、繰り返し何度も練習が必要。
目標1:論文を最後まで書けるようにする
目標2:制限時間内に論文を書き上げるようにする
人によって生活のリズムが違うので、「これ」といった正解はありません。
1回、2回、回答を書いただけでは、回答時間は早くなりません。
スポーツのトレーニングと同じで、繰り返し何度も練習が必要です。
論文作成の作法
ここからは、論文作成の具体的な作法を説明します。
私が「添削」を受けてきて、指摘されたところを中心に、「大切な箇所」を紹介します。
これらを徹底することで、私の答案は40点→80点に伸びました!
「主語」と「述語」を明確にする
論文作成に慣れても、本当によくやるミス…
それが、「主語」と「述語」が明確になっていない。という点です。
メールやブログでは、口語での文書作成となるため、「主語」と「述語」を曖昧にしがちです。
しかし、技術士筆記試験は、「小論文」の試験です。
論文本文では、「主語」と「述語」を明確に書きましょう。
文書作成の作法が伴っておらず、大幅減点。せっかくの論述を評価して貰えない、ではもったいない。
せっかく、学会誌と論文で仕入れたネタが…。内容を見る前に「基本」ができてないから、読んで貰えないとは…。
皆様は、私を踏み台にして、添削で良い評価を貰ってください。
まずは、悪い例を紹介します。こちらの悪い例は、助詞の「は」「が」がありません。
続いて、良い例がこちらです。「は、」を使うことで、主語の場所がはっきりと分かります。
もう一例紹介します。
少しの改善ですが、効果は大きいです。
表題は「体言止め」、本文は「主語と述語を明確化」です。
論述の根拠を示す
技術士の筆記試験は、小論文です。論述の根拠を示しましょう。
例えば、箇条書きだけ示して、根拠の無い論文は評価されません。(Ⅱ-1は例外です。)
3-1.リスク
カメラとセンサを使用した遠隔診断を導入するリスクは、以下の通りである。
・製造情報や個人情報の情報漏洩のリスク
・ネットワークの障害による遠隔故障不能のリスク
・センサの故障による誤診断
3-2.リスクの解決策
リスクの解決策は、以下の通りである。
・セキュリティソフトの導入と情報の暗号化
・センサの稼働状況見える化と二重系の設置
もちろん、主張だけ示して根拠がない文章は、評価が低いです。
私は、Ⅱ-2の2枚論文で、上の答案を自信満々で提出しました。
タグチメソッドで実際に設計して、製品を小形化した経験があったので、自信満々でした。
しかし、この論文は「40点」で返却され、赤ペンの嵐でした…!
評価が悪い理由は、
タグチメソッドに着目した理由は?
出力値のばらつきを抑えると、なぜ最適形状に近付く?
このような疑問が残る論述だったため、先の答案は評価が悪いです。
この疑問に答えながら、同様の記述量で修正したのが、次の答案になります。
短く歯切れの良い文章とする
短く歯切れの良い文章とします。80字以上の長文は、避けましょう。
句読点「、」は2個まで。多くても3個が許容限度です。
短すぎて要点が伝わらない、のも良くないですが、長すぎる文章は読みにくいです。
こちらは、私が最初に書いた悪い答案です。
長すぎて、何が何だか分からない。主語も曖昧…。
こちらの文章は、赤ペンを貰って、次のように修正しました。
文章を切ることで、主語と述語の関係も明確になりました。
皆様は、24字詰めの原稿用紙を3行以上、1文で書かないよう気を付けて下さい。
「この」「その」「これ」「それ」指示語を明確にする
「この」「その」「これ」「それ」の指示語を何を示している?指示語を明確にしましょう。
指示語が明確になってない、悪い例はこちらです。
皆様は、上の文章を読んだ時、どう感じたでしょうか?
何も違和感を感じなかったとすれば、「日本語の曖昧さ」に浸かっています。
・これを防ぐってどれを防ぐのか?
制動力不足を防ぐのか、戸開走行を防ぐのか、人が圧死することを防ぐのか曖昧です。
この文章例を添削で修正した結果は、以下の通りです。
この文例の通り、指示語を曖昧にしない癖を付けたところ、添削での評価が上がってきました。
接続詞を効果的に使う「なぜなら」
「なぜなら」、「しかし」など接続詞を効果的に使いましょう
技術士二次試験の論文では、接続詞の効果的な使い方が、あなたの武器になります。
私は、主張の根拠を述べるときに、「なぜなら」を使います。
特に、リスクの説明では、「なぜなら」が効果的に使えます。
なぜなら、解決策を講じてもリスクが残ってしまう理由を、採点者が重視しているからです。
リスクの評価は、技術士に求められるコンピテンシーの「評価」に相当するため、採点者は重視します。
以下文章は、模擬試験を受けたときに、特に高評価だった論述方法です。
続いて、「しかし」の効果的な使用方法を説明します。
「しかし」は、3枚論文(ⅠやⅢ)の課題抽出で、次のように使います。
・○○の機械設計では、○○が必要(肝要)である。しかし、こんな問題点がある。そのため、○○が課題である。
実は、殆どの受験生が課題抽出で躓いています。
この課題抽出をクリアする論述例として、次の例を紹介します。
まとめ
ここで紹介した論文作法を参考にして、レベルアップいただけると幸いです。
・論文作成の力は、毎日少しずつ、計画的に学習して積み上げる
・「主語」と「述語」は明確にして、1文は80字以内とする
・「指示語」は明確にして、接続詞を効果的に使う
当ブログでは技術士を目指す方へ、有益な情報を発信するよう努めて参ります。
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それでは、皆様の技術士試験、並びに技術者生活に良き事がありますように。
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