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MECT(メカトロテックジャパン)ってどんな感じ?専門外が参加した体験談

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こんな人に読んで欲しい

日本最大の工作機械の見本市「MECT」(メカトロテックジャパン)に興味があるが、どんな感じ?

工作機械は専門外だけど、事前準備なしで参加できる?

日本最大の工作機械の見本市「MECT」(メカトロテックジャパン)はご存じですか?

通算18回目となった2021年展では、426社が出店し、約7万人が来場する大規模な見本市です。

最新の工作機械を「実際に」見てみたい!

工作機械の最新技術を把握したい!

機械技術者として研鑽したい!

私はこのような思いがあり、MECT2023に参加しました。

工作機械が専門外、かつ一般参加者として、MECT2023に参加したレポートをお届けします。

結論

日本最大の工作機械の見本市「MECT」(メカトロテックジャパン)に興味があるなら、行って後悔なし!

事前予約しないと、当日参加費用が発生するので、事前登録だけはすべし!

技術トレンドを把握しておくと、ブースでの分かりみが深い。

目次

MECT 2023とは?

メカトロテックジャパンとは、1987年にスタートした、国内最大規模の工作機械展です。

2年に1回、2021年・2023年など西暦奇数年の秋に、名古屋市のポートメッセなごやで開催されます。

通算18回目となった2021年展では、426社が出店し、約7万人が来場したようです。

参加した私の感想としては……とにかく人!人!活気がものすごい!

当日までに準備すること

事前来場登録は必ずやっておこう!印刷環境があれば、入場証も印刷しておくとGOOD。

事前来場登録をしていないと、入場料1000円が必要となる上、入場に時間がかかります。

事前来場登録すると、入場料1000円が無料となるので忘れずに。

入場証も当日必要なので、印刷環境があれば、カラー印刷して持っていきましょう。

最新の技術トレンドは最低限把握しよう。

いくら工作機械の専門外でもOKといっても、最低限の技術トレンドは理解した方が良いです。

企業ブースに行って工作機械を見ても、ただワークとアームが高速に動く様子を眺めるだけで終わってしまいます。

2023年の技術トレンド

自動化、工具や治具の集約、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)、技能伝承、多品種少量生産への対応、SDGs

このような最新の技術トレンドを理解していれば、ブースでの説明も理解が進みます!

とても印象的だった企業ブースの紹介

三菱電機:CFRPのレーザ加工技術

軽量高強度の新素材として、かつて大注目されたCFRP。

CFRPは、質量は鉄の5分の1と軽量ながら、S45Cの2倍の引っ張り強度を持つ材料です。

そのため、航空機や自動車用の部品として注目されましたが、一点大きな短所があります。

CFRPは、高強度ゆえ加工が非常に難しい。

マシニングを使用してドリルで機械加工を行うと、名刺サイズ程の加工に8分くらいかかるようです。

高強度すぎて使用できるドリルが限られる。なんならドリルはよく折れるし、CFRPの固定も難しい。

そこで三菱電機が採用した方法が、レーザ加工だった。

ただし、レーザ加工機でCFRPを加工するのは至難の技だったという。

レーザ加工の原理は、照射したレーザの熱で材料を溶かして加工するというもの。CFRPは炭素と樹脂で出来ており、炭素の融点は約3000℃である一方、樹脂の融点は約300℃。だから、炭素が溶けずに樹脂だけが溶け、デコボコした仕上がりになってしまう。

三菱電機のレーザ加工機は、レーザの熱を部材に緩やかに届けるのではなく、急峻に届けることに成功したようだ。

レーザの熱を一気に届けることで、融点の高い炭素を瞬時に溶かし、綺麗な加工面を実現していた。

レーザの熱を急峻に届ける技術は、企業機密のようだ。レーザの出力値を一定としたままで、レンズのような光学的な方法で、レーザの出力をsin波のような滑らかなカーブではなく、矩形波のような急峻な立ち上がりを実現したらしい。

説明してくれた技術者は、このようにCFRPのレーザ加工技術を振り返っていた。

固くて加工が難しいCFRPをレーザ加工で綺麗に加工できないか?三菱電機ならできるだろう?こう言われて志に火が付いた。実際にレーザ加工すると、融点が低い樹脂が溶けてしまい、製品化できるレベルではない。CFRPを綺麗に切断するためのレーザ照射技術の構築が大変だった。

今後、CFRPが空飛ぶ車に採用されれば、レーザ加工技術がもっと広く利用される。それを楽しみしている。

CFRPの短所は、リサイクルが難しいということ。SDGs全盛の現代では、CFRPの需要が落ち着いているようだ。

丁寧に説明してくださった技術者様に熱量と希望を感じられ、良い時間でした。ありがとうございました。

森精機:工程設計アドバイザー

5軸加工や複合加工機って、どう加工しているの?…複雑でわからん!

このように悩む人も多いと思います。

私は超多品種少量なエレベータの保守部品製作を担当していますが、鋳型や治具の管理費を削減したい。

だから、たくさんの鋳型や治具を捨てて、5軸加工機1個で全て製作する計画があります。

でも、5軸加工機でどんな工程になるか分からないので、型や治具の整理が見積もれない…!

ワークのクランプ方法が分からない…
工程全体のイメージが掴めない…
どこまで5軸加工で実現できる?

こんな悩みに応えるのが、「森精機」の「工程設計アドバイザー」だと思いました。

森精機の工程設計アドバイザーは、複雑な加工の工程を分かりやすい動画で解説する、e-learningを提供しています。

私が驚いたのが、森精機は、日本初5軸加工の民間資格を提供開始したという点です。

ドイツで洗練された5軸加工や複合加工の技術を、森精機は社内にいち早く導入しているようです。

そのため、森精機では、工程設計の「教育そのものを事業化」している。

森精機の技術力の高さは、芸術的な加工品で分かる。教育まで事業化するとは、他の企業の一歩先を行っていると感じました。

機械技術者しぶちょーさんとの出会い

最後に、X(旧Twitter)で知り合いの「しぶちょー」さんと会ってきました。

しぶちょーさんは、このようなハイスペックな方なので、会って下さり恐縮でした。

項目内容
ペンネームしぶちょー
ブログしぶちょー技術研究所
Xフォロワー数1.7万人以上
保有資格技術士(機械),ほか
職種機械設計者 兼 AIエンジニア

実際に会ってみると、気さくで話しやすい方でした!

しぶちょーさんの記事では、MECT2023の見どころを、「工作機械の専門家」として深く簡潔に紹介されています。

▼しぶちょーさんのMECT2023解説記事はこちら
【徹底解説】MECT2023 はここを見とけ!!

しぶちょーさんの解説記事は、現地で企業ブースを見るのと同等以上に分かりやすく、必見と思えました。

まとめ

結論

日本最大の工作機械の見本市「MECT」(メカトロテックジャパン)に興味があるなら、行って後悔なし!

事前予約しないと、当日参加費用が発生するので、事前登録だけはすべし!

技術トレンドを把握しておくと、ブースでの分かりみが深い。

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